Amazonの広告運用ではACOSが大事!コストを最適化して目標利益を達成するには?

Amazon広告を始めて、いろいろ調べるとACOSという言葉が出てくるけど、なんだかよくわからない

Amazon広告を運用しているなら、費用対効果を検証して改善を繰り返すことが必須です。

Amazon広告の費用対効果を検証するなら、ACOS(Advertising Cost of Sale:広告費売上高比率)について理解しなければいけません。

Amazonの広告運用には、他にも聞き慣れない言葉がいくつか出てきますが、最低限ACOSだけでも押さえておきましょう。

そこで、今回はACOSの概要や、最適化する方法、ACOSが高騰した際の対策について解説します。

スポンサープロダクト広告やスポンサーブランド広告などを運用する人は、最後までご覧になり、費用対効果の改善に活かしてください。


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Amazonの広告運用で重要なACOS(広告費売上高比率)とは?

まずは、ACOSについて簡単に解説します。

次のことを最低限押さえておけば、ACOSについては8~9割理解できたと言って良いでしょう。

ACOSとは売上に対する広告費の割合

冒頭でお伝えしたように、ACOSは、「Advertising Cost of Sale」の略で、日本語で言えば、「広告費売上高比率」のことです。

つまり、ACOSは売上に対する広告費の割合を「%」で示した指標で、計算式は次のようになります。

ACOS=広告費÷売上×100

売上50万円に対して、広告費が10万円であれば、ACOSは20%ということになります。

ACOSが高ければ高いほど、売上に対する広告費がかかっていることになり、費用対効果は悪いと判断できます。

ACOSが高騰することになれば、まずは費用対効果を上げる対策が必要になります。

一方、ACOSが低ければ低いほど、少ない広告費で売上が立っていることになります。

ただ、ACOSが低いことと、広告経由の利益は別で考えないといけません。

ACOSが低くても売上自体が少なければ、全体の利益が伸びることはないからです。

自然検索経由の利益が十分でなければ、広告費を上げて露出を増やすなどの対策が必要になります。

ACOS>利益率なら赤字|ACOS<利益率なら黒字

Amazon広告の費用対効果を測るなら、ACOSと利益率を比較すると、広告損益を瞬時に判断できます。

ACOS=広告費÷売上×100

利益率=利益(※)÷売上×100

※広告費を差し引く前の利益(粗利)

上記の計算式から、ACOS>利益率なら広告損益は赤字、ACOS<利益率なら黒字ということがわかります。

販売価格が10,000円で、利益が3,000円であれば、利益率は30%になります。

ここで、広告費が1,500円であれば、ACOSは15%となり、広告損益は3,000円−1,500円=1,500円の黒字になります。

一方、広告費が4,500円であれば、ACOSは45%となり、広告損益は3,000円−4,500円=−1,500円の赤字になります。

いかに、ACOSが費用対効果を測るうえで便利な指標であるかがわかります。

ACOSはROASの逆数

費用対効果というと、ROASを思い浮かべるけど、どう違うの?

ROASは「Return On Advertising Spend」の略で、日本語では「広告費用対効果」と呼ばれ、その字のごとく費用対効果を示す指標です。

ROASは計算式で示すと、次のようになります。

ROAS=売上÷広告費×100

つまり、ROASとACOSは逆数の関係にあり、ROASは高ければ高いほど費用対効果が高く、低ければ低いほど悪くなります。

ただ、Amazon広告に限っては、あまりROASを使用することはなく、利益率と比較して効果を検証しやすいACOSの方が頻繁に使用されます。

ACOSの目安は利益率にもよるが30%程度

ACOSの目安は、商品の単価や利益率にもより、基本的にACOS<利益率であることが、Amazon広告運用の基本となります。

利益率(粗利率)を、だいたい40~50%で設定している場合は、ACOSは30%程度が目安となるでしょう。

ACOSが30%を超えるのであれば、後述するような改善が必要と考えて良いでしょう。

しかし、どうしてもAmazon広告を始めた当初はACOSは高くなる傾向があります。

以下は、ある商品のスポンサープロダクト広告におけるACOSの推移です。

広告運用開始からの期間ACOS
1~7日44%
8~14日31%
15~21日26%

特にスポンサープロダクト広告のオートターゲティングの場合は、上記のような傾向にあることが多く、徐々に最適化されてACOSは改善されます。

最初は、投資だと思って、赤字覚悟でAmazon広告を運用してみて、しばらく様子見してみる必要もあるでしょう。

その代わり、赤字が許容できるように、無理のない範囲で広告費をかけるようにすることが大切です。

例えばスポンサープロダクト広告の運用開始直後であれば、1日1,000円くらいが目安になるでしょう。

徐々に自然検索でも露出が増えてきたら、広告費を下げていきます。

ACOSを最適化して目標利益を達成する3つの方法

Amazon物販の最大の目的は目標利益を達成することです。

そのためには、ACOSを最適化していくことが大切になります。

ACOSが利益率を下回るようにコントロールする

ACOSの理想は、ACOS<利益率となることです。

ACOS>利益率と、広告損益の赤字が続くようであれば、後述するような改善が必要になってきます。

ただ、ACOSが低ければ良いとは限らない点は注意が必要です。

ACOSが低くても、そもそも露出が少なくて商品が十分売れていないなら、多少ACOSが高騰しても入札単価を上げた方が良いでしょう。

商品が売れなければ、Amazon SEO評価も低いままなので、自然検索でも露出してきません。

自然検索で露出してこない限り、広告に依存しなければいけません。

例えばクリスマスプレゼントなど季節需要のある商品の場合、ちょうど需要のある時期はライバルも増えるのでACOSは高騰する傾向にあります。

この場合は、入札単価を下げると露出しなくなり、逆効果になる点は注意が必要です。

※Amazon SEOの評価については、以下の記事をご覧ください。

自然検索からの販売数を増やしながら広告費を下げる

広告経由で商品が売れてくると、商品ページの自然検索順位が上がってきて、自然検索経由でも売れるようになってきます。

先ほどお伝えしたように、多少ACOSが高い場合であっても、自然検索からの販売数が十分でなければ広告費を下げるべきではありません。

広告費をかけながら、ACOSを下げる対策をしていくようにしましょう。

そして、自然検索経由からでも商品が売れてきたら、広告費を減らすようにしていきます。

つまり、広告費の増減を判断するには、広告経由の利益と自然検索の利益を分けて考えるようにします。

①自然販売利益=販売価格×自然検索経由の販売数×利益率

②広告損益=販売価格×広告経由の販売数×(利益率−ACOS)

③最終利益=自然販売利益+広告損益

上記の自然販売利益、広告損益、最終利益を観測して、広告費の増減や、ACOSの改善の有無を検証していくようにしましょう。

Amazon広告運用を自動化できるツール「Perpetua」を利用する

スポンサープロダクト広告などでは、広告設定の選択肢が多く、自分で最適化するのが難しいと感じる人も多いでしょう。

その場合は、キャンペーンの作成や広告開始後の改善までAIで自動化できる「Perpetua」というツールがおすすめです。

Perpetuaを利用することで、細かい入札単価の調整やキーワードの変更などを自分で行うことなく、効率的に広告を運用できます。

料金は以下のようになっており、月額の広告費が10万円未満の場合でも月50ドル(7,500円程度)かかります。

※perpetua公式サイト「料金プラン」より抜粋

決して安い金額とは言えませんが、費用対効果は効率的に改善できるので、検討の余地はあるでしょう。

ACOSが高騰する主な2つの原因と対策

ACOSが低ければ低いほど良いとは限りませんが、なかなかACOSが改善しない場合は、次の対策が必要となります。

季節やイベントなど外的要因がなく、ACOSが高騰する場合は原因を分析して改善を図りましょう。

Amazon広告の費用対効果の高い運用のポイントは、以下の記事も参考にしてください。

Amazon広告の費用

入札単価が高い

単純に入札単価が高ければ、それだけ広告費がかかってくるのでACOSは高騰します。

複数の広告を利用している場合は、ACOSの高い広告は止めて、入札単価を抑えられる広告に絞るのも良いでしょう。

除外キーワードターゲティングや除外商品ターゲティングを利用して、ACOSが高騰しているキーワードや類似商品に表示させないことも有効です。

メンズ商品なのに女性向きのキーワードなど、明らかに購入されないようなキーワードで露出していれば、どんどん外していきましょう。

ただし、入札単価を下げてACOSを改善しても、商品の売れ行きまで落ちてしまう可能性があることには注意しなければいけません。

まだ自然検索経由の売れ行きが十分でないときは、広告費を下げるのではなくACOSを改善するという意識で取り組みましょう。

購入率が低い

Amazonの広告検索画面で露出しているのに、購入率が低ければ、広告費はかかっているのに売上が立たないのでACOSは高騰します。

もし、購入率が10%を切っているのであれば、次の原因が考えられます。

  • ターゲットとなる消費者が検索しない検索キーワードで露出している
  • ターゲットが間違っている
  • 商品画像やタイトルで消費者に魅力が伝わっていない
  • レビューが集まっていない

といったことが考えられます。

ターゲットを間違えたり、狙う検索キーワードが間違ったりしている場合は、そもそもクリックされないので広告費がかからず、ACOSが良い数値を示すことがあります。

ただ、商品が売れないことには変わらないので、改善は必要です。

商品検索画面のトップに表示されてクリック率が35%を切っているなら、ターゲットを見直したうえで、キーワードを考え直す必要があるでしょう。

場合によっては、商品画像の1枚目を見直す必要があるかもしれません(商品本体ではなく、パッケージの写真にするなど)。

クリック率は良いが、まったく購入されない場合、つまりユニットセッション率(注文数÷訪問者数×100)が低い場合は、ACOSは高騰します。

ユニットセッション率が低い場合は、商品ページの中身を疑う必要があります。

特に商品画像は購入の後押しを大きく左右します。

商品のスペックだけでなく、消費者のベネフィットになる機能性や利用シーン、使い方(「早くて簡単」を意識する)、不安解消(壊れない、ケガしない)などを掲載しましょう。

多くの商品の商品画像は、消費者の属性や悩み、欲求に添ったものになっていないので、画像を改善するだけでも購入率が大幅に上がるかもしれません。

ブランド登録している人であれば、商品紹介コンテンツ(A+)を利用するのも良いでしょう。

売れる商品ページの作り方は、以下の記事を参考にしてください。

また、購入率を上げるには、商品レビュー対策も必要です。

高評価レビューが多ければ、それだけで購入率の上昇が期待できます。

レビューリクエストはもちろん、Amazon Vine先取りプログラムの利用も検討しましょう。

最後に

以上、ACOSの概要や、最適化して目標利益を達成する方法、高騰した際の対策についてお伝えしました。

ACOSを指標に加えることで、費用対効果はどうか、広告費はどうするかなど、広告運用で重要な判断をしやすくなります。

Amazon広告を運用している間は、ACOSや利益率、クリック率、購入率(ユニットセッション率)、広告損益、自然検索経由の売上などを観測して、改善を繰り返しましょう。

なお、Amazon広告全体に関しては、以下の記事に詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

Amazon広告
Amazon広告の種類

本記事を最後までご覧いただき、ありがとうございました。


 

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ABOUT US
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石井裕
1979年新潟県出身、東北大学大学院工学研究科修士課程卒。
原子力技術者として13年勤務。

趣味で書き始めたブログから収入を得られたことをきっかけに、密かに夢に抱いていたライターとして起業。
マニアックな好奇心と探究心から生まれる徹底した取材で、商品・サービスの隠れた魅力を言語化することを武器としている。

特に物販事業について専門的な知識を有しており、2018年より、EC STARs Labのコンテンツ制作および活動に深く関わっている。

県境をまたぐマニアックな趣味を持ち、2009年『県境マニア』を出版。
以降TBSの「ゴロウ・デラックス」「マツコの知らない世界」、テレビ東京「たけしのニッポンのミカタ!」などメディア出演多数。