

ブランドリペア転売は、安価に仕入れた中古のブランド品を元の状態に復元して転売することを言います。
たしかに、中古のブランド品を仕入れて転売するので、他の転売手法と比べると1商品あたりの利益率・利益額は格段と大きいです。
しかし、利益率は高いものの、リペアの作業が出てくるので時給単価で換算して割に合うかどうかは微妙なところです。
また、ブランド品の基礎知識に加えてリペアの技術を身に付けないといけないので、人によって向き不向きがあります。
少なくとも、転売初心者や、それほどブランド品に興味がないという人には向いていないので、人を選ぶ手法です。
逆にブランド品が好きで手先が器用という人には向いているかもしれませんが、時給単価で換算していく必要はあるでしょう。
それに、気を付けないといつの間にか違法行為をしている可能性もあることも注意です。
ブランドリペア転売に興味のある方は最後までご覧ください。

ブランドリペア転売とは?違法性についても解説

まずは、ブランドリペア転売の特徴について簡単に解説します。

という方も多いので、違法性についても解説します。
格安の中古ブランド品を補修して販売すること
冒頭でお伝えした通り、ブランドリペア転売とは、格安で仕入れた中古ブランド品を再利用できる状態まで復元して転売する手法です。
通常のブランド転売は仕入れ値が高く、資金繰りや在庫リスクという点で不安が強いです。
しかし、ブランドリペア転売なら、状態の悪い格安の中古ブランド品を仕入れるので、資金繰りや不良在庫といったリスクを抑えられます。
手法としては、修理やメンテナンスが必要となるジャンク品の転売に近いところがあります。
ジャンク品の転売も、状態が悪い商品を再利用できる状態まで元に戻す手法です。
ブランドリペア転売も同様で、状態の悪い中古ブランド品を、見た目、機能性ともに元の状態に戻すことが求められます。
できれば、箱やショッパーなども付けて、本当に新品を購入するかのように販売するとお客様に喜ばれやすくなります。
安く仕入れているので利益率が高いものの、リペアの技術が求められ、独学で学ぶことは簡単ではありません。
ただ、ブランド品が好きで修復作業が好きという人にとっては天職と言える手法で、かなり向き不向きがはっきりします。
元の状態と違う大きなリペアは商標権・意匠権侵害で違法になる
ブランドリペア転売自体は、違法ではありませんが、次の3点は気を付けないといけません。
- 古物商許可証を取得すること
- 偽物を転売しないこと
- 元の状態と違う状態にしないこと
①②については言うまでもないでしょう。ブランド品に限らず、すべての転売ビジネスで言える話です。
問題は「③元の状態と違う状態にしないこと」です。
つまり、オリジナリティを出さずに、元の状態に復元しなければいけないのです。
例えば黒のバッグを赤に変えたり、元のブランド品にはない機能を加えたりしてはいけないのです。
バッグの素材を使って、別の商品を自作してもNGです。
つまり、リペアではなく、リメイクになってしまっては、ブランドの商標権や意匠権を侵害する可能性があるためです。
東京地裁2005年12月20日の判決(平成17(ワ)8928)では、カルティエの正規品の時計などに無断でダイヤモンドを埋め込んで販売したところ、商標権を侵害して、損害賠償の支払いが命じられています。
被告製品のうち,腕時計は,原告商標権1ないし3の指定商品と同一であり,身飾品は原告商標権3及び4の指定商品と同一である。また,被告製品は,原告製品を加工したものであり,原告商標又はこれに類似する商標が付されている。よって,被告製品の譲渡,引渡し又は譲渡若しくは引渡しのための展示は,原告商標権1ないし4を侵害する(商標法25条,2条3項2号)。
なお,被告製品は,原告製品を加工したものであるが,以下のとおり,原告製品の品質にも影響を及ぼす改変を施したものであり,原告商標の出所表示機能及び品質保証機能を害するものといわざるを得ない。
ア 原告製品は,原告独自の品質管理に関する基準に基づき,製造されている(弁論の全趣旨)。
イ 上記(1)イの部品には,いずれもダイヤモンドが付されているが,このダイヤモンドは,原告製品よりも小さいものである(甲16の1ないし25及び甲37)。
ウ 上記イのダイヤモンドには,一見して傷が見られることから,品質が良くないものである(甲37)。
よって,被告製品の譲渡等の行為は,原告製品を加工したことをもって違法性を欠くことにはならない。また,被告製品の広告には,「アフターダイヤ」などの表示があるが(甲10の1ないし21),真正な原告製品として,ダイヤモンドを付したものが販売されており,被告製品がこれと混同を生じるおそれのある形態であること(甲11)に照らせば,上記表示があるとしても,原告商標の出所表示機能及び品質保証機能を害することに変わりはない。
※「平成17年(ワ)第8928号 商標権侵害差止等請求事件」より抜粋

なんてことはなく、実際に最近でもリペアではなく、明らかなリメイクで逮捕された事例があります。

※読売新聞オンラインより抜粋
上図の記事では「悪意はなかった」とありますが、知らないでは済まないのが法律の怖いところなので気を付けましょう。
あくまで、ブランドリペア転売は、元の状態に復元するという点を忘れないようにしましょう。
利益率は格段に高い
ブランドリペア転売の最も大きな魅力は利益率が格段に高いことでしょう。
仕入れるのが中古のブランド品で、しかも色褪せていたり、汚れていたり、ほつれていたりしているので安価な仕入れが可能なのです。
薄利多売を狙うのも転売ビジネスの1つの方法ですが、常に同じ商品を仕入れ続けて安定した利益を作ることは難しいです。
通常の転売ビジネスより厚利少売の手法を好むのであれば、ブランドリペア転売は合っているかもしれません。
中上級者向けで人を選ぶ手法なのでライバルは少ない
ブランドリペア転売は、やや中上級者向けで、ブランドもの好きなど人を選ぶ手法です。
リペアの技術を習得する必要もあり、一定の参入障壁があるので、他の転売手法に比べるとライバルは少ない傾向にあります。
リペア用の道具がいくつか必要である
通常の転売ビジネスと違って、ブランドリペア転売では、次のようなリペア・リカラー用の道具が必要になります。
- ブラシ
- ウェス
- クリーナー
- 筆・刷毛
- カラー剤
- 色留め・艶感調整剤
- 撥水・防汚加工剤
とは言っても、トータルで30,000円程度の初期費用で済むので、そこまで大きな負担にはなりません。
ただ、どんな道具を選ぶかによってリペアの完成度は変わってきます。
セミナーや教材等で情報収集しておくと良いでしょう。
必要な資格は古物商許可証のみ
ぶうランドリペア転売で必要な資格は、通常の転売ビジネスと同様に古物商許可証くらいで、他の資格は必要ありません。
古物商許可証の取得方法などについては、以下の記事をご覧ください。
古物商許可証以外の資格は不要とはいえ、リペアの基礎技術は必須です。
自信を持って取り組むには、ブランドリペア転売のセミナーを受講して、練習しながら技術を身に付ける必要があります。
信用できる仕入れ先を見つけないといけない
ブランドリペア転売は、当然ながら偽物を転売してはいけません。
偽物の仕入れを防ぐためには、信用できる仕入れ先を見つける必要があります。

極力、一般社団法人日本流通自主管理協会(AACD)の加盟店から仕入れることで、偽物をつかまされるリスクは軽減します。
AACDの加盟企業については、以下のページから確認してください。
⇒⇒⇒一般社団法人日本流通自主管理協会公式サイト「会員企業一覧」
セカンドストリートやハードオフといった、中古転売で定番の仕入れ先は、だいたい加入しています。
初心者がブランドリペア転売で稼ぐことが難しい7つの理由

ここまでご覧になれば、だいたい想像が付くと思いますが、ブランドリペア転売で稼ぐことは決して簡単ではありません。
比較的向き不向きがはっきりしているので、「ブランド好き」「手先が器用」など適性を感じなければ、あまりおすすめはしないです。
なるべく自分に合った手法を選ぶようにしましょう。
ブランドの知識やリペアの技術を身に付けないといけない
何度かお伝えしているように、ブランドリペア転売はブランドの知識やリペアの技術を身に付けることが必須です。
そのため、ジャンク品の転売同様に中上級者向きの手法と言えるので、初心者で向いている人はそこまで多くないでしょう。
「リペアやリカラーの技術を学ばないといけない」と思って抵抗を覚えた人には、あまりおすすめできない手法です。
作業量が多く1商品の販売に時間がかかる
ブランドリペア転売はリサーチ、仕入れ、販売に加えて、リペアの工程があるので1商品の販売に時間がかかります。
例えばリペアに慣れた人でも、長財布1個の復元で1~2時間かかると言われています。
商品や状態によっては30分くらいで終わったり、2時間以上かかったりと一概には言えません。
ただ、メルカリなどで転売する場合は、商品写真の撮影や商品説明文の記載などの手間もあります(Amazonでは出品規制がかかり、多くのブランド品は転売できません)。
いくら利益率が高いと言っても、労働集約型のビジネスには変わりないので時給換算して割に合うかどうかは考えた方がいいでしょう。
気を付けないと違法になることがある
先ほどお伝えしたように、ブランドリペア転売は気を付けないと違法になります。
古物商許可証の取得、AACD加盟店からの仕入れ、オリジナリティを加えないの3点を厳守するようにしましょう。
回転率が悪い
ブランド品は、そもそも高単価商品なので回転が悪いです。
あまり無理な仕入れをすると資金繰りが厳しくなるので注意が必要です。
常にリサーチ・仕入れ・リペアを繰り返さないといけない
ブランドリペア転売は、1点モノの仕入れ・販売となるので、常にリサーチと仕入れ、さらにリペアを繰り返さないといけません。
1商品あたりの利益は大きいですが、作業を止めた途端に収入がストップします。
収入を継続するために、趣味の時間や家族との大切な時間を犠牲にすることになりかねません。
ビジネスとプライベートの両立を目指している人には、あまりおすすめできない手法と言えます。
道具やセミナー受講費など初期投資費用がかかる
ブランドリペア転売は、リペアやリカラー用の道具、技術習得のためのセミナー受講費など初期投資費用がかかります。
先ほどお伝えしたように、道具代はせいぜい30,000円程度ですが、セミナーや教材への自己投資はそれなりにかかります。
カリキュラムによって費用感はバラバラですが、気軽に始めるにはハードルが高いところがあります。
また、ブランドリペアの技術を一通り学んだとしても、さらに応用的な技術を学びたい場合は追加費用がかかります。
しかも、メルカリ転売などへの活かし方までは教わることができないセミナーも多いです。
セミナーを受講する場合は、カリキュラムや受講料、セミナー講師のことをよく調べてから申し込むようにしましょう。
お客様からのクレームが多い
ブランドリペア転売は、リペア技術が十分でないと、お客様のクレーム・返品返金のトラブルのもとになります。
ブランド品は高単価商品だけに、ちょっとした傷や汚れ、色褪せ、ほつれ、機能的な不具合が大きなクレームに繋がるので注意が必要です。
ブランドリペア転売よりもっと安心・安全・安定的な物販がおすすめ

ブランドリペア転売は、利益率は高いものの、リペアの技術習得と作業が手間なので、時給換算で割に合うかどうかが微妙です。
タスクが多いので、ブランド品が好きとか、手先が起用とか、かなり好き嫌いの分かれるビジネスモデルです。
適性を感じた人は、厚利少売のブランドリペア転売も良いですが、そうでない人は別の手法を考えた方が長続きします。
例えば、転売やせどりからは卒業してメーカーから商品を直接仕入れるメーカー仕入れを行うという手もあります。
メーカーと交渉して高品質な商品を継続仕入れするので、仕入れの方法はせどりや転売とは大きく違います。
ただ、ブランドリペア転売と比べると、次のような違いがあります。
メーカー仕入れ | ブランドリペア転売 | |
仕入れ値 | 〇(最上流なので安い) | 〇(中古なので安い) |
利益率 | △(徐々に卸値を下げる) | 〇(高い) |
赤字リスク | 〇(抑えられる) | ×(高い) |
在庫回転率 | △(商品による) | ×(悪い) |
偽物リスク | ◎(ほぼなし) | △(やや高い) |
リピート仕入れ | ◎(可能) | ×(不可) |
価格競争 | 〇(抑えられる) | 〇(ライバル少ない) |
利益の継続性 | ◎(高い) | ×(低い) |
クレーム | ◎(ほぼなし) | ×(多い) |
アカウントリスク | ◎(ほぼなし) | ×(高い) |
初心者向き | 〇(始めやすい) | ×(難しい) |
メーカー仕入れにも向き不向きありますが、メーカー保証の効いた品質の良い新品を仕入れるので、安心・安全です。
また、継続的な仕入れができますし、価格競争も抑えることができるので、収益も安定しやすいです。
メーカー仕入れについては、以下の動画も参考にしてください。
興味のある方は、動画でお話している中西さんの書籍もご覧ください。
マンガと図解で分かりやすく解説されているので、経験者はもちろん未経験の方もスラスラ読めます。
最後に
ブランドリペア転売について解説しました。
ブランドリペア転売は、何と言ってもブランドの基礎知識とリペア・リカラーの知識が必須です。
適性がある人には天職かもしれませんが、そうでない人は成果を出すのは難しいでしょう。
少なくとも、昔から図工や家庭科が嫌いなほど手先が不器用で、ブランド品に詳しいわけではない私には向いていないと思いました。
そういう方は、別の物販ビジネスを考えた方が良いでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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