【メール例文付】クラウドファンディングの交渉術|国内メーカーと独占契約を結ぶ方法

クラウドファンディングの交渉

クラウドファンディングで出品したい商品があるんだけど、生産委託先メーカーにどう交渉しようかな

今の取引メーカーでは作れないと言われてしまって、メーカーを探さないといけなくなった

クラファンで売れそうな商品を見つけたら、次はメーカーに本格的にアプローチしていきます。

もし、既存の取引メーカーで作れそうになかったら、今までのメーカー仕入れのメーカーアプローチ同様に、メールを送ることから交渉を開始します。

そこで、今回はメーカー交渉の基本やホームページの作り方、交渉メール例文などについて解説します。

国産品でクラウドファンディングを立ち上げたい方で、新規で取引メーカーを探す必要がある方は最後までご覧ください。


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目次

クラファンサイトから取引メーカーの有力候補を見つける5つの方法

まずは、クラファンサイトから取引メーカーの有力候補を見つける4つの方法について解説します。

次のことは、クラファン商品のリサーチと並行して行うと良いでしょう。

クラウドファンディングのリサーチ

複数のクラファン実績があるメーカーを探す

クラファンサイトをリサーチして見つけたメーカーについては、他のクラファン実績があるかどうかもチェックしておきましょう。

もし、過去に他のプロジェクトがあれば、クラファンに理解のあるメーカーの可能性が高いです。

もし契約が成立した場合は、非常にスムーズにクラファンの準備ができます。

コミュニケーションも取りやすく、逆にメーカーの方から「こんな感じで改良してもいいですね」と提案してくれる可能性があります。

自分でクラファンプロジェクトを立ち上げることができるメーカーに交渉しても、「内製化している」と言われて断られない?

もちろん、自社内でノウハウが確立されている場合や、すでに他の代理店と関係性を構築している場合は断られる可能性が高いです。

しかし、ダメ元でアプローチする価値は十分あるでしょう。

特に、クラファン担当者が辞めていたり、代理店との契約を切ったりしている場合は、交渉が成立することがあります。

例えば、複数プロジェクトの経験がありながら、直近1年程度は立ち上げたプロジェクトがない場合です。

この場合は「担当者が辞めた」「事情があって新商品を作れない」などの事情があるかもしれません。

メーカー交渉時に事情を聞いてみて、「私の方でクラウドファンディングをサポートします」とアプローチすると、スムーズに取引できることがあります。

ちなみに、クラファン実行者=メーカーでなくても、大半はLP(商品ページ)に生産メーカーの紹介があります。

上図のように、LPに開発者紹介や開発秘話などがあれば、すぐにメーカーがわかります。

代理店の実行者から派生してクラファンメーカーを探してみる

クラファン実行者がメーカーではなく、代理店であった場合は、他のプロジェクトも探してみましょう。

複数の取引の有力候補となるメーカーが探すことができるかもしれません。

Makuakeの場合は、上図のように実行者の記載箇所をクリックすれば、他のプロジェクトを簡単に探すことができます(GREEN FUNDINGはこの機能はありません)。

そのため、他のメーカーが派生的に見つかったり、複数のプロジェクトを立ち上げているメーカーが見つかったりすることがあります。

Makuakeストアを開設していない商品のメーカーを探す

Makuakeストアとは、プロジェクト終了後に完成した商品を出品できるMakuake内のショッピングサイトのことです。

プロジェクト終了後の一般販売の販路の1つとして活用されることが多いです。

商品をリサーチしていて気になる商品については、一応Makuakeストアが開設されていないか確認してください。

Makuakeストアが開設されている場合は、メーカーと実行者の結びつきがまだ強く、メーカーに交渉しても断られる可能性があります。

逆にMakuakeストアが開設されていなければ、メーカーと実行者の契約が切れている可能性があるので、契約成立の可能性が高くなります。

ただ、Makuakeストアではなく他の一般販売に力を入れている可能性もあるので、その場合は断られる可能性があります。

どちらにしてもダメ元で交渉してみることで問題ないのですが、目安として知っておくと、作業の優先順位が変わります。

起案者がメーカー自身であっても諦めないこと

実行者については、プロジェクトの実行者がメーカー自身であるケースと、代理店が実行者になっているケースがあります。

メーカー自身でクラファンを立ち上げて成功しているなら、交渉しても意味がないのでは?

と思われるかもしれません。

ただ、私としてはそのようなメーカーでも、まずは交渉してみることをおすすめします。

なぜかというと、メーカーのクラファン担当者が退職しているなどの事情で、クラファンができなくなっているメーカーもあるためです。

また、特に初めての方であれば、すでにクラファンを経験したメーカーの方がやりやすいです。

クラファンに理解があり円滑にプロジェクトを進められますし、メーカーから提案もしてくれます。

もちろん断られる可能性もありますが、最初からあきらめる必要はないので、ダメ元でもアプローチしてみてください。

実際に過去5,000万円ほどの莫大な支援を得たメーカーにアプローチして、交渉が成立した例もあります。

断られたら類似商品を作れるメーカーを探す

リサーチして見つけた商品を生産しているメーカーにアプローチしても、断られる可能性は十分あります。

その場合は、類似商品をモデリングした商品を作れるメーカーを探しましょう。

しかし、なかには生産メーカー独自の技術で、特許を取得しているものや、メーカーしか扱えない素材のある商品もあります。

その場合は、メーカーにアプローチして断られれば諦めるしかないので、別の商品をリサーチしましょう。

【初心者向き】メーカーに見せるホームページで3つの最低限必要なこと

メーカーに見せるホームページはどこまで作り込めば良いの?

という質問をよく受けます。

結論から言えば、最初は会社概要がわかる程度の簡易なホームページで大丈夫です。

最初からWordPressで作成する必要もなく、WixJimdoでも問題ありません。

ホームページを外注するにしても、3~5万円程度でできる簡易なもので大丈夫です。

※以下の記事を参考にしてください。

メーカー仕入れ ホームページ

クラウドファンディングやメーカー仕入れ用のホームページ作成は、レベル別に3つのパターンがあります。

 概要手間反応率
レベル1会社概要を中心とした簡易なホームページ。顔写真等は必須
レベル2考え方や想い、実績が伝わるように修正
レベル3メーカーに取引するメリットを伝えらえるように修正

上の表のように、簡易な状態から改善すればメーカーの返信率が上がるのも事実です。

ただ、あまりホームページに時間をかけすぎて前に進めないなら本末転倒です。

そこで、本記事ではレベル1に限定して解説します。

レベル1の条件を満たすだけでも、かなりメーカーの反応は変わってきます。

レベル2~3については、「国内メーカークラウドファンディング→個人物販ガイド」にて詳細を解説しています。

興味のある人は、ぜひご覧ください。

顔写真を入れた会社概要を作る

代表挨拶などで使う顔写真は必須です。

顔写真がなければ、メーカー担当者は取引したい気持ちより騙されたくないという不安が上回ってしまいます。

また、フリー素材の別人の写真で済ませたり、顔が見えなかったりする写真もNGです。

必ず自分の顔写真を撮影するようにしてください。

笑顔だったり誠実そうな顔だったり、角度を変えてみたり、全身の写真を撮影してみたり、様々なパターンを撮影してください。

その他、仕事中の写真(商談時など)や、オフショット写真など人柄の伝わる写真も撮影しておきましょう。

そして、自分の姿が写った写真は優先順位が高いので、代表挨拶はもちろん、なるべくトップページの最初の方に掲載するようにしてください。

とはいえ、副業中の方などは、顔写真を出せないという方も多いでしょう。

副業の方で、顔写真を出したくない方は、上図のように後ろ姿など顔が見えないように写真を撮り、自然と存在感や人柄が伝わるようにすることがおすすめです。

顔が見えなくても、自分が写っていることが重要です。

8割以上は自分が映った写真を使うこと

代表挨拶などで自分の顔写真を掲載するのは必須で、他の写真もフリー素材だけに頼らず、自分達が写った写真を使うようにしましょう。

目安は自分の写真が8割程度です。

過去に撮影した写真でもいいので、なるべく仕事をしている様子など自分達が写った写真を使うことで、メーカーに実態を伝えられます。

どうしてもイメージ画像でないと厳しい場合はフリー素材でも大丈夫ですが、スマホでいいので日頃から業務中の写真を撮るようにしましょう。

フリー素材は全体の2割以下に留める

フリー素材については、実物の写真ではどうしてもイメージが合わない場合にのみ使用し、全体の2割以下に留めるようにしましょう。

また、フリー素材を使う場合も、なるべく物販事業に合う写真を使ってください。

アプローチ前に知っておきたいメーカー交渉4つの基本

次に、クラウドファンディングのアプローチ前に知っておきたいメーカー交渉の基本について解説します。

まずは交渉してみることも大切ですが、次のことは最低限押さえるようにすると、交渉成立する確率は高くなります。

メーカーがクラウドファンディングで求めていることを知る

メーカーにクラウドファンディングの交渉する際には、メーカー側が求めていることを知らなくてはいけません。

傾向として、取引メーカーの多くは、クラウドファンディングに次のようなメリットを感じています。

次の点を意識して、メーカー交渉をしてください。

①ノーリスクで新商品の開発・生産ができる

クラウドファンディングは、もともと資金調達することを目的として作られ、本質的にローリスクでモノづくりができるように設計されています。

完全無在庫販売を実現し、先に消費者(支援者)から支援金を集めることができるので、融資や補助金以外で開発費や生産費用を捻出できます。

②ノーリスクでテストマーケティングができる

新商品を生産する前にどれくらい売れるかどうかをテストして、ノーリスクで販売データを蓄積できる点はメーカーにとっても大きなメリットです。

これまでのテストマーケティングの方法では、商品を生産してからPRするので、売れなければ無駄な生産コストが発生することになります。

新商品開発のリスクを取りづらくても、クラファンであればリスクなくテストマーケティングができるので、新商品販売のハードルを下げることができます。

③生産前の新商品を消費者や大手卸業者に知らせることができる

クラウドファンディングを活用することで、新商品の存在を消費者に知らせることができます。

テストマーケティングをしつつ、商品の魅力を消費者に伝えることで、生産前の新商品を思う存分PRできます。

また、クラウドファンディングは大手百貨店などの卸業者も多くチェックしているため、大型のBtoB取引が決まることがあります。

これは、実行者にとっても大きな夢のある話ですが、メーカーにとっても大きなメリットです。

④生産開始前にメディアに取り上げてもらうことができる

クラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げることによって、商品を生産する前にテレビや雑誌などのメディアでPRできます。

実際、クラファン期間中に、メディアに取り上げてもらい、支援を増やす戦略を取ることもあります。

詳細は、以下の記事をご覧ください。

クラウドファンディングの広告

⑤販路拡大の大きなきっかけとなる

今までクラウドファンディングを活用してこなかったメーカーにとっては、クラウドファンディングという市場自体が新しい販路となります。

また、クラウドファンディングでの認知をきっかけに、Amazonや楽天、自社ECサイトの販売も実現することがあります。

いきなり新商品をAmazonや自社ECサイトで販売することは高度でリスクが高いので、販路に悩んでいたメーカーにとっては大きな突破口となります。

⑥メーカーや商品のブランド化に繋がる

クラウドファンディングは1回やって終わりではなく、何回か繰り返し行うことでリピーターが積み上がっていきます。

そのため、2回、3回とプロジェクトを立ち上げることによって継続的に商品を売ることができるようになります。

このように何回もプロジェクトを立ち上げることによってメーカーや商品のブランド化を図ることができます。

クラウドファンディングは単発ではなく、何回も繰り返すことが重要です。

⑦お蔵入りになった在庫を販売することができる

意外とメーカーに話をすると、お蔵入りの商品が在庫に眠っていることがあります。

この商品をクラウドファンディングで販売してみたら、大ヒットしたということは珍しくありません。

在庫を一掃することができて無駄な保管費用が削減できますし、プロジェクトが成功して、その後も売れ続けばメーカーから感謝されます。

すでに在庫があるために生産コストがかからず、着手金を請求される可能性がかなり低いパターンです。

メーカーと交渉する際は、在庫に眠っている商品もある可能性を念頭に置いて話を進めてください。

メーカーがクラウドファンディングを躊躇する理由を知る

一見するとメーカーにとってメリットだらけのクラウドファンディングですが、なぜメーカーは実施しないのでしょうか?

これもメーカーと交渉する際は重要なポイントになります。

次の点は最低限知っておいてください。

①そもそもクラウドファンディングをよく知らない

今ではクラウドファンディングは、かなり認知が広がってきましたが、2よくわからないというメーカーは少なくありません。

未だにキングコングの西野さんの「えんとつ町のプペル」くらいのイメージしかなく、商品開発と結びつかないメーカーの担当者も多いです。

クラウドファンディングの存在を知らないメーカーには、メリットを十分伝えると、「そういう仕組みならやりたい」と喜んで取引してくれることがあります。

②クラウドファンディングの担当者がいない

クラウドファンディングの存在やメリットは把握していても、リソースがなく実施できないメーカーもあります。

これは、クラウドファンディングを経験したメーカーにも同じことが言えます。

担当者が既に退職していたり、実行者との契約が切れたりしていることがあるためです。

クラファンのリソースがないメーカーに対しては、

もし新商品を作れるのであれば私の方でサポートします

と言えば取引が成立しやすくなります。

③新商品の開発資金に回せない

不況でメーカーの経営が苦しく、余剰資金がなくて新商品の開発まで予算がないケースがあります。

この場合は既製品の販売で現状維持が精一杯になっていることが多いです。

この場合は、

ノーリスクで新商品の開発をしてテストマーケティングまでできますよ

とクラファンのメリットを伝えると良いでしょう。

「資金不要ならやってみよう」と取引が成立することがあります。

④保守的で慎重な性格

国内メーカーは、比較的保守的で慎重なことが多く、新商品の開発にチャレンジしようとしない傾向があります。

「挑戦してみよう」と考える前に「失敗したくない」という気持ちが先行するのです。

だから、知らない人から取引の交渉があっても「騙されたくない」という気持ちが先行してしまうところがあります。

だからこそ、先ほどお伝えしたように、ホームページでは顔写真をしっかり入れるようにするようにしましょう。

国内メーカーと海外メーカーの交渉の違いを知る

物販クラウドファンディングでは、国内メーカーに交渉するパターンと、海外メーカーに交渉するパターン両方あります。

本記事では、国内メーカーとの交渉についてお伝えしていますが、国内メーカーと海外メーカーで、クラファン交渉には次のような違いがあります。

 海外メーカー国内メーカー
メールの反応無視されやすい何かしら返信がある(お断りも含む)
交渉時の質問メーカーから質問されるメーカーに質問する
交渉内容・日本の市場で売れるか?
・サポートの範囲は?
・商品の見積もりやMOQは?
・どういう商品を作るか?
・売れる見込みはあるか?
・商品の見積もりやMOQは?
その他特徴・翻訳や通訳の手間があり、翻訳サイトの精度に限界
・細かいニュアンスが伝わりづらい
・貿易知識が必要
・気軽な相談ができない
・翻訳や通訳不要
・細かいニュアンスが伝わる
・貿易知識が不要
・気軽に相談しやすい

海外メーカークラファンというと、KickstarterIndiegogoなどで大きく売り上げたメーカー商品の独占販売権利を獲得する方法が主流です。

すでに海外でヒットした商品の仕入れを交渉するので、多くの物販プレイヤーが狙っています。

そのため、メーカーによってはオファーが集中することがあり、「また来たよ」とメールを無視されることが多いです。

しかし、国内メーカーの場合は新商品開発になるので、オファーが他の物販プレイヤーと重なることはない独自の提案になります。

そのため、ホームページがあれば無視されることは少なく、取引の可否は別としても返信はあります。

また、海外メーカーとは交渉内容も変わってきます。

海外メーカーの場合、「日本市場で売れるか?」「どこまでサポートしてくれるか?」「実績を出せ」など、会社の採用面接のように様々な質問をされます。

交渉内容も、かなりドライで事業に対する想いなどを聞かれることはほとんどありません。

しかし、国内メーカーの場合は、海外メーカーほど質問攻めされることは多くありませんが、

なぜ弊社に興味を持ちましたか?

なぜ今の事業をしていますか?

など、物販に対する想いはよく聞かれます。

ホームページを作り込まなくても、自分の口で語れるようになっておく必要があります。

しかし国内メーカーの場合、1度打ち解けたら、あとは新商品をどうやって作るか話し合うスタンスです。

どちらかというと、こちらが

どういう商品ですか?

この機能を強化することはできますか?

など質問する方になります。

海外メーカーよりは、むしろ私達を「商品を買ってくれるお客様」と扱ってくれ、丁寧に説明対応してくれます。

これは法人でも個人事業主でも同様です。

よくメーカー交渉というと「質問攻めに合って答えられなかったらどうしよう」などと不安に思う方もいますが、実態はかなり違います。

海外メーカーは交渉という名の通り様々な条件を取り決めますが、国内メーカーは相談しながら一緒に作り上げていきます。

正直、国内メーカーと海外メーカーどちらに向いているかは人それぞれですが、国内メーカーでも気負うことなく取り組みましょう。

取引候補の国内メーカーの特徴を知る

一般的に、国内メーカーの担当者は次のような傾向があります。

  • 中小企業の中年男性(40~50代)
  • 保守的な傾向があり、新しい情報に強くない
  • 「商品を売ってほしい」というより「騙されたくない」という感情が強い
  • 知らない専門用語には拒否反応を示しやすい
  • 都市部よりは地方の中小企業が多い
  • 新商品を販売したいけどリスクを取れない
  • 全般的に自社商品が売れずに悩んでいる
  • 毎日のようにメーカー直取引やクラファンのオファーメールが来ている

地方に在住している親戚のおじさんを思い浮かべてみてください。

このような特徴を持つメーカー担当者の言語でメール文章を送り、メリットを十分伝える必要があります。

上記のようなタイプの担当者は、英語やカタカナ用語で書いてある専門用語は「すごい!」ではなく「よくわからない」「怪しい」と拒否反応を持ちます。

そのため、シンプルに理解できるように、相手の脳内にある言葉に言い換える必要があります。

最初は、「クラファン」「クラウドファンディング」という言葉すら使わない方がいいかもしれません。

昔よりはかなり認知されているものの、クラウドファンディングという言葉に馴染みのないメーカーはたくさんあるので、次のような言葉で言い換えましょう。

  • 新しい販売手法
  • 今伸びている販路
  • 新商品を拡散する手法
  • 新商品をリスクなくテスト販売する手法
  • 短期間で資金調達して新商品を開発する手法

もちろん、交渉先がクラウドファンディングを経験したメーカーであれば言い換える必要性はないでしょう。

実際、クラウドファンディングを知らないメーカーは減ってきているので、臨機応変に使い分けるようにしてください。

その他、私達が当たり前のように使っている言葉でも、メーカーにとっては聞いたことすらない可能性がある点は注意しましょう。

【例文付】クラファン交渉の初回メール3つのパターン

1通目のメールでは取引を決めることではなく、まずは反応してもらうことを目的とすることです。

たしかに最終的にはメーカーと取引を成立させるのですが、1通目からいきなり取引の話をすると返信率が下がります。

例えば女性を初めてデートに誘うとき、「いきなり結婚してください!」と言ってもフラれることと変わりません。

いきなり大きな話に持っていこうとしても高確率で失敗します。

メーカー担当者は、1通目のメールで興味を持ったらホームページを確認し、そしてようやく「とりあえず連絡してみよう」と考えます。

もちろん、最初から取引に対して積極的なメーカーもありますが、まずは小さいYESを重ねて徐々に関係構築しましょう。

また、一つひとつのメールで、シンプルかつストレートに確認事項を伝えて、メーカーが返答しやすいようにすることが大切です。

あまり1回のメールで条件や質問を書きすぎてしまうと、反応が悪くなります。

具体的には、以下のステップを目安にしてメールを送ります。

【1通目:実現可能性①興味】

自己紹介と要件を伝えて興味を持ってもらえるか確認する

  • メーカーに簡潔に商品開発を打診する
  • メーカーにホームページを見せる

【2通目:実現可能性②可否】

新商品開発が可能か、クラウドファンディングに協力的かどうかを確認する

  • 新商品開発の可否を確認する
  • クラウドファンディングの可否を確認する

【3通目:採算可能性①売上】

メーカーと相談しながら交渉前のリサーチの再検証をして成功する可能性を確かめる

【4通目:採算可能性②利益】

  • 採算が合うかどうか利益検証
  • 着手金など取引条件を確認する

このように1問1答くらいの感覚で、商品作りの実現可能性を確認し、売上・利益の見込みを立てていきます。

なお、送るメールが4通とは限らず、1通目のメールの時点で、メーカーが2通分の回答を出してくれることもあります。

逆にもっと細かい確認のやり取りが必要なこともありますし、打合せを打診されることもあるので臨機応変に対応してください。

本記事では、パターン別でメーカーに送る1通目の交渉メール例文を紹介しながら解説します。

【パターン①】リサーチして見つけたメーカーへの1通目の交渉メール例文

件名 

〇〇〇用品の取扱い及び製造の依頼等について

本文

〇〇〇株式会社さま

お世話になります。

当社は小売/通販事業を営む〇〇〇と申します。

御社のクラウドファンディングプロジェクトの商品〇〇〇を拝見しました。

当社も小売業や卸売業はもちろん、同じくクラウドファンディングでの販売を行う事業者です。

御社のものづくりの高い技術を活かした商品を扱いたく、御社に〇〇〇用品の改良版や新作など製造依頼することは可能でしょうか。

よろしければ一度打ち合わせなど含めご検討いただけましたらと思います。

ご連絡よろしくお願いします。

(自社名、担当者名、電話番号、メールアドレス、ホームページアドレスを記入)

1通目の目的は、1つは興味を持ってもらうこと、もう1つはホームページで会社概要を見てもらうことです。

そのため、この時点で詳細な取引条件の話はなく、シンプルに「新商品が作れるか」だけ聞きましょう。

【パターン②】モデリングした商品を作れるメーカーへの1通目の交渉メール例文

クラファン実施メーカーに断られたら、モデリングした商品を作れるメーカーに交渉メールを送ります。

メーカーの探し方としてはいくつか方法があり、いずれも簡単に見つけられます。

  • クラファンサイトで類似商品が作れそうなメーカーを探す
  • Amazonで類似商品が作れそうなメーカーを探す
  • 「(商品カテゴリー/商品名) OEM」のキーワードでGoogle検索してみる

あとは見つけたメーカーに、メールを送ってみるようにしましょう。

2通目以降に最適なメーカーを選んでいくので、まずは複数社送ってみてください。

件名A

〇〇〇用品のOEM商品の製造依頼

本文

〇〇〇株式会社 さま

お世話になります。

当社は小売/通販事業を営む〇〇〇と申します。

〇〇〇用品を製造可能なメーカー様を探しております(※単刀直入に結論を記載する)。

〇〇〇用品は昨今伸び盛りでして、〇〇〇が今後市場伸長すると予測しており、この成長市場への参入を検討しております(※将来の成長性や、商品化した想いを記載する)。

具体的にプロジェクトも進行しており、ベンチマークしている商品もご提示可能です。

対象商品は、以下の商品です。

〇〇〇(※モデリングする商品を記載)

この商品と同じ、

〇〇〇(※ベンチマーク商品のURL)

この商品を原型に、 30%ほど持ち手を短くした小型化、携帯性を高める 旅行用の〇〇〇をOEMなど製造の依頼をしたいと考えています(※既存商品からの改善要望を簡潔に記載)。

ご連絡よろしくお願いします。

(自社名、担当者名、電話番号、メールアドレス、ホームページアドレスを記入)

モデリングした商品を作れるメーカーにアプローチする場合は、次の点を簡潔に記載します。

  • 要件をシンプルかつストレートに言う
  • ベンチマークする商品が何かを示す
  • ベンチマークする商品の改善要望を完結に記載する

ここでも、まずは「新商品やOEM商品を作れるか」を確認します。

なお、この場合はクラウドファンディングという言葉をまだ使っていません。

これは、まずは作れるかどうかを打診することから始めるのもありますが、メーカーがクラファンに精通していない可能性もあるためです。

説明が必要なことは後回しにして、まずは要件だけ伝えましょう。

【パターン③】既存取引先に打診する場合は通常のメールに補足する

メーカー直取引などの既存取引先メーカーに交渉する場合は、以下のように通常の仕入れや定期連絡などのメールに補足する程度で大丈夫です。

お知らせしていなかったかもしれませんが、当社は、現在国内の販路を拡大し、より多くメーカー様の商品を販売する体制を進めています。

既存流通のみならず成長市場である国内の新販路開拓を行っており、新商品の情報や販路が難しい商品などもありましたら、ご相談ください。

追伸:既存流通のみならず成長市場である国内の新販路開拓を行っております。新商品の情報や販路が難しい商品などもありましたら、ご相談ください。

メーカー直取引の既存取引先の場合も、クラファンに精通していないことがあります。

そのため、ここでもクラウドファンディングという言葉は使わず、「成長市場である国内の新販路開拓」「国内の販路を拡大」と別の伝わる言葉に言い換えて表現しましょう。

できる人のメーカーに断られた場合の対応方法

最後に、最初のメール交渉でメーカーに断られた場合の対応方法についてお伝えします。

もしメールを送ったメーカーの返事が「No」だった場合は、メーカー仕入れと同様に、必ず理由を確認してください。

断られる理由は、大きく分けて別の取引先がいるパターン、自社で実施するパターン、新商品が作れずに断られるパターンの3つに分けられます。

前者2パターンの場合は参入余地がないので、諦めて別のメーカーにアプローチするしかありません。

後者の場合は、まだ可能性があったり違うメーカーを紹介してくれたりすることがあるので、次のことは確認しましょう。

他の仕様で作れないか聞いてみる

もし、自分が提案した新商品を作れないと言われた場合は必ず詳細を聞いてください。

「これくらいは譲歩できる」ということなのに、確認せずに断られてしまっていることもあります。

もし、確認せずに引き下がってしまうと、せっかく魅力的な新商品が作れるのに、チャンスを逃してしまうことになります。

そのため、

どういう仕様ならできますか?

このパターンではどうですか?

など、確認するようにしてください。

「これはできないけど、これはできる」と折衷案で話が進展してプロジェクトが成功することも珍しくありません。

別の新商品がないか聞いてみる

こちらが提案する新商品のオファーを断られたとしても、ダメ元で

別の新商品はないですか?

と聞いてみてください。そうすると、

今こういうのを作っているけどどう?

と提案してくれるかもしれません。

結果的に当初よりも売れそうなプロジェクトに発展することもあります。

また、上記のように他の仕様で作れないか確認しているときに、

そういえば、今○○という新商品作っているけど

と話をしてくれることもあります。

別の新商品を提案された場合は、MakuakeGREEN FUNDINGなどクラファンサイトを再リサーチして実需を確認するようにしてください。

作れるメーカーがないか聞いてみる

どうしても作れないと断られた場合は、

他に作れるメーカーはありますか?

と聞いてみてください。そうすると

この加工なら○○さん(メーカー名)が有名かなあ

この素材なら、いつも○○さんから買っていますよ

と教えてくれることがあります。

このような情報を得られれば、近道で取引メーカーが見つかります。

何社も断られたら別の業種にアプローチしてみる

何社もメーカーに断られるなど反応が悪い場合は、アプローチしている業種が違うかもしれません。

例えばプロテインバーの販売でプロジェクトを立ち上げた受講生の事例です。

何社かプロテインメーカーにメールしてみたのですが、どこもNGの返事。

理由としては、プロテインバーの型がなく、製造不可とのことでした。

そこで、今度はお菓子メーカーに何社かメールしてみたところ、とあるメーカーからOKの返事をもらっています。

つまり、「この商品なら、この業種」という思い込みが間違っていることがあります。

その場合、アプローチする業種を変えることで、取引メーカーが見つかることがあります。

もし、何社もアプローチして反応が悪いような場合は業種を変えてみることも検討してみてください。

対象メーカーに一斉にメール送信するのではなく、反応を見ながら少しずつ送る

メーカーに1通目のメールを送る際、基本的には対象となるメーカーに一斉にメールを送り、反応のあったメーカーのなかからクラファンメーカーを選びます。

ただ、いまいち反応が悪いことがあります。

上記のように対象とする業種が違っている可能性もありますし、メールの内容が今ひとつの可能性もあります。

そこで、対象メーカーすべてにメールを送るのではなく、反応を見ながらメール内容を修正して、少しずつ送ってみるのも有効です。

特に「ここと取引したい」と思える本命のメーカーがいれば、敢えて後回しにして、テストとして他のメーカーにメールしてみるのもいいでしょう。

一番反応が出やすいメール内容で、本命のメーカーにアプローチできるからです。

商品の取り合いになって、早い者勝ちになる海外メーカークラファンではこの方法が使えません。

しかし、国内メーカーで作るのは独自の商品なので競争がありません。だから、落ち着いて段階的にメールしましょう。

最後に

以上、クラウドファンディングのメーカー交渉についてお伝えしました。

国内メーカーと海外メーカーでは、交渉の方法がかなり違ってきます。

国内メーカーの場合は、多くの場合は返事がありますし、交渉するというよりは一緒に協力して何か作るというスタンスで接してくれます。

副業中の個人事業主でも、躊躇することなく取り組んでみると良いでしょう。

なお、物販クラウドファンディングの概要については、以下の記事を参考にしてください。

物販クラウドファンディング

最後までご覧いただきありがとうございました。


 

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ABOUT US
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石井裕
1979年新潟県出身、東北大学大学院工学研究科修士課程卒。
原子力技術者として13年勤務。

趣味で書き始めたブログから収入を得られたことをきっかけに、密かに夢に抱いていたライターとして起業。
マニアックな好奇心と探究心から生まれる徹底した取材で、商品・サービスの隠れた魅力を言語化することを武器としている。

特に物販事業について専門的な知識を有しており、2018年より、EC STARs Labのコンテンツ制作および活動に深く関わっている。

県境をまたぐマニアックな趣味を持ち、2009年『県境マニア』を出版。
以降TBSの「ゴロウ・デラックス」「マツコの知らない世界」、テレビ東京「たけしのニッポンのミカタ!」などメディア出演多数。
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