
革新的な商品をいきなりAmazonや自社ECサイトで売っても不安だし、まずはクラウドファンディングで試してみたいね
2019~2020年頃から物販プレイヤーで、クラウドファンディングに挑戦する人が増えてきました。
物販クラウドファンディングは、当時に比べるとやや落ち着いた印象ですが、革新的な商品をリスクなくテスト販売&認知拡大するには有効な手段であることは変わりません。
クラウドファンディングで物販というと、「完全無在庫の予約販売」「1回で爆発的に数百~数千万円を売り上げる」というイメージが強い方もいるかと思います。
物販クラウドファンディングが過熱したのは、このイメージが強いからです。
しかし、「これは半分正解で、半分は誤解」というのが実態です。
この点も含めて、本記事では物販クラウドファンディングの概要やメリット、具体的な手順を解説します。
物販クラウドファンディングに興味がある方は最後までご覧ください。

目次
最初に知っておきたい物販クラウドファンディングの全体像

まずは、簡単に物販クラウドファンディングの全体像についてお伝えします。
クラウドファンディングの概要と種類

クラウドファンディングとは、まずは起案者(実行者)がMakuakeなどのクラファン事業者の運営するサイトに、支援金を募ることを目的にプロジェクトを掲載・周知します。
プロジェクトを知り、内容に共感した支援者がクラファン事業者を通じて支援金を支払うというのが、クラウドファンディングの大まかな仕組みです。
支援金を支払った支援者に、実行者が提供する商品・サービスをリターンと言います。
クラウドファンディングには大まかに次の3種類がありますが、物販ビジネスの場合は「購入型クラウドファンディング」となります。
種類 | 概要 | リターン例 |
購入型 | 支援者は、支援した金額と同等の商品・サービスをリターンとして受け取る。主に市場にない商品・サービスのテスト販売&認知拡大が目的。 | ・まだ市場にない新商品 ・飲食店の各コースの予約 ・舞台、コンサートなどのチケット |
寄付型 | 災害や社会的に立場の弱い人の支援を目的とし、寄付金を募る。 | 原則リターンなし。ただし実行者からお礼の手紙や写真などが届くことはある。 |
金融型 | 事業の資金調達を目的として出資を募る。主に貸付型、ファンド型、株式型に分類される。 | 利息、配当、売却差益といった金銭的リターンを受け取れるが、元本割れリスクがある。 |
これだけは押さえておきたいクラウドファンディング用語
クラウドファンディングで一般的に使われる用語については、物販ビジネスで言えば、次の用語に置き換えられます。
クラウドファンディングを実践しているうちにすぐに慣れますのでご安心ください。
クラウドファンディング | 物販 |
実行者、起案者 | 出品者 |
支援者、サポーター | 消費者、お客様 |
支援、応援購入 | 購入 |
クラファンサイト (Makuake、CAMPFIREなど) | ECサイト (Amazon、楽天など) |
リターン | 商品 |
他にもありますが、これだけ覚えておけば問題ないでしょう。
クラウドファンディングの募集方式|All inとAll or Nothing
クラウドファンディングにはAll in方式とAll or nothingの2つの募集方式があります。
目的に応じて使い分けると良いですが、物販クラウドファンディングの大半はAll in方式を使います。
①All in方式
目標金額を達成したかどうかに関係なく、クラウドファンディング終了後に、集まった分だけ支援金を受け取れる方式です。
その際、クラファンサイトの手数料が発生します(Makuake、GREEN FUNDINGは支援金額に対して20%、CAMPFIREは17%)。
ただ、All in 方式でも、通常はプロジェクト開始1~2日で達成できそうな支援額を目安として目標金額として設定します。
そうすると、MakaukeでもGREEN FUNDINGでも、プロジェクト開始直後に、以下のサクセスバッジが商品ページに付くので、賑わい感を演出できます。


All in方式のデメリットは、販売個数がいくらでも必ず支援者にリターンを配送しなければいけません。
そのため、最低ロット(MOQ)の大きい商品の場合は、商品をさばき切れずに在庫を抱えるリスクを伴います。
例えば、MOQが150個でメーカーと合意した場合、80個しか売れなければ70個の在庫を抱えることになります。
メーカーと商品の仕入数について交渉する際は、

クラファンではテストマーケティングを目的とするので、最低ロットは少し抑えたい
など交渉してみるようにしましょう。
また、在庫に眠ったままの商品や、1回市場に出したけど今は販売されていない商品をメーカーが抱えていることがあります。
このような場合はロットの縛りがなく、売れた分だけ仕入れればいいことになるので、All in方式を利用することで問題ありません。
②All or Nothing方式
目標金額に達成すれば支援金をすべて受け取り、1円でも足りなければ支援金を受け取らない方式です。
目標金額に達成しなかった場合は、支援者からの申し込みはキャンセル・全額返金される代わりに、リターンの配送やクラファン手数料も発生しません。
All or Nothing方式は、最低ロットに縛りのある新商品に利用するとメリットがあります。
500個販売する予定でクラファンを立ち上げて、300個しか売れなければ、全キャンセルになるので、在庫リスクが発生しません。
例えば新商品を5個考えているメーカーがいたとして、5個について全部プロジェクトを立ち上げ、テスト販売してみるという手もあります。
この場合、目標金額を達成した商品だけ製作・販売していくことができます。
支援が集まらなかった商品については、何もしなくていいのでノーリスクです。
既存のテストマーケティング手法と違って無駄な製作コストを省けるので、新商品を複数試してみたいメーカーに向いています。
ただし、この場合は目標金額を最低ロット分まで引き上げることになるので、サクセスバッジが付かない場合が多くなります。
そのため、支援者から見たら「この商品は売れていない」と思われてしまいます。
また、All or nothingでプロジェクト不成立だった場合は、クラファンサイトによっては次回からプロジェクトの審査が厳しくなると言われています。
クラファンの運営側としては、不成立の場合は手数料をもらえないうえに、リターンが支援者に提供されないことで信用を傷つけかねないからです。
あくまで「この商品は売れるのか、売れないのか」を確認するテストマーケティングを目的とした場合にのみ利用するといいでしょう。
クラウドファンディングは新規性の高い新商品しか出品できない
クラファンサイトで販売できる商品は、基本的にはまだ発売されていない新商品に限定されます。
つまり、物販クラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げることができる商品は、以下のいずれかです。
- まだ発売されていない国産の新商品
- 海外では発売されているが日本未上陸の商品
ここで注意しないといけない点は、他社と酷似した商品は審査でNGとされ出品できない点です。
例えば中国輸入OEMでは、ただ型番やロゴを変えただけで、他社商品と何ら変わらない商品が販売されることがあります。
しかし、かなり前から、このような商品は新規性のない商品と判断され、クラファン側の審査が通らなくなっています。
購入型クラウドファンディングは、前例にない商品や世の中にない価値を生み出すことを応援する仕組みですから、当然の流れといえます。
また、以前韓国の有名クラファンサイトで大炎上したことが、新規性に関する審査の厳しさに拍車をかけました。
ある歯ブラシを高級品ということで出品していたのですが、実態は中国輸入の簡易OEM商品で、類似の歯ブラシが中国では大幅に安価に手に入ることが判明したのです。
何か画期的な違いがあったわけではないので、「ぼったくり」と大炎上してしまったのです。
日本でも、今ではWishやAliExpressなどを利用すれば手軽に世界中の商品を安価に手に入れられます。
そのため既製品とそっくりの簡易OEMで単価を上げて販売しようとしてもすぐバレます。
そのため、仮に審査が通ったとしてもまず支援が集まりません。
画期的で「こんな商品が欲しかった」という新商品がヒットしやすい
クラウドファンディングは、支援者(消費者)層がAmazonや楽天と大きく違います。
クラウドファンディングの市場にいる消費者は新しいモノ好きで、今までにない画期的な新商品を欲しがります。
一方で商品に価値を感じてくれるので多少高単価でも支援(購入)してくれます。
MakuakeやGREEN FUNDINGのヒット商品を見てみてください。
斬新なアイディアで、「こんな商品が欲しかったんだ!」と思わせてくれる商品ばかりです。


一般的なECサイトでは、よほど大きな話題にならない限り、今までにない新商品は売りづらいところがあります。
そのため、画期的であるが、やや高単価である新商品は、まずはクラファンサイトでテスト販売しながら認知を高めます。
その後、一般販売でも売れそうであればAmazonや楽天、自社ECサイト、実店舗への卸販売などを検討していく流れがスムーズです。
ただ、クラウドファンディングだけで販売を完結させた方がいい場合もあります。
消費者の層が違うので、クラウドファンディングで大ヒットしても、一般販売では売れないこともあり得る点は注意してください。
一般販売の有無は商品によって違ってきますので、プロジェクトを開始する前に具体的な戦略を立てていきます。
30~40代男性が好みそうな商品が多いが最近は女性向きの商品も多い
クラウドファンディングの支援者(消費者)で多い層を一言で言うと、「都市部に住んでいて比較的お金に余裕がある新しいモノ好きの30~40代男性」です。

Makuakeを例にすると、クラウドファンディングの支援者層は、性別では男性が64%、女性が36%となっています。
ただ、これは2021年頃のデータなので、今はもう少し女性向きに商品が増えていることを考慮すると、もっと女性支援者の割合は増えていると推測されます。
少なくとも、「クラファンに女性向け商品は向いていない」というのは過去の話で、「女性の購買意欲を高める工夫も必要」というのが定石になりつつあります。

なお、支援者の年齢層になると、30~50代がボリュームゾーン、しかも居住地は東京、神奈川、大阪などの都市部が中心となっています。
つまり、比較的収入が高くてお金に余裕があり、多少高単価でも欲しければ買う層です。
クラウドファンディングでは、広告費を使って拡散することもあるので、高単価商品の方がプロジェクトに合っています。
ただ、戦略的に低単価商品を扱うという手もあります。
クラウドファンディングはリピーターを獲得することで2回目以降のクラファンを有利に進められる特徴があります。
つまり、初めてのプロジェクトでは10,000円以下の安価な商品で支援者を多く募り、2回目以降の高単価商品のプロジェクトに活かす手もあります。
「一発ドカン」のイメージが強いクラウドファンディングですが、メーカーと信頼関係を構築しながら長期的目線で戦略を立てましょう。
クラウドファンディングはショッピングを楽しむ人が集まる
消費者の買い物には、次のように「buy」と「shopping」という2つのタイプがあります。
特徴 | 主なプラットフォーム | |
buy | すでに買う商品を決めていて、その商品を買う目的だけで訪れ、買ったら帰る。リアル店舗でいうコンビニやスーパー。 | Amazon |
shopping | ワクワクしながら商品を探し、魅力的な商品を見つけたら購入する。リアル店舗でいうウインドーショッピングに近く、買い物自体を楽しむ。 | 楽天、クラウドファンディング |
クラウドファンディングは上記では、断然「shopping」に該当します。
つまり、支援者は、様々な商品ページ(LP)を見て「こんな商品があるんだ!」とワクワクしながら商品を選んでいきます。
これはクラウドファンディングが、一般的な商品を購入する「モノ消費」ではなくてワクワクするなど体験にお金を使う「コト消費」をコンセプトにしているためです。
つまり、物販クラウドファンディングでは、いかに商品ページで支援者に「ワクワク」を提供できるかがかなり支援を左右します。
国内メーカークラファンと海外メーカークラファンの違い
国内メーカークラファンと海外メーカークラファンを比較すると、次のように一長一短あります。
国内メーカー | 海外メーカー | |
扱う商品 | 新商品 | 日本未発売(海外では既存品) |
輸入禁止・規制 | 〇(なし) | ×(あり) |
検査・認証の必要性 | ○(なし) | ×(あり) |
関税・消費税・海外送料 | 〇(なし) | ×(あり) |
仕入れ価格 | ×(やや高い) | 〇(国内より安い) |
商品の品質 | 〇(良好) | △(要注意) |
クラファン審査 | 〇(通りやすい) | ×(厳しい) |
商品ページの作りやすさ | ×(素材が少ない) | 〇(素材が用意されている) |
取り組みやすさ | ×(新商品なのでハードルあり) | 〇(世界的に既存品なので取り組みやすい) |
競合 | 〇(少ない) | ×(比較的多い) |
長期的な取引 | 〇 (信頼関係を構築しやすい) | △ (実績重視ですぐ切られる) |
メーカー仕入れで、国内メーカー仕入れと海外メーカー仕入れで好みが分かれるように、物販クラウドファンディングでも好みが分かれます。
もちろん、物販クラウドファンディングのスキルは国内メーカーにも海外メーカーにも活かせるので、将来的に両方取り組んでもいいでしょう。
【暴露】物販クラウドファンディングの「完全無在庫だからノーリスク」の真実

物販でクラウドファンディングというと、「完全無在庫の予約販売」「ノーリスク」のイメージを持つ方も多いと思います。
しかし、冒頭でお伝えしたように、これは半分正解で、半分間違いといったところです。
その点を詳しく解説していきます。
そもそも「完全無在庫だからノーリスク」と言われる理由
実際、Amazon物販(通常の仕入れ、無在庫転売)、物販クラウドファンディングのキャッシュフローの流れには、次のような大きな違いがあります。


上図のように、クラウドファンディングは先に売上金(支援金)が入金されてから、商品を仕入れる仕組みになっています。
つまり、実質的な無在庫販売(予約販売)で、在庫リスクがないことに加え、先に調達した売上金を仕入れの原資に充てることができるので、資金繰りが良くなります。
物販で無在庫転売というと、注文があってから出品者が商品を仕入れるため、発送遅延のリスクが出てきます。
そのため、無在庫転売は各プラットフォームで厳しい規制がある手法で、特にメルカリやラクマ、ヤフオクでは禁止されています。
しかし、クラウドファンディングの場合は、資金調達を目的としているので「ぜひ応援させてください!」と支援者(消費者)が先にお金を支払うシステムです。
しかも、支援者は一度支援金を支払ったら、支援者都合の返金が認められません。
もちろん、商品に瑕疵があったり、発送できなかったりした場合は返金する必要がありますが、理不尽な返品・返金対応がないのはメリットの1つです。
これは新商品を開発するメーカーにとっても大きなメリットで、商品を生産する前に売れるかどうかテストできるリスクを抑えた方法です。
メーカーから着手金(初期資金)を求められるケースは案外多い
上記のことから、「起案者にとってもメーカーにとってもノーリスク」と言いたいところですが、実はそうとも限りません。
実は、クラウドファンディングを提案してメーカーと契約する際、着手金が必要となるケースもあります。
新商品と言っても様々あります。
例えば市場にまだ出ていないだけで、既に生産済で在庫に眠ったままになっているのも新商品ですし、これからゼロベースで設計し、金型の製作から行う場合も新商品です。
前者の場合は既に在庫にある商品を売ってくれればいいだけなので、着手金は不要なことが多いです。
しかし、後者の場合はメーカーが金属加工商品の金型を製作したり、サンプル品を製作したり、素材を用意したりする必要があります。
メーカーとしては新たなコストが発生することになるため、どうしても着手金を請求されるケースがあります。
新規開発から行うような場合は、国産品とはいえ最低ロット(MOQ)も大きくなる傾向にあり、100万円単位の着手金になることもあります。
つまり厳密に言えば、クラウドファンディングのキャッシュフローの流れは、以下の2パターンということになります。


どちらも完全無在庫販売には変わらないのですが、初期資金が不要とは限りません。
実際にメーカーと交渉すると取引条件がケースバイケースで、ご自身の予算に応じたメーカーの交渉が必要になります。
物販クラウドファンディング11個の真のメリット

ここまで、物販クラウドファンディングの不都合な真実もお伝えしましたが、それでも大きなメリットのある手法には間違いありません。
そこで、今までの話を踏まえて、物販クラウドファンディングのメリットについてお伝えします。
メーカーとの信頼関係構築のきっかけになる
最近はクラウドファンディングの認知度は高まっており、仕組みやメリットを把握しているメーカーも増えています。
しかし、そのような状況でも

どうプロジェクトを進めたらいいかわからない
というメーカーが多いのが現状です。
特に海外メーカーに比べると、国内メーカーは商品力が強くても、販売することに苦手意識を持っていることが多いです。
クラウドファンディングは、商品の魅力を伝えるプロモーション力が欠かせません。
起案者は、メーカーが苦手とすることをサポートして、新商品が日の目を見るようにするのが役割です。

廃棄を考えていた商品が売れた

動かしていない機械を稼働することができた
ということになれば、メーカーから喜んでもらえます。
プロジェクトが成功すれば、「次はこの商品をクラファンで試したい」とメーカーから逆提案されるほど、信頼関係が構築されていきます。
販路拡大のきっかけになる
すべての新商品にあてはまるわけではないですが、プロジェクトが成功すれば、次の一般販売への展開を考えることができます。
Amazonや楽天、自社ECサイトへの一般販売を行ったり、実店舗に卸したり、様々な可能性があります。
クラファンプロジェクト中に、代理店や小売店から「商品を卸してほしい」と提案されることも珍しくありません。
ただ、一般販売についてはプロジェクト開始前に戦略を立てる必要があります。
取引できるメーカーを増やすことができる
物販クラウドファンディングは、既存の取引メーカーとの信頼関係を構築するきっかけになりますが、新規取引メーカーを増やすきっかけにもなります。
Aさんは、既製品をAmazonで販売させてもらえないかメーカーに交渉しようと何回かメールしたのですが、何回か無視されてしまいました。
しかし、Aさんはメーカー仕入れだけでなく、物販クラウドファンディングも取り組み始めていたところでした。
そこで

クラウドファンディングを通じて新商品をテスト販売しませんか?
とメールしたところ、即返事が返ってきたというのです。
Aさんのように、新商品と既製品を両方販売するスキルを持っていると鬼に金棒です。
メーカーに寄り添って提案ができる人は、メーカーにとっては貴重なので、長期的な付き合いに繋がる可能性も高いです。
一生廃れることのない永久不変のビジネススキルが手に入る
クラウドファンディングは、物販プレイヤーが次のステージに進むためには最適な手段です。
なぜなら、クラファンを通じて、メーカーと交渉して契約する営業力と、商品販売のプロモーション力を両方身に付けられるためです。
この2つが手に入れば、外的要因に左右されることなく、メーカーのニーズに合った商品の販売ができるようになります。
営業力とプロモーション力は、歴史的にも商品販売のスキルとして長く必要とされており、今後も廃れるとは考えられません。
せどりや転売は、ただプラットフォーム間の価格差だけを見て安く販売して高く売るだけのビジネスです。
簡単で誰でも取り組みやすい一面がある一方で、ライバルが群がり、価格競争に陥りがちです。
営業力もプロモーションの力も身に付かないので八方塞がりになってしまいます。
そのため、簡単で誰でもできますが長続きしません。
まずはメーカー仕入れで営業力を身に付けて、物販クラウドファンディングでプロモーションの力を付けていくことがおすすめです。
まだメーカー仕入れ未経験の人は、メーカー仕入れから取り組んで、物販クラウドファンディングにステップアップすることをおすすめします。
メーカー仕入れについては、以下の記事をご覧ください。
実績を積み上げて売上・利益を加速できる
物販クラウドファンディングに取り組むことで、実績を積み上げてビジネスを加速し、売上を大きく上げることが可能になります。
これはどういうことかというと、以下のように様々な理由があります。
- リスクを抑えてテストマーケティングを実施することで、今後の戦略に貴重なデータを積み重ねることができる
- 成功実績を国内外の新規取引先にPRすることで交渉を有利に進められる
- 1回でもクラファンで成功すれば、リピート顧客を獲得できるので2回目以降は広告費を削減しながら有利に進められる
- 販路拡大のきっかけになる
過去のクラファン実績を資産として、終了後のビジネス展開や次のプロジェクトを有利に進められるのは、他の物販にはない大きなメリットと考えています。
販売価格を好きに設定できるので利益率が25~40%と高い
単純転売では仕入れ額も販売価格もコントロールできませんし、メーカー仕入れも仕入れ額はメーカーと交渉できますが、販売価格まではコントロールできません。
しかし、物販クラウドファンディングで仕入れる商品については、仕入れ額はメーカー仕入れ同様に交渉できますし、販売価格も自分の裁量で値付けができます。
そのため、利益率をコントロールすることができ、25~40%と高い利益率を設定することが可能です。
自分の扱いたい商品を独占販売できる
クラウドファンディングでは、他の販路で売られていない新商品であることが条件とされ、プロジェクト期間中は他販路で流通ができません。
これは逆に言えば、自分だけが商品の販売を任せてもらえる、商品販売の独占契約ができるということになります。
この点はメーカーも把握しているので

クラファンで新商品をテストマーケティングしませんか?
と提案すれば、商品の販売を任せてもらえます。
もちろん、最初はクラファン期間中に限定したものになりますが、クラファン後のビジネス展開も任せてもらえることがあります。
メーカーと信頼関係を構築していけば、十分あり得る話です。
社会的信用が高くてやりがいのあるビジネスである
何かとせどりや転売はイメージが悪いところがあります。
これは決して偏見ではなく、需給と供給のバランスを逆手にとって、理不尽に高額転売するケースは実際に問題になっています。
また、メルカリは転売ヤーを敬遠する傾向にありますし、Amazonも単純転売については徐々に規制を厳しくしています。
物販プレイヤーでも「子どもに言いにくい仕事はしたくない」と漏らす人は少なくありません。
物販クラウドファンディングは、新商品に挑戦したいと考えているメーカーをサポートすることで、停滞している社会を革新的に動かせる、社会的意義の高いビジネスです。
クラウドファンディングに取り組んでいる人には、「革新的な商品を世に広めたい」と志の高い人が多いです。
もちろん、支援者も「こんなのが欲しかった」と喜んで商品を買ってくれるので、間違いなくwin-win-winのビジネスと言えます。
特に国産品のクラウドファンディングは、地域の産業振興に直接貢献できるので、非常にやりがいのあるビジネスと確信しています。
テレビなどのメディア取材のオファーで商品が注目される
クラウドファンディングのプロジェクトに注目しているのは支援者や大手の百貨店だけではありません。
テレビや雑誌などのメディアから注目されることもあります。
また、自分から「この商品を掲載させてくれませんか?」とメディアに提案することも可能です。
メディアからの取材があればプロジェクトに出す商品が注目され、大幅な支援増加を図ることができます。
また、大手百貨店から「うちに卸してもらえないか」と提案されるなど、クラファン後の展開を有利に進められることもあります。
融資に有利である
物販に取り組んでいる人なら、おそらく1度は融資を考えたことがあるかと思います。
信金や公庫などで融資を受けようとする場合、確実に事業計画の実現可能性をチェックされます。
また、社会的信用の低いせどりや転売では融資の審査は厳しくなっています。
しかし、クラウドファンディングの場合は、プロジェクトの結果をエビデンスにできるので、事業計画の実現可能性を証明しやすいところがあります。
また、産業振興に貢献できる社会的に求められるビジネスでもあります。
メーカー交渉で着手金を求められた場合でも、過去の実績をエビデンスとして出すことで、短期的な融資を得やすい傾向があります。
借入金の返済が完了すると、金融機関の信用も積みあがるので、継続的な融資を得やすくなります。
今は低金利で融資を受けやすいので、ビジネスを拡大させたい方は、融資について積極的に考えるようにしましょう。
補助金や助成金の申請がしやすい
クラウドファンディングに取り組むのであれば、補助金や助成金についてもチェックするようにしてください。
最近は、各自治体でクラファンサイトの利用手数料や商品ページの製作費を補填する補助金・助成金が増えています。
物販クラウドファンディング3つのデメリットと打開策

様々な魅力や可能性にあふれ、ビジネス展開も期待できる物販クラウドファンディングですが、その割にはなかなか取り組まない人も多いです。
メーカー仕入れで実績を出している有力物販プレイヤーでも取り組まない人も多いですが、これは次のようなデメリットが言われているためです。
物販クラウドファンディングの3つのデメリットを、打開策と併せてお伝えします。
単発で大きな収入になるが継続的な収入に繋がらない
物販クラウドファンディングは、単発で大きな収入を得られる魅力があります。
1,000万円の支援を得られれば、利益率30%として300万円の利益です。
しかし、その後一般販売に繋がらなければ継続的な収入に繋がりません。
「クラファンで売れた=Amazonや楽天でも売れる」とは限らないので、「一発ドカン」で終わることも十分考えられます。
ただ、これも半分は合っていて、半分間違いだと思っています。

メーカーの新商品の販売だけでなく、既製品の販路拡大もサポートすれば良いからです。
取引先のメーカーが既製品の販売にも悩んでいれば、メーカー仕入れを提案することもできます。
これができれば、メーカー仕入れでコツコツと継続的な利益を積み上げながら、クラウドファンディングで爆発的に稼ぐこともできます。
メーカー仕入れでは継続的な収入には繋がりますが、爆発的な収入は狙えません。
一方で物販クラウドファンディングは逆です。
2つを組み合わせることで双方のデメリットを打ち消すことができるのです。
EC STARs Lab.では、メーカー直取引とクラウドファンディングを並行して実践するハイブリッド戦略をおすすめしています。
また、プロジェクトが成功したことでメーカーが喜んでくれれば、単発で終わらず「次回の新商品もお願いします」となります。
メーカーとの関係性を構築することで、メーカー仕入れも任されることもありますし、継続的にクラウドファンディングを任されることもあるのです。
クラウドファンディングに1度でも成功していれば、2回目以降はリピーターが多い状態でスタートできるので、有利に進めることができます。
プロジェクト終了まで支援金が入金されない
クラウドファンディングの支援金は、基本的にはプロジェクト終了まで入金されません。
プロジェクト期間はだいたい1ヶ月~1ヶ月半ですが、準備期間を含めれば3ヶ月くらいかかります。
完全無在庫で、場合によっては初期資金が不要になるクラウドファンディングですが、入金される時期が遅いのは1つのデメリットです。
特に初めてクラファンを実施する場合は、リターン配送が終了するまでは他のプロジェクトを開始することができないルールになっています。
運営側としては、まだ実績のない起案者については、トラブルなくリターンを配送できるまで別のプロジェクトの起案を認めないというスタンスなのです。
よく「月1回プロジェクトを立ち上げれば継続的な収入になるよ」という人もいますが、始めたばかりの人には困難です。
また、複数のプロジェクトを同時に進められるようになるまでは、ある程度のスキルも求められます。
ただし、先ほどもお伝えしたように、メーカー仕入れと並行したり、クラファン後の一般販売を目指したりして継続的な収入源を得られれば、このデメリットは解消されます。
商品ページ(LP)を作成する必要がある
物販プレイヤーがクラウドファンディングを避けるもう1つの理由が、商品ページ(LP)を作成しなければいけないことです。
さらにプロモーション戦略を手がけることもあるので、傍から見ると「めんどくさそう」と思うかもしれません。
ただ、作成自体はWordPressのLP制作のようなHTMLやCSSの知識がいるわけではなく、フォームに画像やテキストを挿入していくだけです。
そのため、素材があれば、すぐに作れてしまいます。
また、先ほどお伝えしたように画像や動画は、そこまで高度でなければ安価で外注もできます。
プロジェクトを立ち上げる際はキュレーターもサポートしてくれます。
キュレーターはこれまでのノウハウやデータを蓄積しているので、とても心強いです。
商品ページ作成や広告戦略などは、新商品の販売力を身に付ける絶好の機会です。
このスキルを身に付ければ、どんなプラットフォームでも販売する力を身に付けられます。
物販クラウドファンディングで活用したい4つのクラファンサイト

物販クラウドファンディングで最低限知っておきたいクラファンサイトは、Makuake、GREEN FUNDING、CAMPFIRE、machi-yaの4つです。
共通することは、いずれもプロジェクト成功に関する成功事例やマニュアルが充実している点です。
また、キュレーターと呼ばれるプロジェクト担当者が商品のPR戦略の手厚いサポートをしてくれる点も大きなメリットです。
Makuake

Makuakeは、モノづくりや飲食店のプロジェクトに強い国内最大手のクラファンサイトです。
2013年にサイバーエージェントの新規事業としてスタートし、2019年に東証マザーズに上場しました。
親会社のサイバーエージェントは、アメブロやABEMAのイメージが強いですが、もともとはインターネット広告事業の歴史が長い会社です。
Makuakeは、サイバーエージェントの広告戦略のノウハウをそのまま引き継いでおり、プロジェクトのPR戦略に長けています。
Makuakeは、実行者に向けて定期的にプロジェクト成功の最新事例や傾向を共有するセミナーを開催しています。
特にMakuakeは「メーカーの支援と地域の活性化につなげ、日本を元気にする」という想いが強いので、国内メーカークラファンを実践する際は勉強になります。
出資形式 | All in, All or Nothing |
会員数 | 290万人(2024年9月現在) |
手数料 | 20% |
GREEN FUNDING

GREEN FUNDINGはCCC(TSUTAYA)グループが運営するクラウドファンディングサイトです。
Makuake同様にモノづくりや飲食店、エンターテイメントのプロジェクトに強く、蔦屋書店、TSUTAYAなどの出展ブースに展示できるのが特徴です。
1プロジェクトあたりの平均支援総額が392万円(2020年)なのは、業界最高水準です。
GREEN FUNDINGの出資形式はAll or nothingのみですが、目標金額の下限はなく、実行者側で自由に設定できます。
初日に見込む支援金額を目安に目標金額を設定すれば、実質的にAll in方式と同じような運用ができるので、あまり気にしなくて大丈夫です。
出資形式 | All or Nothingのみ |
会員数 | 非公開 |
手数料 | 20% |
CAMPFIRE

CAMPFIREは国内最大のクラファンサイトで、累計支援額は2025年3月に1,000億円、累計支援者数は1,300万人を突破しています。

CAMPFIREだけでも巨大なプラットフォームですが、同社が運営するクラファンサイト(machi-ya等)を含めると、さらに支援者数が大きくなります。
CAMPFIREの特徴は、machi-yaなどの関連サイトに支援者がアプローチできるので、多くの支援者を巻き込むことができる点です。
CAMPFIREは、MakuakeやGREEN FUNDINGに比べると物販に限らずイベント系など幅広いジャンルを扱っている点は注意が必要です。
しかし、CAMPFIREの圧倒的な流通量と支援者数から、幅広く支援を得られることが期待できます。
出資形式 | All or Nothingのみ |
累計支援者数 | 1,300万人 |
手数料 | 17% |
machi-ya

machi-yaはCAMPFIREが運営するクラファンサイトの1つです。
CAMPFIREがイベント系のプロジェクトなど幅広く扱っていることに対し、machi-yaは小物やガジェットを中心に物販を中心としています。
手数料が25%と、上記3サイトより高めですが、その分「ギズモード・ジャパン」「ライフハッカー」など有力なWebメディア掲載され、メディア目線で商品の魅力を伝えられます。
【手順解説】物販クラウドファンディングのやり方8STEP

最後に、物販クラウドファンディングのやり方・手順について解説します。
物販クラウドファンディングは、次のような決まった流れで進めていきます。
クラウドファンディングに向いている商品をリサーチする
輸入品の場合は、世界的には流通している商品でも、日本未発売であればプロジェクトを立ち上げることができます。
しかし、国産品の物販クラウドファンディングは、どこにも流通していない新商品でなければいけません。
つまり、国産品のプロジェクトの場合は、モデリングできる商品をリサーチすることになります。
ただ単にMakuakeやGREEN FUNDINGのランキングを眺めるのではなく、リサーチ基準を知ったうえでリサーチする必要があります。
既存品を販売するせどりやメーカー仕入れに慣れた方は、少し戸惑うかもしれませんが、商品開発の醍醐味を味わえるところでもあります。
モデリング商品のリサーチ方法は、以下の記事をご覧ください。
メーカーと交渉して独占契約を結ぶ
モデリングする商品が決まったら、製造できそうなメーカーと交渉して独占契約を結びます。
既存取引メーカーで製作できない場合は、新規取引メーカーを探すことになります。
最初は、クラファンサイトからメーカーを探して、交渉して断られたら別の類似商品の作れるメーカーにアプローチする流れになります。
メーカー仕入れの交渉に慣れている方であれば、メーカーとの交渉はそこまで難しいものではありません。
特に国内メーカーの場合は、交渉というよりは、「どうやって良い商品を作るか」など協力し合うスタンスです。
副業中の個人事業主でも、メーカーと交渉して独占契約を結ぶことは十分可能なのでご安心ください。
クラファンプロジェクト立ち上げの事前準備をする
メーカーと独占契約が成立したら、リターンの詳細、納期、LP作成用のサンプル品の提供について詳細を詰めていきます。
トラブルがないように、きちんと詳細を詰めていきましょう。
サンプル品が有償の場合は、

本発注するときは代金を差し引いてもらえませんか?
と交渉すると、実際に差し引いてもらえることがあります。
無理にごねる必要もないですが、比較的浸透している商習慣なので交渉してみてください。
次に、クラファンサイトの選定をします。
Makuake、GREEN FUNDING、CAMPFIRE、machi-yaから選ぶことになります。
CAMPFIREやmachi-yaはどちらかというと、おかわりクラファン(一度あるクラファンサイトで出品した後、別のクラファンサイトで同じ商品を出品する)に向いています。
基本的には物販系のプロジェクトの規模が大きいMakuakeかGREEN FUNDINGを選ぶようにしましょう。
ただし、GREEN FUNDINGは法人しかプロジェクトを起案できません。
また、Makuakeにあって、GREEN FUNDINGにない商品はGREEN FUNDINGに出品、逆の場合はMakuakeに出品することがおすすめです。
他の類似商品が少なめなので、差別化しやすく比較的支援を集めやすいです。
クラファンサイト選びの1つの参考にしてください。
商品ページ(LP)を作成してクラファンに申請する
クラファンサイトが決まったら、商品ページ(LP)を作成してプロジェクトの起案を申請します。
LPの作成やリターンの設定は支援を大きく左右するので、しっかり取り組んでいきましょう。

特にLP上部のサムネイル画像は、上図のように文字を詰め込みすぎない程度に商品の魅力を表現するようにしてください。
広告・拡散戦略で認知拡大を図る
プロジェクト期間中は、ただ支援を待っているだけでなく、支援を最大化させるために次のような広告拡散を行います。
- ティザー広告(スタートダッシュを成功させるための広告)
- 友達や家族に周知する
- SNSのフォロワーに拡散する
- 自社リストに拡散する
- 自社のSNS広告でプロジェクト期間中拡散する
- クラファンサイトに広告運用を委託する
- プレスリリースを活用する
- メディアに直接投げ込む
- YouTuberのギフティング施策をする etc
詳細は、以下の記事をご覧ください。
クラウドファンディング終了後はリターンを配送する
クラファンプロジェクトが終了したら、滞りなくリターン配送ができるように、メーカーと最後の調整を進めてください。
クラファンサイトの活動報告機能などで、必ず生産状況の進捗をまめに行うようにしましょう。
お変わりクラファンで支援を最大化する
並行して支援を取りこぼしなく最大化するために、CAMPFIREかmachi-yaでおかわりクラファンを開始しましょう。
1回目のプロジェクトに比べると支援は10~30%程度に留まりますが、LPを使い回せるので、労力なく開始できます。
一般販売して継続的な収益を得る
おかわりクラファンを含めてクラウドファンディングのリターン配送を完了したら、一般販売を行います。
一般市場で相性の悪そうな商品や、クラファン分の在庫しかない場合は一般販売を行わないこともあります。
ただ、継続的な収入を得たり、大きくビジネス展開したりするチャンスでもあります。
特にプロジェクト中に卸の引き合いがあったような場合は、一般販売でも売れる見込みがあると思って良いでしょう。
最後に
以上、物販クラウドファンディングの概要やメリット・デメリット、具体的な手順についてお伝えしました。
もし、革新的な商品を売っていきたいという場合は、クラウドファンディングはとても相性が良いです。
クラファンの成功を積み重ねていけば、一般販売を重ねて自社ブランドを成長させることができて、大きな利益を手にすることにも繋がります。
物販プレイヤーにとっては夢のある手法なので、メーカー仕入れ経験者は取り組んでみても良いでしょう。
物販クラウドファンディングの詳細なノウハウについては、「国内メーカークラウドファンディング→個人物販ガイド」をご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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