Amazon物販に興味のある人は多いと思います。
ただ、具体的にAmazonがどんな仕組みなのか、どんな点が良くて、どんな点に注意しないといけないのか知っている方は多くありません。
基本的に物販ビジネスではAmazonをプラットフォームにすることが一番おすすめではあります。
ただ、Amazonの仕組みには、失敗に気を付けないといけない注意点がいくつかあるのも事実です。
そこで、今回は最低限出品者が知っておかないといけないAmazonの仕組みや注意点について解説します。
Amazon物販に興味のある人は最後までご覧ください。

出品者なら最低限知っておきたい7つのAmazonの仕組み

まずは、Amazonの基本的な仕組みについて解説します。
Amazon物販に興味のある人、すでに始めている人は、最低でも次の点は把握しておくようにしてください。
出品形式は大口出品と小口出品がある
Amazonの出品者アカウントを作成する段階で、大口出品と小口出品どちらかを選ぶことになります。
大口出品と小口出品はいつでも切り替えることができますが、料金体系は次の通りです。
大口出品 | 月額4,900円(税別) |
小口出品 | 商品1点につき100円(税別) |
つまり、商品を1ヶ月に50点以上出品するなら大口出品の方がお得になります。
実際Amazon物販で月利10万円以上を目指すなら、月50点以上は出品することになるはずなので、大口出品にした方が良いでしょう。
1,000円の利益が出る商品を50点出品しても50,000円の利益にしかならないことから、何となく想像ができます。
また、小口出品は、後述するカートボックスを獲得できずに出品した商品が売れない、カテゴリーによっては制限があるなどデメリットが多すぎます。
Amazon出品アカウントを作るなら、最初から大口出品にしておくことが必須です。
Amazon物販に取り組んでいる人の大半は、最初から大口出品にしています。
1つの商品ページに複数の出品者が相乗り出品できる
Amazonがメルカリやヤフオク、楽天市場などと大きく違う点が、「1商品1ページルール」であることです。

上の図を見てもわかるように、メルカリは商品が同じでも、出品者が違えば商品ページが別になります。
つまり、メルカリでは商品を出品する都度、商品ページを作らないといけません。

一方、Amazonの場合は1つの商品ページに対して複数の出品者が相乗りで出品します。
そのため、Amazonでは、自社商品を販売するわけではない限り、商品ページを作る必要がありません。
ただ、後述するように、常に価格優位性のある出品者が売れる仕組みになっているため、価格競争が起きやすいという問題はあります。
1商品1ページルールは、Amazon独特の仕組みで、必ず押さえておくべきポイントです。
カートボックスの獲得で売れ行きが左右される
Amazon物販を行うなら、必ず押さえておかないといけないのがカートボックスの仕組みです。

カートボックスとは、上図の「カートに入れる」「今すぐ買う」で示されている購入ボタンのことを指します。
Amazonで買い物をする人ならお馴染みのボタンで、ほとんどの消費者は、カートボックスから買い物をします。
問題は……

カートボックスでは、どの出品者から購入したことになるの?
ということですが、これはカートボックスの下の部分に記載されています。
これが「カートボックスの獲得」と言われているものですが、カートボックスを獲得している出品者はいつも同じではありません。
最安値など、いくつかの条件を満たした出品者が入れ替わりでカートボックスを獲得していきます。
逆に、条件を満たさないとカートボックスを獲得することができず、いつになっても自分が出品した商品が売れません。
そのため、いかにカートボックスを獲得するかが重要になってきます。
- 出品者のなかで一番価格が安いこと
- プライムマークが付いていること
- 出品者評価が良いこと
- 在庫切れを起こしていないこと
Amazon物販で成功するには、カートボックスはとても重要な仕組みなので、必ず以下の記事で詳細を習得してください。
商品保管・発送・カスタマー対応をAmazonに一任できる
Amazon物販の大きなメリットの1つが、商品保管、発送、カスタマー対応を一任できるFBA(Fulfillment By Amazon)と呼ばれる仕組みです。
Amazonで出品して、商品を販売するときの配送方法は、大きく分けて次の2つがあります。
項目 | 自己発送 | FBA |
在庫の保管・管理 | 自宅や外注先 | Amazon FBA倉庫 |
発送手配 | 自分 | Amazon FBA倉庫 |
顧客対応 | 自分 | Amazon FBA倉庫 |
費用 | 販売手数料+配送料 | 販売手数料+FBA手数料 |
顧客へのプライム対応 | ほぼ不可 | 可 |
自己発送は、メルカリやヤフオクなどと同様に、自分で在庫を保管して、注文があったら自分で商品を発送して、顧客対応まで自分でやります。
自分ですべて管理しないといけないことに加えて、費用もFBA利用と比較して大きく安くなりません。
場合によっては、FBA納品の方が安価に済むこともあります。
一方、FBAは、FBA倉庫に在庫を保管して、注文があれば自動的に配送して、カスタマー対応までAmazon側に一任できます。
フルフィルメント by Amazon(FBA)は、Amazonの配送ネットワークを使って販売事業者様のビジネスの成長を支援するサービスです。Amazonフルフィルメントセンターに商品を納品いただきましたら、その注文の受注、梱包、発送、カスタマーサービス、返品対応のすべてをAmazonが代行いたします。効率的で信頼性の高いフルフィルメントサービスを提供することで顧客満足度を向上させます。
※Amazon公式サイト「時間の節約だけではない、FBAはメリットがいっぱい」より抜粋
外注しなくても、商品保管、発送、カスタマー対応を行えるのはとても大きいことです。
FBA利用することで、労力負担や時間が軽減されるだけでなく、プライム対象商品となるのでカートボックスの獲得率が向上し、商品が売れやすくなります。
Amazon FBAについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
24時間365日対応で迅速に商品を発送してくれる
Amazon FBAは、24時間365日対応してくれるので、年末年始やGW、お盆の時期でも注文があれば、自分が何もしなくても迅速に発送してくれます。
もちろん、自分が本業の仕事中であっても、注文があればAmazonの方で迅速に対応してくれます。
しかも、翌日には荷物が消費者に届けられるほど迅速です。
消費者が当日お急ぎ便を選択すれば、当日中に届けることもできます。
こんなプラットフォームは、Amazonしかありません。
さらに、ギフトラッピングサービスがあり、プレゼント・贈答品にも対応できます。
特に副業で作業時間が限られている人は、Amazon FBAを使わない手はないでしょう。
ツールを使えば商品の売れ行きを計測できる
Amazonは、Keepa・キーゾンというツールを使えば、過去の商品の売れ行きを確認できます。
具体的には、Amazonランキングや価格推移、月間販売個数、Amazon本体の出品の有無など、仕入れ判断をするには必要な情報が一目でわかるのです。


例えば、上の画像では平均月間販売個数が55個です。
出品者が4人いて、自分も加われば、月に55÷5=11個売れる計算になるので、「10個くらい仕入れても1ヶ月以内で売れるかな」とあたりを付けることが可能です。
多くの人が物販で怖がるのは在庫が売れずに赤字になってしまうことですが、売れ行きが計測できれば、在庫リスクを大幅に軽減できます。
また、在庫がすぐになくなって販売機会を逃すことも痛いですが、Keepaやキーゾンを使えば、そのリスクも軽減されます。
Keepaやキーゾンを使うことで、過剰仕入れも仕入れ不足も防ぐことができるので、無理なく利益を得ることができます。
ただ、Keepaやキーゾンの販売個数は必ずしも正確ではありません。
ランキングの波を計測したもので、実際の販売個数より低い数字が出ることがあります。
また、出品後、他のライバルセラーの増減により販売個数が増減することも考えられます。
あくまで目安として捉えて、資金繰りを悪化させる無理な仕入れは絶対に避けないといけません。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
ツールを使えば簡単に利益計算ができる
Amazonは、メルカリやヤフオクなどと違って、販売手数料体系がやや複雑です。
先ほどもお伝えしたように、FBAを利用している場合は、販売手数料に加えてFBA手数料もかかるためです。
販売手数料はカテゴリーによって若干変わりますし、FBA手数料には、FBA配送代行手数料、FBA在庫保管手数料、商品ラベル貼付サービスなどがあります。
どんな手数料がいくらかかるかはケースバイケースで、一つひとつ手計算するのは心が折れます。
ただ、Amazonには、FBA料金シミュレーターやクイックショップといったツールで、複雑な手数料を加味して自動的に利益計算してくれます。
FBA料金シミュレーターの詳細は、以下の記事をご覧ください。
物販ビジネスに本格的に取り組むならAmazon一択

このように、Amazonは出品者にとっても、消費者にとっても魅力的な仕組みがあります。
- 商品ページを作る必要がない
- 商品保管や注文時の発送を自動で行ってくれる
- しかも24時間365日対応で迅速に発送してくれる
- 商品の過去の販売個数がわかるから仕入れ判断ができる
- 利益計算が簡単にできる
こんなプラットフォームは、Amazonしかありません。
メルカリやヤフオクに比べても、労力負担は少ないですし、商品の売れ行きもある程度予測できるので安心です。
しかも、Amazonは国内最大の集客力があります。

Amazonの日本市場の売上は年々伸び続けており、2024年には4兆円規模の市場になっています。
実際、Yahoo!ショッピングやメルカリで買い物をしたことがない人がいても、Amazonで買い物をしたことがないという人を探すことは難しいでしょう。
それくらい、Amazonは勝手に人が集まる、物販には最適な巨大プラットフォームなのです。
Amazon物販が最強の理由については、以下の記事もご覧ください。
出品者が最低限気を付けたいAmazon物販7つの注意点

巨大な集客力と魅力的な仕組みから考えて、Amazon物販はとてもおすすめですが、他のプラットフォームにはないデメリットもあります。
特に、次の点は注意するようにしてください。
他の出品者との価格競争が起きやすい設計である
物販ビジネスに取り組む人の多くが悩まされるのが価格競争です。
特にAmazonは1商品1ページルールである点と、カートボックス獲得の仕組みが、価格競争を起こしやすくなっています。
他の出品者とカートボックス獲得を競うことになり、カート獲得のために他の出品者より値下げして販売する人が現れやすいためです。
特に出品者が増えてきた商品は、カートボックスを獲得しにくくなるので、慌てて値下げして商品を売り切ろうという人が出てきてしまいます。
しかも、プライスターなど価格自動改定ツールを利用している出品者が多く、価格を下げてもすぐに追随して、どんどん値崩れしてしまうのです。
値崩れしても、すぐに戻ることもありますが、結局元に戻らないなんてことも少なくありません。
せっかく利益が出る商品を仕入れたつもりが、最終的には赤字で損切りして、また別の儲かる商品を探さないといけなくなります。
特にせどりや転売であれば、Amazonの価格競争に対する対策はできません。

しかし、上図のように、メーカーから商品を直接仕入れている場合は、価格競争を防ぐことが可能です。
交渉して出品者を限定化すれば、安定的に販売できるので値下げする出品者がいなくなり、適正価格を維持できるからです。
出品者を限定化するには、現状メーカーと直接取引するしか方法がありません。
せどりの価格競争と終わらないリサーチ地獄に悩んでいる方は、メーカー仕入れへの移行も検討の余地があります。
興味のある方は、以下の動画をご覧ください。
初心者ほどカートボックス獲得率が下がり商品を売りづらい
カートボックスのメカニズムの詳細は、Amazonは非公表ですが、多くの人の経験によれば、Amazon物販開始直後の人は、カートボックスの獲得率が下がる傾向にあります。
商品を最安値で販売していても、FBAを利用していても、商品によってはなかなかカートボックスが獲れません。
特に出品者のなかに、ストア評価の高いベテラン出品者がいる場合はかなり厳しいです。
推測にはなりますが、Amazonの立場で考えると、下記のような信頼度の高い出品者にカートを獲ってもらった方が、顧客満足度が上がるからと考えられます。
- 毎月の売上が数百万円以上である
- ストア評価が高い
- アカウント健全性も問題ない
とはいえ、まったく獲得できないわけではなく、Amazon物販を続けていけば、ストア評価も高くなってくるので、カート獲得率は自然と改善されます。
最初はカートが獲れないということを想定して、以下の記事を参考にして対策をしていけば、壁は乗り越えることはできます。
Amazonアカウント閉鎖の措置が厳しい
Amazon物販を行っている人が恐れているのが、Amazonアカウント閉鎖です。
Amazonアカウント閉鎖要因は、偽物の販売、商標権・知的財産権の侵害、真贋調査をクリアできないなど様々です。
ただ、Amazonアカウントが閉鎖されると、次のような措置を取られてしまいます。
- 同じアカウントで二度とAmazon物販ができない
- 売上金が90日間凍結され、最悪没収される
- FBA倉庫の在庫がすべて返送される
実際にEC STARs Lab.代表の中村さんは、Amazonアカウント閉鎖で売上金800万円を没収されています。
※詳細は、以下の記事をご覧ください。
Amazonアカウント閉鎖がないように、十分注意をしないといけませんが、せどりや転売ではかなりリスクが高いです。
輸入品などで偽物をつかまされる可能性はありますし、うっかり商標権を侵害してしまうこともあるでしょう。
ただ、Amazonアカウントが閉鎖されても、90日以内に異議申し立てを行えば復活される可能性があります。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
せどり・転売で新品として出品することができない
Amazon物販を行うなら、守らないといけない規約がAmazonのコンディションガイドラインです。
Amazonのコンディションガイドラインのなかで、次のような記載があります。
「新品」として出品できない商品
以下の商品は、Amazonで「新品」として出品することはできません。
- 個人(個人事業主を除く)から仕入れられた商品。
- メーカー保証がある場合、購入者がメーカーの正規販売代理店から販売された商品と同等の保証(保証期間など)を得られない商品(たとえば、メーカー保証がある場合に、すでにメーカーが定める保証期間が始まっている、または保証期限が切れている商品など)。
- プロモーション品、プライズ品、おまけに関しては、出品自体は許可されていますが、「新品」としては出品できません。出品する場合は、コンディションガイドラインに沿って中古品として該当するコンディションで出品してください。
- Amazon.co.jp限定商品としてAmazonによって販売されている商品(Amazonが特別に承認している場合を除く)。
上の2つを読み解くと、小売店や個人から仕入れてAmazonで転売する場合、つまりせどりでは新品で出品できないことになります。
今でも知らずにAmazon物販を行っている人は少なくないですが、規約違反が発覚すればAmazonアカウント閉鎖です。
消費者の通報で違反が疑われれば真贋調査の対象にもなるので、せどりでは絶対に新品として出品しないようにしましょう。
なお、先に紹介したメーカー仕入れであれば、問題なく新品として出品できます。
無在庫転売のルールが厳しい
Amazonはメルカリやヤフオクと違って無在庫転売は禁止ではないですが、厳しい制約があります。
- 第三者(AmazonやAmazonストア内の別の出品者など)から商品を購入し、その第三者から直接購入者に出荷してもらうこと。たとえば、出荷時に出品者が記録上の出品者であることが明記されていない場合や、出品者以外の者(第三者を含む)が納品書や請求書、外部パッケージに記載されている場合が該当します。これは、例外なく固く禁じられています。
- 納品書や請求書、外部パッケージ、その他の情報に出品者以外の出品者名や連絡先情報を記載して、注文を出荷することも固く禁じられています。
※Amazonセラーセントラル「ドロップシッピングポリシー」より抜粋
つまり、卸仕入れサイトなどで、商品を直送してもらう行為が禁止となっています。
納品書や請求書などは出品者のものではないといけません。
無在庫転売を認める卸仕入れサイトは多いですが、直送できない点は注意しましょう。
直送できないということは、いったん自宅に届けてもらう必要があるので、発送遅延には十分気を付けないといけません。
無在庫転売については、以下の記事をご覧ください。
商標権や知的財産権などの真贋チェックが厳しい
Amazonは、他のプラットフォームと比べても、商標権や知的財産権などの真贋チェックが厳しいです。
誤って偽物商品を販売してしまったり、相乗り禁止の商品を販売してしまったりすると、真贋調査の対象にされてしまいます。
具体的には、Amazonから以下のようなメールがやってきて、「本物と証明できる書類を提出せよ」と連絡があります。

証明するためには、メーカーからの請求書などが必要となり、用意できなければ最悪Amazonアカウント停止・閉鎖になります。
メーカー仕入れであれば、真贋調査がやってくるようなトラブルはまずありませんし、あったとしてもメーカーから必要書類を取り出すことはできます。
しかし、せどりの場合は、書類を用意することはほとんど不可能で、ほぼ絶望的な状況になるので注意しなければいけません。
真贋調査の対処法については、以下の記事をご覧ください。
商品によっては出品制限がある
Amazonは、商品によっては出品制限があるので注意が必要です。
出品制限を解除するには許可申請が必要ですが、やはりメーカーの請求書などが必要となります。
そのため、せどりや転売では、ほぼ出品制限を解除することは厳しいと考えてください。
もし出品制限を解除できない場合は、メルカリやヤフオクで出品することも考えましょう。
出品制限や出品許可申請については、以下の記事を参考にしてください。
最後に
以上、出品者が最低限知っておきたいAmazonの仕組みと注意点についてお伝えしました。
Amazonの仕組みは魅力的なので、物販ビジネスを始めるならAmazon物販が一番おすすめです。
一方、他のプラットフォームとは違ったデメリットもあり、注意しなければいけない点も多いです。
Amazonの仕組みを理解して、Amazon物販に取り組むようにしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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Amazon物販を始めようと思っているけど、Amazonがどんな仕組みなのか知っておきたい