Amazonでドロップシッピングはできる?メリット・デメリットも詳細解説

Amazonドロップシッピング(AI利用で自社制作)

Amazonは無在庫で販売(ドロップシッピング)はできるのかな?

できるみたいだけどドロップシッピングポリシーは守らないといけないよね

在庫を抱えずに商品を販売できるドロップシッピング(無在庫販売)は、資金繰りを楽にしたいと考える物販事業者であれば1度は考えるでしょう。

ただ、ドロップシッピングは、消費者と様々なトラブルのもととなるので、プラットフォームによって可否が様々です。

例えば、メルカリやヤフオク、ラクマなどはドロップシッピングを明確に禁止する一方で、BUYMAは無在庫での販売を公式で認めています。

そして、Amazonはドロップシッピングは認められていますが、ドロップシッピングポリシーを遵守しなければいけません。

ドロップシッピングポリシーを遵守しなければ、最悪Amazonアカウント閉鎖に陥るので注意しましょう。

そこで、今回はAmazonのドロップシッピングの概要と、メリット・デメリット、どういうときに活用すればいいかを解説します。

Amazonのドロップシッピングポリシーに関心のある方は最後までご覧ください。


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Amazonドロップシッピングとは?

まず、Amazonのドロップシッピングについて、概要をお伝えします。

特に、Amazonのドロップシッピングポリシーについては理解するようにしてください。

ドロップシッピング=無在庫販売である

ドロップシッピングとは、「商品が売れてから仕入れて、仕入先から直接お客様へ発送してもらう仕組み」のことです。

ドロップシッピング(無在庫販売)とは、販売事業者様が商品の仕入れを行う必要なく、注文が入った際に提携メーカーや卸業者などのサプライヤーから直接お客様に商品が発送されるビジネス形態のことです。
販売商品の在庫を保管することなく、商品を販売できるため、無在庫で販売開始が可能です。

※Amazon公式サイト「ドロップシッピングとは?メリットや成功するためのポイント」より抜粋

通常、物販は「仕入れ→在庫保管→注文→発送」という流れですが、ドロップシッピングは「注文→仕入れ&発送依頼」という流れになります。

※Amazon公式サイト「ドロップシッピングとは?メリットや成功するためのポイント」より抜粋

手元に在庫を持たなくて済むため、無在庫販売と意味は同じです。

ただ、ドロップシッピングは後述するように、仕入れ先がメーカーや卸業者である場合に主に使われる言葉です。

一方、せどりや転売のように、小売店から仕入れる場合の無在庫販売は、一般的にはドロップシッピングではなく、「無在庫転売」と呼びます。

そういう意味では、後述するように、Amazonではメーカーや卸業者がお客様に直送するドロップシッピングは可能ですが、小売店から直送する無在庫転売は、実質的にできません。

この点は、注意しなければいけません。

なお、Amazonや他のプラットフォームの無在庫転売については、以下の記事をご覧ください。

無在庫物販

Amazonではドロップシッピングは認められている

Amazonは無在庫で商品販売するのは禁止だと思っていたけど

先ほどもお伝えしたように、Amazonの規約上、ドロップシッピングは禁止されていません。

上図のように、Amazonの公式サイトにも「ドロップシッピングポリシー」という項目が存在し、認められています。

つまり、ルールさえ守れば、Amazonで在庫を持たずに販売することは可能です。

Amazonドロップシッピングの制約が厳しい

Amazonドロップシッピングでは、次のような厳しいルールがある点に注意しましょう。

Amazonのドロップシッピングポリシーには、次のような記載があります。

ドロップシッピング、すなわち第三者が出品者に代わって購入者に注文を直接出荷することは、出品者が記録上の出品者であることが購入者に明確でない限り、認められません。以下のドロップシッピングの例は、規約違反の問題であり、このポリシーに違反した場合、Amazonの出品者出荷(MFN)を使用した出品が制限される可能性があります。

  • 第三者(AmazonやAmazonストア内の別の出品者など)から商品を購入し、その第三者から直接購入者に出荷してもらうこと。たとえば、出荷時に出品者が記録上の出品者であることが明記されていない場合や、出品者以外の者(第三者を含む)が納品書や請求書、外部パッケージに記載されている場合が該当します。これは、例外なく固く禁じられています。
  • 納品書や請求書、外部パッケージ、その他の情報に出品者以外の出品者名や連絡先情報を記載して、注文を出荷することも固く禁じられています。

購入者が、パッケージや請求書、領収書で、出品者ではない者を出品者として特定できる場合、注文の出荷方法について疑念を抱いたり、問題や疑問点の問い合わせ先について混乱する可能性があります。

他社のフルフィルメントサービス、第三者の物流会社、またはドロップシッピング業者を使用して注文を出荷する場合は、以下の条件を必ず満たす必要があります。

  • 商品に同梱または付随する納品書、請求書、外部パッケージ、その他の情報すべてについて、出品者自身のみが商品の出品者として特定される記録上の出品者であり、事業体であるとする契約を仕入れ先と結んでいること。
  • 注文を出荷する前に、別の出品者または第三者の仕入先を特定する納品書、請求書、外部パッケージおよびその他の情報をすべて取り除くこと。
  • 購入者返品の受付・実施の責任を負うこと。
  • ビジネスソリューション契約(BSA)および該当するAmazonのポリシーを常に遵守すること。

※Amazonセラーセントラル「ドロップシッピングポリシー」より抜粋

つまり、Amazonのドロップシッピングポリシーでは、実質的に次のことが禁止されています。

  • 別のオンライン小売業者から商品を購入し、その小売業者から購入者に直接出荷すること(つまり、せどりは転売)。
  • 納品書や請求書、外部パッケージに、出品者以外の名前や連絡先が記載されていること。

せどりや転売でも、納品書や請求書、外部パッケージに、出品者の名前が入っていれば無在庫転売はできることになりますが、そんなことは現実的にはできません。

どうせバレないのでは?

という人がいそうですが、納品書に他店の名前が入っていれば、お客様が疑念を抱きます。

また、何か不具合があって連絡しようにも、出品者の名前と違うので混乱するでしょう。

十分、Amazonに通報されることは考えられます。

明らかな規約違反になり、最悪Amazonアカウント閉鎖に至るので、安易に無在庫転売を行わないようにしましょう。

Amazonドロップシッピングでは必ずメーカーや卸業者と契約関係にあること

Amazonが認めるドロップシッピング(無在庫販売)とは、出品者が記録上の販売者として明記され、責任を持って販売する場合に限ります。

具体的には、Amazonのドロップシッピングポリシーにある通り、次の条件を満たさなくてはいけません。

  • 出品者が、メーカーや卸業者と正式に契約していること
  • 商品に同梱される納品書や、配送ラベルの依頼主欄が、出品者の名前になっていること
  • 返品対応などを出品者自身が行うこと

Amazonのドロップシッピングのルールは必ず守るようにしましょう。

AmazonのドロップシッピングではFBAは利用できない

Amazonのドロップシッピングでは、当然FBAは利用できません。

FBAは、商品がFBA在庫になければ、注文時に即発送ができないためです。

ドロップシッピングは、あくまで自己発送の1つの手段ということになります。

Amazonの自己発送についての詳細は、以下の記事をご覧ください。

AmazonのFBMとは?

Amazonドロップシッピングの4つのメリット

Amazonドロップシッピングは、FBA発送ではなく、自己発送の手段の1つです。

この点を踏まえて、Amazonドロップシッピングのメリットについてお伝えします。

在庫保管・梱包・注文時の発送を仕入れ先に一任できる

Amazonのドロップシッピングは、契約メーカー卸業者から直接お客様に発送してもらいます。

つまり、在庫保管・梱包・注文時の発送を仕入れ先に一任できます。

出品作業の要否について、FBA発送とドロップシッピングを比較すると、次のようになります。

FBA納品ドロップシッピング
FBA納品必要不要
在庫保管不要(FBA倉庫)不要(仕入れ先の倉庫)
注文時の梱包・発送不要(Amazonで行う)不要(仕入れ先で行う)
カスタマー対応不要(Amazonで行う)必要(自分で行う)

このように、カスタマー対応以外は基本的に自動化できます。

ただ、FBA納品のように、注文があったら即発送できるとは限らないので、お届け日や配送方法については、契約先のメーカーや卸業者に確認しなければいけません。

なお、Amazon FBAについての詳細は、以下の記事をご覧ください。

amazon FBA

売れなくても困らない

ドロップシッピングの最大のメリットは、出品者は在庫を抱えるわけでないので、在庫リスクがゼロである点です。

有在庫の物販ビジネスでは、仕入れた商品が予想通りに売れず、不良在庫となってしまうことになります。

しかし、無在庫であれば、在庫が発生することがないので、売れなくても困りません。

また、在庫を抱えることがないので、災害等による商品の紛失のリスクもなくなります。

この点は、ドロップシッピングの大きなメリットと言えるでしょう。

資金繰りがとても楽になる

有在庫の販売は、先に仕入れてお金を出して、後でお金が入るので、手元にお金が残りにくく、資金繰りが苦しくなることがあります。

一方で、ドロップシッピングであれば、先にお金が入金されて、後から支払うことができます。

Amazonの入金サイクルと、メーカーへの支払いをうまく調整する必要はありますが、有在庫よりはキャッシュフローは改善しやすいです。

売れなくても困らない、資金繰りが楽になるというのは、無在庫転売のメリットでも同じことが言えます。

FBA手数料がかからない

Amazonのドロップシッピングは、FBAを利用することができず、自己発送するしかありません。

ただ、FBAを利用することができないということは、次のようなFBA手数料が一切かからないことになります。

  • FBA配送代行手数料
  • FBA在庫保管手数料
  • FBA在庫保管超過手数料
  • FBA長期在庫追加手数料
  • FBA倉庫の商品の返送・所有権放棄手数料

その代わり、メーカーがお客様に直送する送料は負担することになりますが、FBA手数料に比べると安価になることが多いです。

FBA料金シミュレーターなどで、FBA利用時と自己発送で各々利益計算してたしかめるといいでしょう。

なお、FBA手数料の詳細は、以下の記事を参考にしてください。

Amazonドロップシッピングの5つのデメリット

次に、Amazonドロップシッピングのデメリットについてお伝えします。

Amazonドロップシッピングでは、次のことを考慮するようにしましょう。

発送遅延が起きやすくなる

Amazon FBA発送の際は、注文があれば自動的に即発送されますが、自己発送の場合はそうはなりません。

特にドロップシッピングの場合は、注文を受けてから仕入れになるので、仕入れ先に在庫がなければすぐに発送ができません。

また、契約しているメーカーや卸業者によっては、休祝日に対応していないことや、正午までに発送依頼しないと当日中の発送ができないこともあります。

お客様からのクレームを避けるためには、余裕を持って発送日を設定することになりますが、そうすると、今度はカートボックスを獲得しにくくなります。

メーカーや卸業者に、発送対応についてよく確認しておくようにしましょう。

商品によっては品質面でトラブルになる

ドロップシッピングの配送工程では、自分で検品ができません。

そのため、仕入れ先が誤って商品不良のある商品や、バリエーション違いの商品を送っても気付くことができません。

ただ、せどりや転売のような小売店仕入れに比べると、商品不良や発送時のミスはほとんどありません。

特にメーカーと契約している場合は、万が一トラブルがあってもすぐに対応してくれるので、あまり大きな心配はないでしょう。

気を付けないとAmazonアカウント停止・閉鎖に至る

先ほどもお伝えしたように、Amazonドロップシッピングポリシーを遵守しなければ、最悪Amazonアカウント停止・閉鎖になります。

発送元が出品者の名前になっていないようなことがないように、契約しているメーカーや卸業者と、よく確認するようにしましょう。

利益率が低いことがある

ドロップシッピングでは、仕入れ価格が高めに設定されていることがあります。

特に卸業者仕入れの場合に、この傾向が高く、Amazon販売手数料や送料などを差し引くと、利益がわずかになることがあります。

ただ、取引メーカーと契約している場合は、ドロップシッピングで利益率が低くなるということはほとんどありません。

いずれにしろ、ドロップシッピングをする際は、メーカーに仕入れ価格や送料などをしっかり確認するようにしましょう。

自己発送なのでカートボックスが獲りにくい

ドロップシッピングは、FBAが利用できず、自己発送なのでカートボックスが獲りにくいです。

Amazonのカートボックスのアルゴリズムは、お客様に早く確実に商品を届けられるFBAを非常に優遇します。

FBA発送の出品者が多い場合は、同じ販売価格で設定しても、なかなかカートボックスが獲れないでしょう。

特に、先ほどお伝えしたように、発送日を遅めに設定するとますますカート獲得が難しくなります。

あまりFBA発送の出品者が多い商品に対しては、ドロップシッピングは向いていないでしょう。

そのため、後述するように、ドロップシッピングが適している商品は、自ずとFBAに向いていない商品になります。

なお、カートボックスについては以下の記事を参考にしてください。

ドロップシッピングは、FBA不向きのメーカー仕入れ商品がおすすめ

Amazonドロップシッピングは、在庫リスクがないうえに、在庫保管、注文時の梱包・発送を仕入れ先に一任できるので魅力的ではあります。

一方で、卸業者仕入れの場合は、利益率が低くなったり、品質上のトラブルが発生しやすくなったりするデメリットがあります。

そのため、ドロップシッピングを行うのであれば、メーカーと直取引して仕入れている商品の方がいいでしょう。

ただ、ドロップシッピングは、FBA発送に比べるとカートボックスが獲りにくくなります。

そのため、FBA発送しても問題ない商品については、基本的にはFBA納品した方が、商品が売れやすくなります。

そのため、ドロップシッピングを利用する場合は、次のような、FBAに向いていない商品にするといいでしょう。

  • 返品詐欺リスクが高い高単価商品
  • FBA納品できない、もしくは配送代行手数料や保管料が高い大型商品
  • FBA禁止商品(要冷蔵商品、一部の危険物など)
  • 賞味期限が短くFBA納品できない商品

これらの商品は、メーカー仕入れ実践者のなかでもライバルが少ないので、上級者は挑戦してみる余地があります。

最後に

以上、Amazonドロップシッピングについてお伝えしました。

Amazonは、ドロップシッピングは可能ですが、ドロップシッピングポリシーで厳しい制約があり、実質的に無在庫転売は禁止になっています。

無在庫で販売する場合は、メーカーや卸業者と契約して、納品書や請求書、外部パッケージに出品者の名前が記載されていることが必要です。

また、ドロップシッピングは、自己発送になるので、カートボックスを獲得することが難しくなります。

そのため、FBA発送が難しい商品に対してドロップシッピングを利用するといいでしょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。


 

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ABOUT US
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石井裕
1979年新潟県出身、東北大学大学院工学研究科修士課程卒。
原子力技術者として13年勤務。

趣味で書き始めたブログから収入を得られたことをきっかけに、密かに夢に抱いていたライターとして起業。
マニアックな好奇心と探究心から生まれる徹底した取材で、商品・サービスの隠れた魅力を言語化することを武器としている。

特に物販事業について専門的な知識を有しており、2018年より、EC STARs Labのコンテンツ制作および活動に深く関わっている。

県境をまたぐマニアックな趣味を持ち、2009年『県境マニア』を出版。
以降TBSの「ゴロウ・デラックス」「マツコの知らない世界」、テレビ東京「たけしのニッポンのミカタ!」などメディア出演多数。