こういった、納品時の受領差異はほとんどの方が経験されているでしょう。
受領差異とは、納品数と受領数が一致しない状況のことで、詳しくは下記の記事をご覧ください。
今までは、こういった受領差異が発生した場合も、自分で確認・申請しなければ、紛失にも気付かず、補てんもされない状況でした。
中には、補てん申請の仕組みや方法を知らないで、そのまま損失にしてしまった方も少なくないでしょう。
そんな見落としがちなFBA在庫補てんに関するポリシーが、2025年から大幅にアップデートされたのはご存知でしょうか?
改訂内容については、Amazon公式ページのFBA在庫補てんポリシーからご確認できます。
Amazonの販売者にとっては嬉しい、この補てんポリシーの改訂内容について詳しくお伝えしていきます。
大切な商品を1点も無駄にしないためにも、是非ご覧になってみてください。

目次
FBA在庫補てんポリシーとは

発生頻度は多いのに確認や申請は難しい、厄介な事象だったFBA在庫補てんポリシーが、2025年1月に大きく改訂されました。
今回の補てんポリシーの改訂について、詳しく解説している動画がありますので、ご覧になってみてください。
では、このFBA在庫補てんポリシーについて、詳しくお伝えしていきます。
FBA在庫補てんポリシーとはFBAセラーのみが関係するポリシー
FBA在庫補てんポリシーとは、Amazon倉庫内で発生した商品の紛失・破損に対して、Amazonが商品代金を補てんする仕組みのことです。
つまりAmazon倉庫を利用するFBAセラーのみが関係するポリシーです。
FBAとはご存知の通り、Amazonで販売する際に発送業務やカスタマー対応といった必須業務を代行してもらえるサービスのこと。
FBAについてイマイチわからないという方は、以下の記事と動画をご覧になってみてください。
このFBAセラーに関係するFBA在庫補てんポリシー、そもそもどういった場合に「補てん」が適用されるかはご存知でしょうか?
補てん対象は「Amazon倉庫内」での「Amazon側のミス」であること
この「補てん」が適用される条件は…
- Amazon倉庫内で発生したもの
- Amazon側のミスによるもの
の2つ、この条件で発生した紛失・破損に対してのみ、補てんが行われる仕組みです。
逆に、Amazon倉庫を利用していない、ご自分のミスでの紛失・破損に対しては、補てんはされません。
このFBA用の倉庫、いわゆるAmazon倉庫内での作業中に、Amazon側のミスにより発生した紛失・破損に対してのみ適用されるのが補てんポリシーということです。
Amazon側のミスが起こるのは主に4つのタイミング
この補てんの対象となる状況は、大きく分けて4つあります。
FBAを利用する場合Amazon倉庫に納品しますが、このAmazon倉庫では届いた商品の検品から注文後の発送まで、様々な作業が行われています。
この作業の中で紛失・破損が発生する具体的な状況は、以下の4つです。
- Amazon倉庫への納品時(到着した商品の検品や別倉庫への移動など)
- 倉庫内での作業時(保管棚への移動や注文後のピッキング・梱包など)
- 出荷時または返品時(お客様が受け取った際またはAmazonが返品で受け取った際)
- Amazon倉庫から出品者への返送時(Amazonからの返送を出品者が受け取った際)
どの状況にしても、莫大な商品の流通拠点となるAmazon倉庫での紛失・破損は、必ず起こる避けられない事態といえます。
以上のように、FBAセラーなら避けては通れない「補てん」のポリシーが、使いやすく便利なものに改訂されたのです。
- 補てんが自動で行われるようになった
- 専用ポータルサイトが新設された
- 補てん金額の算出方法の明確化と原価申請の採用
ここからはこの3つの改訂点について詳しくお伝えしていきます。
補てんポリシー改訂①補てんが自動で行われるようになった

今回の改訂で負担軽減にも関わる最も嬉しい改訂は、補てんの自動化です。
2025年度1月10日から先行開始されたシステムでは、Amazon倉庫内で確認された紛失・破損に対して、Amazon側が自動的に補てんを行うようになりました。
改定前(~2024年12月) | 改定後(2025年1月~) | |
補てん対象の確認 | 販売者が「在庫調整レポート」で確認 | Amazonが確認し報告(自動化) |
補てんの申請 | 販売者がAmazonに調査を依頼 | Amazonが調査し報告(自動化) |
補てん申請後の補てん | 調査後Amazon側のミスと判断されれば補てん | Amazonが判断し補てん(自動化) |
上記の表を見てもお分かりのように、補てんに関するほぼ全ての工程が、出品者次第といった状況でした。

在庫調整レポートで確認して、調査依頼して、補てん申請しなきゃ…
といったように、出品者が積極的に行動しなければ、いつのまにか損失…といった仕組みでした。
この出品者次第だった補てんを、Amazon側が自動的に行うようになったことは、かなりの負担軽減になった一番の改善点です。
補てんポリシー改訂②専用ポータルサイトが新設された

さらに、出品者側がよりスムーズに確認・申請を行えるよう「在庫の問題と補てんポータル」(仮称)という専用ポータルサイトが新設されました。
専用ポータルサイトで確認できること
この新しく開設された専用ポータルサイトでは、以下のようにAmazon倉庫で発生した紛失・破損の詳しい内容を、分かりやすく確認することができます。
- 紛失・破損などの問題の種類
- 確認された日付
- 実施されたアクション
- 理由やステータスなどの詳細情報
- 補てん申請が必要なケース
以前の確認に利用していた「在庫調整レポート」よりも、より明確で分かりやすい内容・表示になっています。
補てん情報が明確になったことで、破損がしやすい商品が明確になり、梱包方法の改善や取扱の見直しなどの活用にも期待できるようになりました。
専用ポータルサイトでの確認方法
では、具体的な専用ポータルサイトでの確認方法についてお伝えしていきます。
①セラーセントラル画面左上の3本線メニューを開きます。

②在庫を選択します。

③FBA在庫管理を選択します。

④FBA在庫管理画面の在庫を選択します。

⑤在庫の不備と補てんを選択します。

⑥確認したい期間の選択ができます。(デフォルトは90日間)

⑦確認したいSKUやASINから検索できます。

⑧こちらの表示で確認できるユニット数は、補てん対象で解決済みのものが14、補てん済みのものが5(金額)です。

⑨概要の選択画面では問題のステータス(日付ごとの問題発生数)を確認できます。(カーソルをグラフに合わせると内訳も確認可能)

⑩解決済みの選択画面では、問題発生日時・内容・数量・販売可否の詳細、Amazonからの補てん金額が確認できます。

補てんポリシー改訂③補てん金額の算出方法の明確化と原価申請の採用

さらに、補てん金額の算出方法が今までよりもわかりやすくなりました。
改定前(~2024年12月) | 改定後(2025年1月~) | |
補てん金額の算出方法 | 推定販売価格ー手数料ー消費税 | 商品原価ー手数料ー消費税 |
算出する際の元となる価格 | 推定販売価格 | ①Amazon側が予想した商品原価 ②正規の商品原価(申請が可能) どちらかを選択可能 |
改定前に起用していた「推定販売価格」についてですが、この定義が非常に分かりにくく、Amazonの説明文を読んでも理解できない、いわゆる不明瞭な算出方法でした。
それが、改訂後は分かりにくい定義の「推定販売価格」から「商品原価」に変更されたことで、算出方法が単純明快でわかりやすくなったというわけです。
さらに改訂後は…

え?Amazonが出した商品原価、本当の原価より全然安い…
といったように、Amazonが想定した商品原価が実際の原価よりも低い場合には、正しい原価での補てんを申請できる原価申請が今回の改訂により可能になりました。
- 原価には、倉庫への納品送料・手数料・関税は含まれない(費用分はマイナス)
- 販売後(注文後)の補てん金額算出方法は従来通り推定販売価格での算出
正しい原価で補てんしてもらうための申請方法
ここからは、Amazonが独自に算出した原価では赤字になる場合に、正しい原価を申請する方法についてお伝えしていきます。
3章でお伝えした専用ポータルサイトの画面から行います。
①画面右上の「原価を管理」をクリックする

②申請したい商品の「申請する」をクリックする

③画面右側に左記の画面が表示されるので、そこに正しい原価を入力し、その証明ができる資料(請求書・納品書など)のファイルをアップロードする。

この申請後に、Amazonが正しい原価であると判断すれば、補てん金額が修正されるという流れです。
原価申請は蓄積すると大変になるので、定期的な確認と申請が効率的
正しい原価申請を通すための2つのポイント
この原価申請を問題なく通してもらうためには、添付する資料内容は正しく明確なものにする必要があります。
そのために重要なポイントは2つです。
- 提出した書類が偽造・改ざん・判読不能ではないこと
- 出品者のアカウントに不正行為・規約違反などの違反の疑いがないこと
提出した書類が偽造・改ざん・判読不能ではないこと
まずは、正確な内容ではっきり読めるものであることが大切です。
偽造や改ざんした書類はもっての外ですが、その他にも解読できない文字、情報の欠落などの初歩的な不備も申請が通らない原因になります。
- 発行日時
- 出品者の会社名・住所・連絡先
- 発行元(メーカー)の会社名・住所・連絡先
- 商品番号・型番・数量・単価
その他にも、せどり・転売の方など、提出できる書類がレシート・販売店からの領収書の場合は、出品者の詳細情報までは記載されていないため、証明書類にはなりません。
つまり、メーカーや正規の卸問屋から仕入れていない場合は、証明書類の調達ができないので、原価申請自体が難しいというです。
- 提出書類は、誰が見ても正規品の原価である確認ができる内容であることが大切
- 詳細情報がしっかり記載されている請求書・納品書などを保管しておくことが必要
出品者のアカウントに不正行為・規約違反などの違反の疑いがないこと
常識的なことにはなりますが、過去の販売履歴も含めて、アカウントの健全化に心掛けることも原価申請には大きく関わってきます。
規約の遵守は大前提ですが、転売禁止のメーカーの商品の転売など、不正にあたる行為が過去にあった場合なども、申請しても通らない場合があります。
正しい原価申請を通すには、正しい販売者であることが大前提
最後に
ここまで、FBA在庫補てんポリシーの改訂内容についてお伝えしてきました。
今回の改訂は出品者にとって、補てん内容を透明性のあるものにし、より予測ができるようにという目的で行われました。
この新しく導入された専用ポータルサイト「在庫の不備と補てん」の項目を、一度ご覧になって見てください。
かなり詳細に確認でき、以前のようなモヤモヤは一掃できるでしょう。
今後もAmazonは販売者の環境整備を進めていくことが予想され、その恩恵を受けるための条件もさらに厳しくなることが予想されます。
そういった恩恵を余すことなく受けるためには、ビジネスの見直しも必要かもしれません。
いつでも保証が受けられ正規品だけを販売できる、真っ当なビジネスにご興味のある方は、下記の動画をご覧になってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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