メルカリで稼いだら税務署がやってくる?確定申告が必要な基準は?

メルカリで稼いで税務署はやってくる?(自社制作)

メルカリで少し利益が出たんだけど、確定申告してないんだよね

え、大丈夫なの? 前にネットニュースでメルカリの転売ヤーに税務調査がやってきたという特集を見たよ

え、そうなの? 税務署員がいきなりやってくると思うと怖いなあ

メルカリで利益を上げている人のなかには、「メルカリで確定申告は必要なのか?」「無申告で税務署員が突然やってくることはあるのか?」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?

確定申告の要否は、不用品販売なのか、せどり・転売など営利目的なのかによって変わるので、よくわからないという人が少なくありません。

確定申告が必要なのに無申告のままでは、税務署員がやってきて税務調査が入り、無申告加算税が課される可能性があります。

本記事では、これまで多くの物販事業者や税理士に取材してきた私が、メルカリで確定申告が必要になる基準や、税務調査の対処法について解説します。


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メルカリで稼いだら確定申告はしないといけない?

不用品販売なら確定申告が不要だったと思ったけど

でも、せどり・転売と不用品販売は、税務署でどうやって見分けるの?

たしかに、、、

メルカリの利益については、「何を売ったか」「いくら稼いだか」によって、確定申告の必要性が変わってきます。

何を売ったかというのは、不用品なのか、事業目的の商品(せどり・転売、ハンドメイド商品など)なのか、ということです。

いくら稼いだか、というのは副業なのか、専業なのかによって変わってきます。

【例外あり】不用品販売なら確定申告は不要

家にある不用品を売っただけであれば、原則として確定申告は不要です。

洋服や生活用品等の不要品を売却した収入は、所得税の課されない譲渡所得となるため基本的に課税されません。

詳細は国税庁HP、最寄りの税務署、もしくは税理士の方にご確認ください。

※メルカリヘルプセンター「メルカリの売上は確定申告が必要ですか?

国税庁の規定でも、生活用動産(洋服、家具、本など、生活に必要なもの)の譲渡による所得は明確に非課税となっています。

資産の譲渡による所得のうち、次の所得については課税されません。

(1)生活用動産の譲渡による所得

家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産の譲渡による所得です。

ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は除きます。

※国税庁「No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法」より抜粋

着なくなった古着、読み終わった本、子どもが遊ばなくなったおもちゃ、使わなくなった家電・家具など、不用品と呼べる商品をメルカリで販売した場合は非課税になります。

もちろん、メルカリに限らず、ヤフオク、ラクマ、Amazon、リサイクルショップなどの場合も同様です。

しかし、上記の国税庁公式サイトの記載にあるように、1点30万円を超える貴金属や骨董品などを売った場合は課税対象になります。

高価な商品を処分する際は、忘れずに申告するようにしてください。

物販事業で副業所得20万円以上なら確定申告が必要

副業で物販事業を行っており、年間の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。

メルカリの場合は、せどり・転売やハンドメイド作品の販売などが当てはまります。

注意したいのは、年間の売上が20万円ではなく、所得が20万円を超えた場合に確定申告が必要である点です。

所得=売上-(仕入れ代金+経費)

この計算式にある通り、年間の売上が100万円でも、仕入れなどで90万円かかっていれば所得は10万円ですから、確定申告は不要になります。

ただ、年間所得20万円というのは、月利1~2万円稼いでいれば、あっという間に達成する額です。

副業をしている人であれば、確定申告が必要なラインに達していることが多いので注意してください。

せどり・転売の確定申告については、以下の記事をご覧ください。

せどりの確定申告

【2025年12月以降】物販事業専業で所得58~95万円を超えるなら確定申告が必要

会社員ではなく、専業としてメルカリ物販を行っている場合は、確定申告が必要となる基準が変わります。

また、この点については、2025年12月以降、税制が変わっている点も注意が必要です。

2024年までは、物販専業の場合、年間の所得が48万円を超えていれば確定申告が必要でした。

しかし、2025年以降は、次のように基礎控除額が段階的に引き上げられます。

合計所得金額改正後(2025~2026年)改正後(2027年以降)改正前
132万円以下95万円95万円48万円
132万円超 336万円以下88万円58万円48万円
336万円超 489万円以下68万円58万円48万円
489万円超 655万円以下63万円58万円48万円
655万円超2,350万円以下58万円58万円48万円

※国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」を元に作成

上の表は、あくまで合計所得金額ですから、事業所得だけでなく、給与所得や配当所得も含まれます。

つまり、確定申告不要の基準が人によって変わりますが、物販事業専業で年間所得95万円以下であれば、非課税ということになります。

しかし、配当所得など、他の所得もある場合は、年間所得58万円を超えた時点で確定申告が必要かもしれません。

不用品販売と物販事業の違いはどう判断される?

自分の服を売っただけと言い張れば、無申告でもバレないのでは?

そう考える方もいるかもしれませんが、税務署が調べれば簡単に営利目的であると見抜かれます。

具体的には、税務署は次のポイントで事業性を判断していきます。

  • 継続性:毎月コンスタントに収入がないか
  • 反復性:同じ商品を何度も出品していないか
  • 取引量:事業目的に相当する取引量ではないか

例えば、サイズ違いの新品のスニーカーを何足も出品していたり、同じ化粧品を大量に売っていたりすれば、不用品販売というのは不自然です。

同じ商品でなくても、明らかに出品している商品の量が、常識的に不用品販売を超えるものであれば、やはり営利目的と判断されます。

税務調査では上記のようなことはすぐに調べられるので、基本的にごまかすことができないと考えていいでしょう。

【参考】赤字でも確定申告はした方がいい

稼ぐどころか、不良在庫を多く抱えて赤字だった、、、

という人でも、なるべく確定申告を行いましょう。

開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出していることが前提となりますが、赤字の場合は確定申告した方が節税対策になるからです。

具体的には、事業所得を赤字として青色申告することで、本業で発生する所得税と損益通算ができて、税金が安くなります。

また、赤字は3年間繰り越すことも可能なので、翌年以降に物販が軌道に乗って黒字になった場合、税金負担が少なくなります。

以上のことから、最初は面倒くさいと感じるかもしれませんが、「副業をしている⇒確定申告をする」と考えた方がいいでしょう。

メルカリで稼いだせどらー・転売ヤーに税務署員はやってくる?

会社員の副業で、しかもメルカリのような個人の小さな取引で税務署がやってくることはないだろう

と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。

たしかに、法人と比べると、個人事業主に税務調査が入る確率は高くありません。

しかし、確率は低いとはいえ、税務調査が入ることは毎年想定されます。

長い人生で、1回は税務調査が入ってもおかしくないと考えて、事業所得があるなら無申告は絶対に避けるべきです。

せどらー・転売ヤーの税務調査は十分あり得る

せどらー・転売ヤーの税務調査は十分あり得る話で、特にコロナ禍以降、無申告や申告漏れが相次いでいると言われています。

読売新聞オンラインより抜粋

具体的には、税務署は、次のことを簡単に調べることができるので、過去の取引履歴を洗い出すことが可能です。

  • 銀行口座の入出金記録やクレジットカードの利用履歴
  • メルカリ等のプラットフォームへの照会

上記のことを調べれば、「誰がどのくらい稼いでいて、正しく確定申告はされているか」といったことはわかります。

なお、税務調査が入る確率と、メルカリでの取引回数は特に関係ありません。

「少しくらい大丈夫だろう」と考えることが一番危ないと考えておきましょう。

無申告で税務調査がやってきたらほぼ勝ち目はない

もし、無申告の状態で税務調査が入ったら、ほぼ勝ち目はありません。

先ほどもお伝えしたように、税務調査官は銀行やクレジットカード、メルカリの照会などで客観的に無申告の事実を揃えてきます。

税務調査をされる側は、税務調査官に反論できるだけの資料を整えておかないといけませんが、無申告の場合は、ほぼ無理です。

ただ、税務調査に強い税理士と相談したり、迅速な修正申告を済ましたりするようにすれば、ペナルティを減らせる可能性はあります。

無申告や過少申告なら追徴課税が課される

税務調査の結果、無申告や過少申告が発覚すると、本来払うべき税金に加えて、ペナルティとして、次の税金が課されます。

過少申告加算税無申告加算税重加算税
概要所得を少なく申告する確定申告をしていない悪質な仮装・隠蔽がある
税務調査後申告10~15%15~30%35~40%
調査通知後申告5~10%10~25%
調査通知前申告0%5%

上記のように、税務調査で指摘されるよりも先に修正申告を済ませておくと加算税が軽減できます。

税務調査はいずれはやってくるものと考えて、無申告や申告ミスが発覚した場合は、速やかに修正申告をしておくといいでしょう。

なお、一番ペナルティが重いのは重加算税ですが、これはよほど意図的な所得隠しなど、悪質な行為が発覚した際に課される加算税です。

悪質な脱税行為をしておらず、単なる申告ミスの場合は、過少申告加算税か無申告加算税になります。

また、申告漏れがあった場合は、加算税に加えて延滞税も課されます。

延滞税とは、確定申告の期限までに支払われるべき税金を納付していない場合に、不足分に対して課税される税金です。

延滞税の計算方法は複雑なので詳細は割愛しますが、期限を過ぎた日数分の利息がかかってきます。

利息は年9~14%程度で、遅延すればするほど延滞税負担は大きくなるので、やはり気付いた時点で速やかに修正申告することが大切です。

※延滞税の計算方法の詳細は、国税庁の公式サイトを確認してください。

⇒⇒⇒国税庁「延滞税の計算方法」より抜粋

メルカリで稼いで税務署から連絡が来たら?

もし、メルカリで稼いでいて、税務署から連絡が来た場合(税務調査の通知)の対応方法をお伝えします。

税務調査の通知が来たらかなり焦るのも無理ないですが、次のことを頭に入れて冷静な対応をしましょう。

税務調査を拒否することはできない

税務調査は、原則拒否することができません。

多くの人にあてはまる任意調査は法的な強制力はないものの、正当な理由なく拒否すると罰則の対象になることがあります。

第百二十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第二十三条第三項(更正の請求)に規定する更正請求書に偽りの記載をして税務署長に提出した者
二 第七十四条の二、第七十四条の三(第二項を除く。)若しくは第七十四条の四から第七十四条の六まで(当該職員の質問検査権)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査、採取、移動の禁止若しくは封かんの実施を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
三 第七十四条の二から第七十四条の六まで又は第七十四条の七の二(特定事業者等への報告の求め)の規定による物件の提示若しくは提出又は報告の要求に対し、正当な理由がなくこれに応じず、又は偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類その他の物件(その写しを含む。)を提示し、若しくは提出し、若しくは偽りの報告をした者

国税通則法第128条より抜粋

税務調査は、国税通則法で、税務調査官の質問や帳簿書類の確認などに対して、原則応じなければいけない受任義務というものがあります。

税務調査は焦って、つい拒否したくなりますが、調査には協力する意思を見せないといけません。

税務調査の日程は遠慮なく調整する

税務調査は、拒否することはできませんが、実施日程の調整は可能です。

税務調査というと、マルサ(国税局査察部)が予告なく裁判所の令状を持ってきて、一斉に立入調査が行われるイメージを持つかもしれません。

しかし、それはよほど脱税行為が疑われ、刑事事件として立件することを見据えて行われる強制捜査のことです。

多くの場合は、税務署の調査官によって行われる任意調査です。

任意調査は拒否することはできませんが、事前通知が行われ、日程調整が可能です。

むしろ、突然税務調査官がやってきても、スムーズに税務調査対応ができない場合は、日程調整は必ず行うべきです。

顧問税理士と相談のうえ、税務調査に立ち会える日程を調整して、当日までに必要な帳簿書類の整理を行うなど、できる限りの対応をしましょう。

税務調査が得意な税理士に相談する

税務調査では、顧問税理士が立ち会うケースがほとんどです。

税理士がいなくても税務調査は可能ですが、税理士報酬が不要な反面、税務署とのやり取りに多大な時間と労力がかかります。

また、税理士がいないことで、明確な根拠資料を示したりすることができないなど、税務調査が不利に進む可能性が高いです。

基本的には税理士と相談した方が安心して税務調査を進めることができます。

しかし、すべての税理士が税務調査に強いわけではない点は注意しなければいけません。

もし、税務調査経験があまりない税理士であれば、顧問の変更も考えた方がいいでしょう。

現在顧問税理士がいない人は、「税務調査 税理士」などで検索して、税務調査に強い税理士を探してください。

できれば、物販ビジネスに強い税理士を選ぶのが理想です。

税務調査経験が豊富な税理士と相談して、税務調査までに必要書類を準備して、当日の対応をシミュレーションしておきましょう。

その際、無申告や過少申告が発覚した場合は、税務調査実施前に修正申告をすることで加算税を軽減することができます。

税務調査当日3つの重要ポイント

最後に、税務調査当日の重要ポイントについてもお伝えします。

税理士と相談しながら準備を進めることを前提として、次の点は意識するようにしましょう。

時間稼ぎをするのは逆効果になる

税務調査では、のらりくらりと時間を稼いで、調査官に深く追求される前に終わらせよう

なんてことを考える人がいますが、ほとんど意味がありません。

税務調査官によっては、「何かあるな」と勘づいたり、「何か見つけてやろう」と意地になったりすることもあるので、むしろ逆効果です。

また、帳簿書類をわざと整理せず、雑に用意しておくのも意味がありません。

税務調査に時間がかかり、1日で終わる予定が2日かかるようになってしまうだけです。

必要な書類は事前に整理して、税務調査官の質問には、即答できないこと以外はすぐに回答してスムーズな税務調査を心がけましょう。

確認すべき項目をすべてチェックしたら、税務調査が予定より早く終わることも珍しくありません。

税務調査官に聞かれたことだけ話す

税務調査当日は、調査官に聞かれたことだけを話すようにして、余計なことは話さないようにしましょう。

隠し事をするのはNGですが、余計なことを延々と話すのは、税務調査官の印象が良くありません。

場合によっては、かえって腹を探られてしまい、税務調査が長引く可能性があります。

多くの税務調査官も、本音では早く帰りたいと思っているので、聞かれた質問にだけ簡潔に答えて淡々と税務調査を進めましょう。

即答できないことは無理に答えないこと

税務調査官に質問されたことは、基本的にはすぐに回答した方が、早く税務調査が終わります。

しかし、即答できないことは、「〇〇だったと思います」と無理に答えないようにしましょう。

適当に答えてしまうと、余計に詮索をされてしまうなど、税務調査が不利に働くかもしれません。

税務調査は、確認に時間がかかることであれば、後日回答することもできます。

曖昧な回答は避けて、後で時間をかけて明確な答えを示すようにしましょう。

最後に

以上、メルカリの確定申告の基準や、税務署がやってきた場合の対応方法などをお伝えしました。

メルカリで得た利益は、不用品販売は確定申告が不要ですが、せどり・転売やハンドメイド作品の販売の場合は所得次第で必要です。

もし、せどり・転売で大きな利益があるのに無申告だった場合は、税務調査で追徴課税が発生する可能性があります。

「これは不用品を売っただけです!」と言い張っても、税務署は銀行やクレジットカードの記録や、メルカリの照会で嘘だと発覚します。

メルカリでせどり・転売を行うのも立派な事業なので、開業届・青色申告承認申請書を提出して、毎年確定申告するようにしましょう。

せどりで開業届は必要?

本記事を最後までご覧いただきありがとうございました。


 

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ABOUT US
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石井裕
1979年新潟県出身、東北大学大学院工学研究科修士課程卒。
原子力技術者として13年勤務。

趣味で書き始めたブログから収入を得られたことをきっかけに、密かに夢に抱いていたライターとして起業。
マニアックな好奇心と探究心から生まれる徹底した取材で、商品・サービスの隠れた魅力を言語化することを武器としている。

特に物販事業について専門的な知識を有しており、2018年より、EC STARs Labのコンテンツ制作および活動に深く関わっている。

県境をまたぐマニアックな趣味を持ち、2009年『県境マニア』を出版。
以降TBSの「ゴロウ・デラックス」「マツコの知らない世界」、テレビ東京「たけしのニッポンのミカタ!」などメディア出演多数。