【図解】Amazonスポンサープロダクト広告とは?作り方や売上に直結する運用方法を徹底解説

Amazonスポンサープロダクト広告

新商品を出品したばかりなので、Amazonのスポンサープロダクト広告を作りたい

最初はAmazonの検索画面にも出てこないから、広告は必要だよね。でも費用対効果は気を付けたい

商品ページを新規作成して、自社商品を出品した直後は、基本的にはAmazonの検索画面では露出しません。

つまり、Amazon SEOの評価がまだほとんどない状態なので、SEO順位が上がるまではAmazonの広告で露出する必要はあります。

Amazonの広告で一番利用されるのが、ブランドレジストリの登録がなくても利用できるスポンサープロダクト広告です。

Amazonで自社商品を販売し始めたばかりの頃は、しばらくスポンサープロダクト広告を使うことが多くなります。

スポンサープロダクト広告を使うことで、商品ページのアクセスと注文が増えて、結果的にAmazonの検索画面でも上位表示され、良いスパイラルになります。

なお、スポンサープロダクト広告は、自分で作った商品ページでなく、相乗り出品でも出稿することが可能です。

スポンサープロダクト広告をクリックしたら、自分の出品した商品しか売れないようになっています。

赤字になることが多いですが、仕入れ先の取引メーカーに販売実績を示すことができるので、相乗り出品者でも試している人は少なくありません。

メーカーから直接商品を仕入れている人は検討の余地があります。

そこで、今回はAmazonスポンサープロダクト広告の作り方や売上に直結する運用方法を解説します。

Amazonで新商品を販売しようとしている方は、最後までご覧ください。


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Amazonスポンサープロダクト広告とは?

Amazonスポンサープロダクト広告は、上図のように、Amazonの検索画面に上位表示される広告の1つです。

広告が表示される検索キーワードや関連商品を指定して表示され、課金はクリックされた場合に発生します。

例えば、「大人 水鉄砲」でキーワード選定した場合、ユーザーが「大人 水鉄砲」と検索すると表示されるようになるイメージです。

スポンサープロダクト広告は、上図のように、商品タイトルの上に「スポンサー」と表示されていますが、自然検索で上がってきた商品には、この表示がありません。

上図のスポンサーブランド広告は、商品単位の広告であるスポンサープロダクト広告と違って、Amazonストアの広告です。

スポンサーブランド広告は最上位に表示され、費用対効果は高いですがブランドレジストリに登録していないと利用できません。

また、Amazonスロアの広告なので、ある程度商品数が充実している人の方が向いている広告です。

自社ブランドが軌道に乗るまでは、ブランドレジストリに登録する必要性は低いです。

そのため、自社商品の販売を始めたばかりの人は、当面スポンサープロダクト広告を利用することで問題ありません。

なお、スポンサープロダクト広告は、商品検索画面だけでなく、上図のように類似商品の商品ページ内でも「この商品に関連する商品」などで広告が表示されます。

Amazonスポンサープロダクト広告の役割は2つある

スポンサープロダクト広告の役割は、大きく分けて次の2つとなります。

特に出品直後の商品については、スポンサープロダクト広告の役割はとても大きくなります。

出品直後から露出して売上を上げる

まず、スポンサープロダクト広告は、出品直後から露出して売上を上げるために必要です。

出品直後は、Amazon内のSEO評価はほぼゼロの状態で、検索画面で上位表示されません。

無人島にお店を構えているような状態になり、どんなに良い商品でもアクセスされることはありません。

検索画面で上位表示されるまで、スポンサープロダクト広告で露出してアクセスを促す必要があります。

Amazon SEO対策で検索画面で上位に入るようにする

スポンサープロダクト広告は、Amazon内のSEO評価を上げる役割もあります。

GoogleにもSEOの評価基準があるように、AmazonでもSEOの評価基準があります。

AmazonはSEOの評価基準を明確にしていませんが、商品が売れるようになると、検索順位は明らかに大きく変わってきます。

そのため、次の手順で商品の注文を増やしていきましょう。

  1. スポンサープロダクト広告で、商品検索画面の上位に表示させる
  2. 商品の売れ行きが上がる
  3. 売れたキーワードで自然検索の順位も上がる
  4. 広告を止めて自然検索だけでも売れるようになる

このような戦略を取ることで、1つでも狙ったキーワードで自然検索だけでも売れるようになると、他の関連キーワードでも自然検索順位が上がってきます。

そうすると、どのキーワードでも自然検索だけで売れるようになり、広告費を使わなくても商品が売れるようになります。

最初は広告費で赤字になることがほとんどですが、自然検索からの流入で売れるようになれば広告費を下げることができます。

その結果、トータルの利益率が高くなり、目標利益を達成しやすくなります。

【作り方①】スポンサープロダクト広告の作成画面まで進む

ここからは、スポンサープロダクト広告の作り方について解説します。

スポンサープロダクト広告は、セラーセントラルの画面上で作成するので、まずは以下の手順で作成画面まで進みます。

①セラーセントラルの画面で、「広告」⇒「広告キャンペーンマネージャー」を選択

②「キャンペーンを作成する」をクリック

③「スポンサープロダクト広告」をクリックする

【作り方②】キャンペーンを作成する

上図の画面が出てきたら、あとは順次必要な情報を入力していきますが、以下に詳細を解説します。

キャンペーン名とポートフォリオを設定する

まずは、キャンペーン名とポートフォリオを設定しますが、具体的にどういうものかを解説します。

キャンペーンとは、上図のように、複数の広告グループを束ねる、大きなグループと思ってください。

さらに、ご自身が管理しやすいように、キャンペーンをグルーピングするポートフォリオも作ることができます。

難しく考えることはなく、キャンペーン名についてはご自身で管理しやすいように各商品名を入れれば大丈夫です。

OEM販売の場合は、1つの商品または親ASINに対して1個のキャンペーンを作ることをおすすめします。

後述するように、スポンサープロダクト広告には、オートターゲティング、マニュアルターゲティング(キーワードターゲティングか商品ターゲティング)があります。

ターゲティングの設定は、1度設定したら変えることができません。

オートターゲティングもマニュアルターゲティングも試す場合は、同じ商品に対して2~3個のスポンサープロダクト広告を作成することになります。

そのため、キャンペーン名については、商品名に広告の種類がわかるように入力すると管理しやすくなるでしょう。

  • キャンペーン名例1:水鉄砲(オート)
  • キャンペーン名例2:水鉄砲(キーワード)
  • キャンペーン名例3:水鉄砲(商品)

ポートフォリオについては、このように1商品に対して複数の広告を出稿する場合に利用すると広告費や売上を管理しやすくなります。

違う商品を束ねてキャンペーンを作ったり、ポートフォリオを作ったりする必要は特にありません。

つまり、ポートフォリオとキャンペーンについては、上図のような関係で作ると管理しやすくなります。

1商品に対して1つの広告しか出稿しない場合は、ポートフォリオ管理はしなくても構いません。そのため、ポートフォリオ名は商品名などで大丈夫です。

広告開始日と終了日設定|終了日は無記入で問題なし

ここで入力するのは、広告開始日だけで構いません。

広告終了日は入力しなくて大丈夫です。

後でいつでも広告を止めることが可能です。

なお、広告開始日も入力しない場合は、すぐにスポンサープロダクト広告が開始されます。

1日の予算を設定する

ここでは、1日あたりの広告費の予算(上限額)を設定します。

予算は、ご自身の広告宣伝費を決めて設定しますが、もしわからなければ1日1,000円くらいからスタートしてみましょう。

スポンサープロダクト広告は、どうしても最初は費用対効果が悪い傾向があるので、無理のない範囲で設定してください。

1,000円であれば1ヶ月30,000円ほどの広告費を使います。

もし、入札額が高いなどで、1日の予算を使い切ると広告がストップします。

予算が低すぎると、1日の早い段階、例えば午前中に広告が止まってしまうようなことがあるので、状況に応じて変更してください。

ターゲティングを選択する

オートターゲティングマニュアルターゲティングどちらかを選択します。

スポンサープロダクト広告の種類には、Amazonが自動でキーワードを判断するオートターゲティングと、自分で設定するマニュアルターゲティングがあります。

上図のように、マニュアルターゲティングには、さらに分類があり、キーワードターゲティング商品ターゲティングがあります。

キーワードターゲティングは、手動で広告を出稿するキーワードを決める方法です。

一方、商品ターゲティングは、わかりやすく言うと類似商品(自社商品やライバル商品)と同じ場所に広告出稿する方法です。

具体的には、関連性の高い商品、カテゴリー、ブランド、その他の商品の機能を選択してターゲティングします。

つまり、スポンサープロダクト広告には全部で3種類あり、1つの商品で3種類の広告を出稿することも可能です。

初心者の方は、まずはオートターゲティングで設定した方が間違いがありません。

ただ、その運用結果をもとにマニュアルターゲティングを設定することで、より費用対効果が良くなります。

キャンペーンの入札戦略の設定をする

キャンペーンの入札戦略では、次の3つのうち、いずれかを選択します。

ここでは、後ほど設定する入札額(1クリックあたりの課金額)に対して、変動させるか否かを選択します。

動的な入札額-ダウンのみ商品が売れていない場合に入札額を随時引き下げる設定
動的な入札額-アップとダウン商品が売れていない場合に入札額を引き下げ、売れる場合は最大2倍まで引き上げる設定
固定入札額設定した入札額から変動させない

例えば1クリック50円に入札額を設定している場合、「ダウンのみ」であれば、売れなさそうなら、入札額が50円以下でも入札しないという設定です。

「アップとダウン」の場合は、最大100円まで、売れそうなら50円以上でも入札するが、逆に売れなさそうなら50円以下でも入札しないという設定です。

どれを選んだとしても、上記「1日の予算」で設定した広告費以上使うことはありません。

しかし、「アップとダウン」を選ぶと、広告出稿中の時間帯は売上が上がりやすく分、広告が早く止まりやすくなります。

そのため、あとで変更が可能ですので、ご自身の方法を確立するまでは「ダウンのみ」を選択することで問題ありません。

ただ、広告費に余裕があり、「アップとダウン」の方が運用しやすいのであれば「アップとダウン」でも大丈夫です。

「アップとダウン」を選んでも入札額を下げればリスクは抑えられます。

状況に応じて選んでください。

なお、「掲載枠ごとの入札額の調整」については、特に入力せず、0%(変動なし)のままで構いません。

検索結果のトップ(最初のページ)商品検索画面のトップに表示されたら入札額を引き上げる設定
商品ページ商品ページ内のスポンサープロダクト広告(この商品に関連する商品など)について入札額を引き上げる設定

一応どんなことかを説明すると、上記のように、広告が表示される場所によって、入札額を最大10倍まで引き上げることができる設定です。

【作り方③】広告グループを作成する

広告グループとは、下図のようなキャンペーンの中にあるグループの一員のようなイメージです。

とはいえ、1キャンペーン=1商品(1親ASIN)で管理している以上は、広告グループの名前も、下図のように商品名とすることをおすすめします。

次に対象商品を選択します。対象商品はいくつも選択することができますが、同じ理屈で1商品にすることをおすすめします。

ただし、バリエーションを組んでいる場合は、全バリエーション商品を選択してください。

【作り方④】ターゲティングの詳細設定をする

次に、オートターゲティング、キーワードターゲティング、商品ターゲティング各々の設定について解説します。

自分が選択したターゲティング方法について、読み進めるようにしてください。

オートターゲティング

オートターゲティングの場合は入札額を設定しますが、ターゲティンググループ別に設定するかどうかで選択肢が変わります。

どちらを選択するにしても、商品を売り始めたばかりの頃はSEOの評価はゼロです。

そのため、広告が出ていないと何も始まらないので、推奨入札額の上限値以上を設定するようにしましょう。

なお、入札額は後から変更可能です。

狙っている検索キーワードなどで商品検索画面や商品ページに広告が出ているかどうか確認しながら、入札額を変えてみてください。

広告が出ていないのであれば、入札額を上げる必要があります。

〇ターゲティンググループ別に設定しない場合

ターゲティンググループ別に設定しない場合は、「入札額の初期値を設定する」を選択して、推奨入札額の上限値以上の入札額を設定します。

一番簡単な方法で、Amazonは自動でターゲティングを調整してくれるので、最初はこちらで入札額を設定することで問題ありません。

〇ターゲティンググループ別に設定する場合

ターゲティンググループを「ほぼ一致」、「おおまか一致」、「代替商品」、「補完商品」別に分類して、入札額を設定します。

 広告掲載場所概要
ほぼ一致商品検索画面広告の商品が購入客の検索キーワードにほぼ一致する場合に広告を表示
おおまか一致広告の商品が購入客の検索キーワードに大まかに一致する場合に広告を表示
代替商品商品ページ類似した商品の商品詳細ページを閲覧している場合に広告を表示
補完商品補完する商品の商品詳細ページを閲覧している場合に広告を表示

お、入札額の変更だけでなく、入札する・しないも選択できます。

〇除外キーワードターゲティング

広告に出したくないキーワードを設定します。

例えばメンズ限定の商品で、明らかにレディース用のキーワードに広告を出稿してほしくないような場合に入力します。

ただ、ご自身の方法を確立するまでは入力しなくても構いません。

なお、「除外キーワードの完全一致」「除外キーワードフレーズ一致」のいずれかを選択するようになっています。

「ランニングシューズ」を例にした場合、違いは以下の通りです。

除外キーワードの完全一致検索キーワードが語順も含めて完全に一致するフレーズのみの場合に除外
(1)青 テニス シューズ→除外されない
(2)青 ランニング シューズ→除外されない
(3)ランニング シューズ→除外される
(4)シューズ ランニング→除外されない
除外キーワードフレーズ一致検索キーワードが語順も含めて完全に一致するフレーズが含まれる場合に除外
(1)青 テニス シューズ→除外されない
(2)青 ランニング シューズ→除外される
(3)ランニング シューズ→除外される
(4)シューズ ランニング→除外されない

〇除外商品ターゲティング

除外商品ターゲティングは、一緒に広告に出したくない商品を選択します。

こちらについても、ご自身の方法を確立するまでは入力しなくても構いません。

キーワードターゲティング

マニュアルターゲティングの場合は、キーワードターゲティングか商品ターゲティングかを選びます。

まずは、上図のように、キーワードターゲティングを選択した場合のターゲティング設定についてお伝えします。

〇キーワードターゲティングの設定

キーワードターゲティングでは、手動で検索キーワードと入札額を設定します。設定の方法は「推奨」「リストを入力」「ファイルをアップロード」の3パターンあります。

この場合も、入札額については推奨入札額の上限値以上を設定するようにしましょう。

①推奨

指定した商品をもとに、Amazonが自動的に推奨するキーワードが一覧で表示されます。

しかし、決してパフォーマンスがいいとは限らず、関連性のないキーワードが紛れていることも多いので、参考程度にしましょう。

②リストを入力

下図のように、選定した検索キーワードを記入して入札額を設定します。

基本的には、「リストを入力」からキーワードを設定することで問題ありません。

③ファイルをアップロード

選定した検索キーワードをエクセルで、マッチタイプや入札額と一緒にまとめてアップロードします。

あまり使う機会はないかもしれませんが、もしエクセルでまとめておきたい場合は、活用してください。

ここで、マッチタイプに「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」というのがありますが、以下のように定義されます。

部分一致①検索キーワードにすべてのキーワードが含まれる場合
②語順が一致してなくても広告が表示される
フレーズ一致①検索キーワードに完全に一致するフレーズが含まれる場合
②語順が一致していないと広告が表示されない
完全一致①検索キーワードに完全に一致するフレーズのみの場合
②語順が一致していないと広告が表示されない

「部分一致」がもっとも広く関連用語も含めて広告が表示され、「フレーズ一致」、「完全一致」の順番で広告表示範囲が狭くなります。

例えば「Bluetooth スピーカー」という検索キーワードを設定した場合では、次のようになります。

〇:広告が表示される
×:広告が表示されない

検索キーワード部分一致フレーズ一致完全一致
Bluetooth スピーカー
Bluetooth とスピーカー
ワイヤレス Bluetooth スピーカー×
Bluetooth レッドスピーカー××
スピーカーBluetooth××

部分一致やフレーズ一致を入れた方が、広告の表示回数が増えてクリックされやすくなるので売上は上がりますが、広告費も上がることになります。

なお、選定したキーワードで広告が表示されているかどうかは、実際に自分でキーワード検索してたしかめてください。

検索キーワードは、類似のキーワードや表記ゆれ(「3月」と「三月」、「犬」と「イヌ」「コンピューター」と「コンピュータ」など)があった場合は、一致する場合もあれば一致しない場合もあります。

もし、自分でキーワード検索して広告が表示されなければ、検索キーワードを追加してください。

しかし、Amazonの検索キーワードの表記ゆれについては、基本的には以下のルールとなっています。

  • 全角スペースと半角スペースは別認識。しかし場合によっては表記ゆれとして一致する。→気になる場合は全角スペースと半角スペース両方キーワードに入力する
  • スペースの有無、複数形、助動詞などは表記ゆれとして判断されるため一致する

〇除外キーワードターゲティング

オートターゲティング同様に、広告を出したくないキーワードを設定します。

商品ターゲティング

次に、商品ターゲティングを選択した場合のターゲティングの設定についてお伝えします。

下記の方法で、特別な理由がなければ、カテゴリーターゲティングではなく、ターゲットとする商品を個々に選んでターゲティングするようにしてください。

ただし、ご自身の方法が確立されれば、絞り込み機能などを活用しながらカテゴリーターゲティングをしても構いません。

入札額については、オートターゲティングやキーワードターゲティング同様、推奨入札額の上限値以上の金額で設定しましょう。

〇商品ターゲティングの設定(カテゴリー)

個々の商品ではなく、カテゴリーを指定して、そのカテゴリーの商品をターゲティングする方法です。

①推奨

指定した商品をもとに、Amazonが自動的に推奨するカテゴリーが一覧で表示されます。

しかし、決してパフォーマンスがいいとは限らず、関連性のないカテゴリーが紛れていることも多いので、参考程度にしましょう。

②検索

対象となるカテゴリーを手動で入力します。

なお、カテゴリーの「追加」選択ボタンの下にある「絞り込み」とは、カテゴリーの絞り込み機能のことを言います。

具体的には、下記のようにブランドを指定したり、価格帯やレビューの星の数、配送方法で絞ったりすることができます。

カテゴリーターゲティングは、該当するカテゴリーの商品をすべてターゲティングするわけではありませんが、多くの商品を無差別的にターゲティングします。

そのため、このまま広告出稿すると、クリック率や購入率が悪くなることが考えられます。

広告のパフォーマンスを上げるために絞り込み機能を使い、より明確にターゲティング設定を行う機能です。

〇商品ターゲティングの設定(個々の商品)

個々のライバル商品や既製品をターゲティングして、自社商品に誘導する方法です。

商品力や価格帯で、ライバル商品と違う強みがあれば選ばれやすくなります。

また、ライバル商品だけではなく、自社の類似商品や関連商品をターゲティングし、同時購入を促す戦略も取れます。

入力の仕方は「推奨」「検索」「リストを入力」「アップロード」の4種類があります。

どれを使ってもいいのですが、キーワードターゲティング同様「リストを入力」を利用することで問題ないかと思います。

①推奨

指定した商品をもとに、Amazonが自動的に推奨するターゲティングする商品が一覧で表示されます。

しかし、オートターゲティングやキーワードターゲティング同様、決してパフォーマンスがいいとは限らず、関連性のない商品が紛れていることも多いので、参考程度にしてください。

②検索

ターゲティングする商品名やASINを1つずつ入力して、入札額を入力していきます。

③リストを入力

ターゲティングする商品のASINを、上図のように入力して、入札額を入力します。

④アップロード

選定したASINを、エクセルでまとめてアップロードします。

あまり使う機会はないかもしれませんが、もしエクセルでまとめておきたい場合は、活用してください。

〇除外商品ターゲティング

一緒に広告に出したくないブランドや商品を入力します。特別な理由がない限りは、入力しなくても構いません。

【作り方⑤】広告が配信されたら表示を確認する

ターゲティングの設定が終わったら、「キャンペーンの開始」をクリックして、操作は終了です。

指定した開始日からスポンサープロダクト広告は開始され、指定していなければ即広告が開始されます。

広告の配信が開始されたら、Amazonの検索画面で自分が狙っている検索キーワードで検索してみて、検索順位を確認してください。

表示されなかった場合は、表示されるまで少しずつ入札額を上げていくか、表記ゆれが考えられる場合は検索キーワードを追加しましょう。

広告の設定後、入札額や広告の終了日、1日の予算額については管理画面で次のようにで変更できます。

また、キーワードの追加については、上記の入札額を変更できる画面で、「キーワードを追加」すると、上記と同じ手順でキーワードの追加ができます。

広告はライバルの状態や時間帯によっても表示される順位が変動しますので、時間帯を変えて何度か確認するようにしましょう

なお、広告配信したばかりの頃は、広告費用で赤字になることがほとんどです。

しかし、広告期間が長くなれば、Amazon内のプログラムが最適化され、費用対効果が上がって黒字になります。

無理のない範囲での赤字は広告宣伝費と割り切るようにしましょう。

【補足】スポンサープロダクト広告の運用を自動化できるツール「Perpetua」

以上が、スポンサープロダクト広告の設定方法でしたが、少々煩わしいと感じた方もいるかもしれません。

「ちょっと自分では・・・・・・」という方は、各々のキャンペーンの作成、運用後の改善までAIで自動化できるPerpetuaというツールがあります。

スポンサープロダクト広告は、スポンサーブランド広告に比べても設定方法が少し複雑で、自分で最適化するところは難しいところがあります。

しかし、Perpetuaを利用することで、AIでスポンサープロダクト広告を効率的に運用することができます。

費用はかかりますが、興味のある方は問い合わせてみると良いでしょう。

Amazonスポンサープロダクト広告の効果的な運用3STEP

次に、スポンサープロダクト広告の広告運用について解説します。

ECの広告戦略では自社商品販売直後は赤字になることが多いですが、Amazonの広告戦略でも同様です。

しかし、いつまでも赤字を続けるわけにはいきません。

上図のイメージの通り、徐々に広告を使わなくても自然販売で商品が売れるようになって、目標利益を達成することが最大の目標です。

ただ、いつになったら黒字になるのでしょうか?

また、スポンサープロダクト広告がどの程度の効果を発揮しているか、どのように把握すればいいのでしょうか?

そして、広告費を下げたり止めたりする判断基準はなんでしょうか?

 第1週目第2週目第3週目
売上¥80,640¥69,120¥67,200
利益(=売上-仕入値)¥23,598¥20,227¥19,488
利益率29%29%29%
広告費¥30,355¥15,397¥13,989
最終利益(=利益-広告費)¥-6,757¥4,830¥5,499


例えば、上記の広告運用結果で、第4週目以降はどう判断しますか?

広告費を上げて売上をもっと増やしますか?

それとも最終利益(=利益-広告費)が上がってきたので広告を止めて自然販売だけにしますか?

しかし、答えは、「これだけでは判断できない」です。

なぜなら、上記には、広告を続けるか、止めるか判断できる指標がないためです。

そこで、スポンサープロダクト広告の効果的な運用判断をする方法について、詳しく解説します。

【STEP1】ACOSと利益率の関係を理解する

Amazonの広告運用では、ACOSと利益率の関係について理解しておくことが大切です。

物販経験者であれば、利益率は馴染みのある指標ですが、ACOSは初めて聞いた方も多いでしょう。

ACOSとは、日本語で広告費売上高比率のことを指し、広告費用が売上高に対してどれくらいの割合を占めているかを示す指標です。

ACOSと利益率の計算式は、次の通りです。

ACOS:広告費÷売上高×100

利益率:利益÷売上×100

よく、広告の費用対効果を表すROASという指標が知られていますが、ACOSはROASの逆数です。

広告業界ではROASの方が有名ですが、Amazon物販の広告運用では、ACOSを確認する方が検証しやすいです。

なぜなら、ACOSは物販経験者にはお馴染みである利益率と比較すると、以下のように広告損益が黒字か赤字かを瞬時に判断できるためです。

ACOS>利益率広告費が広告経由の利益より多い広告損益は赤字
ACOS=利益率広告費と広告経由の利益が同額広告損益はゼロ
ACOS<利益率広告費が広告経由の利益より少ない広告損益は黒字

例えば、販売価格1,000円の商品で、利益が300円だったとします。利益率は300÷1,000×100=30%になります。

広告費が300円かかったとすれば、ACOSも300÷1,000×100=30%です。

そのため、広告損益は300円-300円=0円です。

一方、広告費が150円しかかからなければ、ACOSは150÷1,000×100=15%で、3利益率より低くなります。

広告損益は300円-150円=150円なので黒字です。

逆に、広告費が450円かかっていれば、ACOSは450÷1,000×100=45%で、利益率より高くなります。

広告損益は300円-450円=-150円の赤字です。

このように、ACOSと利益率を比較すれば、広告損益が黒字か赤字かを瞬時に判断できるようになります。

【STEP2】目標利益に対する現状把握をする

次に、目標利益に対して、現状とのギャップを把握して改善策を実行します。

そのためには、全体の利益から広告費を差し引いた、以下の最終利益を管理しなければいけません。

最終利益=全体の利益-広告費

ただ、この計算式で考えると、最終利益を上げたいなら、全体の利益を上げるか、広告費を下げるしかありません。

しかし、実際は広告費を上げることに伴い、全体の利益も上がって、最終利益が増えることも十分考えられます。

逆に広告費を下げたことで全体の利益が大きく下がり、赤字に転落することも十分あります。

このようなチャンスやリスクを正しく判断するために、広告損益が赤字か黒字か、そして自然販売と広告経由の販売の割合はどの程度なのかを把握しなければなりません。

そのためには、自然販売と広告経由の販売を分けて考える必要があります。

具体的には、最終利益を次のような計算式に変形して考えるのです。

最終利益

=全体の利益-広告費

=自然販売利益+広告経由の利益-広告費

=自然販売利益+広告損益

さらに、

自然販売利益=売値×自然販売数×利益率
広告損益=売値×広告販売数×(利益率-ACOS)

なので、これらを最終利益の計算式に代入して分解すると、

最終利益
=自然販売利益+広告損益
=売値×{自然販売数×利益率+広告販売数×(利益率-ACOS)}

となります。

ここで重要なことは、分解された計算式の各項目を、なるべく定期的に記録して、その推移を把握することです。

自然販売数自然検索力の把握。自然検索だけでどれくらい売れているか?
広告販売数広告効果の把握。広告経由でどれくらい売れているか?
自然販売数と 広告販売数の比率どの程度広告に依存しているのかを把握する
ACOS広告損益が赤字か? 黒字か?

これらの数値の推移を把握することにより、後述する目標利益を達成するまでの対策を考えやすくなります。

具体例として、先ほどの広告運用結果に、上記で示した数値も反映してみます。赤字で示したところが、新たに追加した項目です。

 第1週目第2週目第3週目
売上¥80,640¥69,120¥67,200
利益(=売上-仕入値)¥23,598¥20,227¥19,488
利益率29%29%29%
自然販売利益¥3,371¥5,900¥3,880
自然販売数475
広告費¥30,355¥15,397¥13,989
ACOS44%31%26%
広告損益¥-10,128¥-1,070¥1,619
広告販売数241719
最終利益(=利益-広告費)¥-6,757¥4,830¥5,499

この結果をもとに、以下のように分析ができます。

自然販売数4~7個、直近では5個
広告販売数17~24個、直近では19個
自然販売数と 広告販売数の比率直近では自然販売個数5個÷広告販売数19個=26% 広告の依存度が大きく、SEOの力はまだ弱い
ACOS第1~2週では赤字だったが、第3週でACOS<利益率に転じたので黒字

上記のことから、広告依存度がまだ高い状態なので、広告費を下げることが得策ではなく、広告を上げるか現状維持の選択肢になります。

これで広告を止めるようなことをすれば、売上も利益も落とすことになり、目標利益は到達できないので、自然販売個数が上がってくるまで待つという戦略になります。

その後、自然販売でも十分売れるようになり、目標利益を達成できる見込みになれば、広告費を下げてみると良いでしょう。

【STEP3】現状把握をしたら改善策を考える

以上を踏まえて、広告効果を検証し、その後の運用方針をどうするかを考えます。

これは、目標利益が決まっていることが前提ですが、本書の通り進んでいけば、目標利益は明確になっているはずです。

目標利益を達成しているか達成していないかで、運用方針が下記のように変わってきます。

自分が目標利益に対して、現状どの位置にいるのか明確に把握するようにしましょう。

【目標利益を達成した場合】

広告損益販売数改善策の選択肢
黒字自然販売数が多い現状維持かACOS=利益率となるまで広告費を上げる
黒字広告販売数が多いACOS=利益率となるまで広告費を上げる
赤字自然販売数が多いACOSを下げて広告販売の黒字を目指す
赤字広告販売数が多い現状維持かACOSを下げて広告販売の黒字を目指す

【目標利益が未達の場合】

広告損益販売数改善策の選択肢
黒字自然販売数が多い目標利益を達成できるならば広告費を下げて広告損益を上げる
黒字広告販売数が多いさらに広告費をかけてSEO評価を上げる
赤字自然販売数が多い目標利益を達成できるならば広告費を下げて広告損益を上げる
赤字広告販売数が多いさらに広告費をかけてSEO評価を上げる

上記のような広告運用戦略でも目標利益に到達できず、むしろ全然売れないような場合もあります。

その場合は検索表示回数、クリック率、購入率も確認して、ターゲット設定や検索キーワードの設定、商品ページの内容を見直してみてください。

狙ったキーワードで売れた場合・現状維持
・広告費をかけてさらに利益を上げる
違うキーワードで売れた場合・現状維持
・ターゲット層と検索キーワードがずれていないか再検証
売れない場合・広告が表示されていなければ入札額を上げる
・クリック率が悪ければ入札額を上げるか商品タイトルの見直し
・購入率が悪ければ商品画像や商品紹介コンテンツの見直し
・ターゲット層と検索キーワードがずれていないか再検証
改善しても売れない場合・販売価格をライバル以下に下げて、売れてきたら徐々に販売価格を戻す(ただし、再び売れなくなる可能性あり)
・赤字覚悟で価格を下げて売り切る
・多販路やオークションで売り切る
・自分で使うか処分する

商品にもよりますが、商品検索画面のトップに表示されればクリック率は35%、購入率は10%程度を目安に考えてください。

なお、インプレッション数(広告表示回数)やクリック数、クリック率については、上記のように広告の管理画面のキャンペーン結果より、表示項目を追加して確認することができます。

また、商品全体の購入率(ユニットセッション率)やクリック率(セッション率)については、ビジネスレポートから確認することができます。

最後に

Amazonのスポンサープロダクト広告の概要や作り方、基本的には広告運用についてお伝えしました。

スポンサープロダクト広告は、Amazon商品の発売直後では、とても重要な広告となります。

どんな良い商品でも、露出することが大事なので、スポンサープロダクト広告を活用して初期の売上を加速させるようにしましょう。

ブランドレジストリを登録している人は、スポンサーブランド広告の利用も検討してください。

なお、AmazonのOEM販売のノウハウ、スキルをもっと体系的に学びたい方は「Amazon国内OEM完全ガイド」をご覧ください。

本記事で紹介したスポンサープロダクト広告についても、詳しく掲載しています。

最後までご覧いただきありがとうございました。


 

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ABOUT US
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石井裕
1979年新潟県出身、東北大学大学院工学研究科修士課程卒。
原子力技術者として13年勤務。

趣味で書き始めたブログから収入を得られたことをきっかけに、密かに夢に抱いていたライターとして起業。
マニアックな好奇心と探究心から生まれる徹底した取材で、商品・サービスの隠れた魅力を言語化することを武器としている。

特に物販事業について専門的な知識を有しており、2018年より、EC STARs Labのコンテンツ制作および活動に深く関わっている。

県境をまたぐマニアックな趣味を持ち、2009年『県境マニア』を出版。
以降TBSの「ゴロウ・デラックス」「マツコの知らない世界」、テレビ東京「たけしのニッポンのミカタ!」などメディア出演多数。