

ラクマはメルカリに次ぐ規模のフリマアプリで、楽天ユーザーを中心に人気です。
ラクマは、楽天IDさえ持っていれば簡単に出品者登録ができるし、初期費用と月額費用もかからないので、せどりに取り組むなら登録しておいた方がいいでしょう。
そうは言っても、メルカリやAmazonと同様、販路として使えるかどうかは多くの方が気にするところではないかと思います。
そこで、今回はラクマせどりの概要と、メルカリとAmazonとの比較について解説します。
ラクマせどりに興味のある方は最後までご覧ください。

ラクマせどり5つの特徴

まずはラクマせどりの概要についてお伝えします。
ラクマは楽天が運営するフリマアプリであり、消費者は楽天ポイントが使えます。
そのためメルカリに比べると、楽天ユーザーの消費者が多いのが特徴です。
メルカリ同様にスマホで手軽に始められるせどりである
ラクマは、メルカリ同様に不用品販売を前提としたフリマアプリで、スマホで手軽に始められます。
楽天IDさえ持っていれば、無料で簡単にアカウント登録できますし、スマホアプリの使い方も難しくありません。
また、これもメルカリ同様ですが、匿名配送ができるので、個人情報を相手に知らせたくないという方に対して販売の心理的ハードルを下げることができます。

※ラクマ公式サイト「匿名配送とは」より抜粋
ただし、匿名配送の場合は、配送手段が限られる点に注意が必要です(この点もメルカリと一緒ですね)。
かんたんラクマパック以外の配送方法を設定して取引が開始された場合、匿名配送の対象にはなりません。
そのため、購入者の支払い完了後に配送方法を「かんたんラクマパック」へ変更した場合には、出品者の取引ページ上に配送先住所が表示されます。
※送り状伝票も双方の情報が印字されます。※ラクマ公式サイト「匿名配送とは」より抜粋
メルカリよりも楽天ユーザーから商品が買われやすい
メルカリとラクマでは、売れる商品や仕入れ先には大きな違いはありません。
ただ、消費者の属性には若干違いがあり、ラクマの場合は楽天ユーザーが多いところがあります。
これは、ラクマが楽天ポイントを使って買い物できるため、楽天ユーザーがお得に商品を購入できることが要因です。
つまり、メルカリとラクマで同じ商品が、同じ価格で販売されていた場合は、ポイントが使えるラクマの商品が選ばれやすくなります。

つまり、ラクマはメルカリとは違った消費者層を取り込むことができるのです。
無料で簡単に登録できるので、メルカリアカウントだけでなく、ラクマアカウントも持っておいた方がいいでしょう。
メルカリ同様に写真撮影や商品説明の記載が売れ行きを左右する
メルカリ同様に、ラクマも商品ページを作成する必要があるため、写真撮影や商品説明文の記載が、売れ行きを左右します。
メルカリと同じ要領で、商品状態がわかるように見栄えよく商品写真を撮影したり、説明文を丁寧に記載したりすることが求められます。
初期費用・月額費用無料で販売手数料が4.5~10%である
ラクマは、登録時の初期費用や月額利用料がかからず、商品が売れた際に4.5~10%の販売手数料がかかります。
以前はラクマの販売手数料は6.6%でしたが、2023年8月より、販売実績により販売手数料が変動する仕組みに改定されました。
具体的には、1ヶ月間の「合計販売回数」と「合計販売金額」に応じて、次のように販売手数料が確定します。
販売手数料 | 合計販売回数 | 合計販売金額 |
10% | 0~3回 | 0~4,999円 |
9% | 4~5回 | 5,000~9,999円 |
8% | 6~7回 | 10,000~29,999円 |
7% | 8~9回 | 30,000~49,999円 |
6% | 10回以上 | 50,000~99,999円 |
4.5% | 100,000円以上 |
※ラクマ公式サイト「販売手数料とは」を元に作成
ラクマは販売実績が多いほど販売手数料が安くなり、トータルの利益率が高くなる仕組みになっています。
なお、販売手数料の実績判定は前月26~当月25日までで、翌26日に販売手数料が確定し、翌月1日~月末まで適用されるようになっています。

※ラクマ公式サイト「販売手数料とは」より抜粋
ラクマの禁止行為に注意する
ラクマの規約上の禁止行為・出品禁止商品については、メルカリやAmazonと同様の箇所が多いです。
ただラクマの場合は、特に次の点に注意した方がいいでしょう。
- 同一の商品または類似の商品を大量に出品すること
- 自然災害や事故の際に通常の市場価格に比較して著しく高い価格で出品する行為
- 無在庫転売の禁止(=手元にない商品の販売禁止)
つまり、ラクマは同一・類似の商品を大量に仕入れて、販売することが禁じられているのです。
メルカリでも、同一商品の大量出品は圏外飛ばし(消費者が検索しても出品商品が見つからないペナルティ)の可能性がありますが、ラクマの場合は明確に禁止されています。
そもそも、何個も商品ページを作成して販売することは労力がかかるので、同一商品を複数個販売する場合は、相乗り販売ができるAmazonの方が向いています。
もう1つ注意したい点が、「自然災害や事故の際に通常の市場価格に比較して著しく高い価格で出品する行為」の禁止です。
例えば、2020年のコロナ禍でマスクが品薄となり、メルカリやラクマで高額転売されていたのは記憶に新しいと思います。
コロナ禍のマスクの高額転売は、一時期法律で禁止されるほど問題になりました。
このケースのように、ラクマでは自然災害や事故で不足になりがちな商品を高額転売することを禁止しているのです。
自然災害や事故(地震・大雪・感染症の流行など)に際し、生活必需品や当該状況下で必要と思われる物品(水、乾電池、マスク、除雪スコップなどの物品をいいますが、これらに限りません)に関し、通常の市場価格に比較し著しく高い価格を設定して販売するような行為は、ユーザーの窮状に乗じていることになり、悪質性が強いものと考えます。
※ラクマ公式サイト「ラクマのルール」より抜粋
ラクマの規約上の禁止行為・出品禁止商品の詳細については、ラクマ公式サイトをご覧ください。
どれがいい?ラクマ・メルカリ・Amazon徹底比較

次に、せどりを行ううえで、ラクマ、メルカリ、Amazonそれぞれの違いについてお伝えします。
せどりをするのであれば、ラクマ、メルカリ、Amazonそれぞれ登録しておくことをおすすめしますが、違いについては次表の通りです。
ラクマ | メルカリ | Amazon | |
利用手数料 | ◎ | 〇 | △ |
集客力 | △(楽天ユーザーに強い) | 〇 | ◎ |
ライバルの数 | 〇 | △ | △ |
商品保管の要否 | ×(必要) | ×(必要) | 〇(不要) |
出品作業の手間 | ×(多い) | ×(多い) | 〇(少ない) |
発送作業の手間 | ×(多い) | ×(多い) | 〇(少ない) |
カスタマー対応の手間 | ×(多い) | ×(多い) | 〇(少ない) |
出品規制 | 〇(少ない) | 〇(少ない) | ×(多い) |
販売商品の多様さ | ◎ | ◎ | 〇 |
売れ行きの予測 | ×(不可) | ×(不可) | 〇(可能) |
以下、詳しく解説します。
利用手数料
利用手数料では、安さの順番ではラクマ>メルカリ>Amazonといったところでしょう。
具体的に比較すると次の通りです。
ラクマ | メルカリ | Amazon | |
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額利用料 | 無料 | 無料 | 4,900円(税抜)(大口出品のみ) |
販売手数料 | 4.5~10%(販売実績による) | 10% | 8~15%(商品カテゴリーによる) |
その他手数料 | ー | ー | FBA手数料あり |
上記のように、ラクマは月額費用がかからず、販売手数料も販売実績によりますがメルカリやAmazonに比べると安価です。
ただ、商品によって送料が変わってくるので、利益率を計算してみるとAmazonの方が良かったということも少なくありません。
そのため、利用手数料が安価だからといって必ずしもラクマが良いとは言い切れないところがあります。
なお、ラクマやメルカリに比べるとAmazonの手数料体系は複雑なので、FBA料金シミュレーターなどで利益計算できるので、そこまで心配は不要です。
詳細を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
集客力・売れやすさ
集客力・売れやすさという点では、Amazon>メルカリ>ラクマとなり、どうしてもラクマは劣ります。
ラクマ |
|
メルカリ |
|
Amazon |
|
※1:楽天ラクマダウンロードページより抜粋
※2:株式会社ヴァリューズ調べ
※3:株式会社メルカリ「2025年6月期決算説明資料」より抜粋
※4:株式会社インプレス調べ
※5:ニールセン調べ
上記のデータからも、ラクマは市場が小さく、出品してもメルカリやAmazonより商品が売れにくい傾向があります。
とはいえ、先ほどお伝えしたようにラクマは楽天ユーザーを取り込めるメリットがあります。
楽天市場や楽天トラベルなどを普段利用している人からの購入が期待できるので、アカウント登録はしておいた方がいいでしょう。
ライバル出品者の数
ライバル出品者の数は、市場に反比例するところがあり、ラクマが一番少ないです。
しかし、全体の利用者数も少ないので、売上はどうしてもメルカリやAmazonを下回ります。
在庫保管の要否
ラクマもメルカリも自宅の空きスペースなど、在庫保管スペースが必要です。
一方、AmazonはFBAというシステムを使えば、倉庫に在庫保管ができるので、在庫保管スペースが不要です。
Amazonの場合は、後述するように在庫管理、受注管理も不要になります。
※「AmazonのFBAとは何?」という方は、以下の記事をご覧ください。

倉庫までは持つ必要はありません。
ほとんどの場合、自宅の空きスペースでどうにかなります。
特にせどり初心者の方は、部屋から溢れるほど在庫を持つことはないでしょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
出品作業の手間
Amazonは、「1商品1商品ページ」のルールがあるため、既存の商品ページに相乗り出品するシステムです。そのため、せどりでは商品ページを作成する必要がありません。
一方、ラクマやメルカリは、商品ページを作成する必要があるので、写真撮影や商品説明の記載、商品タイトル付けなど出品作業が手間です。
売上に大きく左右しますし、規約を守って作成しなければいけないので、適当に作るわけにはいきません。
しかも、再出品や複数個販売のための機能がなく、同じ商品でも1点ずつ商品ページを作る必要があります。
ラクマもメルカリも、不用品販売を前提としており、せどりや転売には優しくない設計になっているのです。
ラクマやメルカリは手軽なイメージがありますが、数百円程度の利益のために毎回商品ページを作成することは、大きな労力負担と言えるでしょう。
発送作業の手間
ラクマやメルカリの場合は、毎回壊れないように丁寧に梱包して、お客様から注文があれば迅速に発送しなければいけません。

と思うかもしれませんが、平日会社員として働きながら、迅速に発送作業を行うことは大変です。
Amazonの場合は、AmazonのFBA倉庫に商品をまとめて預けてしまえば、お客様からの注文とともに自動で発送してくれます。
しかも、24時間対応で迅速に対応してくれるので安心です。
カスタマー対応の手間
ラクマやメルカリでは、消費者との値下げ交渉が前提となっており、何回かコミュニケーションを取らないといけません。
値下げ交渉NGとすることもできますが、ラクマもメルカリも値下げ交渉前提の文化があるので、商品が売れにくくなります。
しかも、消費者との返品・返金やクレーム対応は自分で行わなければならず、かなりストレスになることがあります。
Amazonにはフリマサイトのような機能はないので値下げ交渉はありませんし、クレームや返品返金対応もAmazon側で行ってくれます。
しかも、AmazonのFBA倉庫から消費者へ発送している間に商品が壊れたとしても、Amazon側の責任となるので、出品者側の対応は不要です。
Amazonのクレーム対応についての詳細は、以下の記事をご覧ください。
出品規制の有無
ラクマ、メルカリ、Amazonも法律に触れる商品など出品禁止商品がいくつか存在します。
⇒⇒⇒詳細はラクマ公式サイト「ラクマのルール」をご確認ください。
ただ、ラクマやメルカリは、出品禁止商品でなければ、どのジャンルでも問題なく販売できます。
一方、Amazonは出品規制が厳しく、許可申請を出して、承認されないと出品できない商品が多数あります。
Amazonは、特に出品規制の基準は公開していませんが、次のような商品は要注意です。
- アパレル系のブランド商品
- おもちゃ
- 家電
- コスメ etc
上記の商品カテゴリーについては、出品制限をかけているブランドやメーカーが多数あります。
出品許可申請を出せば出品できることもありますが、承認されない場合は、メルカリやラクマに出品するしかありません。
せどりの場合、請求書など出品規制解除に必要な書類を提示できないことが多いです。
特にアパレルブランドの出品規制はかなり厳しく、ラクマやメルカリに出品するケースが大半です。
また、商品ジャンルによっては、Amazonよりラクマやメルカリの方が売れやすいジャンルがあります。
例えば、ベビー・マタニティ用品やハンドメイド用の材料など、女性のニーズが高い商品はラクマやメルカリの方が売れやすい傾向にあります。
販売できる商品の多様さ
先にお伝えしたように、ラクマやメルカリはAmazonのような出品規制がないこともあり、より販売できる商品が多様にあります。
なかには、Amazonにはあまりないような面白い商品を販売できることもあります。
例えば、次のように路上で拾ったり、自宅でゴミとして捨てたりするような物でも、ラクマやメルカリで売れることがあります。
- 松ぼっくり
- 石ころ
- 貝殻
- セミやヘビの抜け殻
- トイレットペーパーやサランラップの芯
- ハイブランドの紙袋や空き箱 etc
このような仕入れ値ゼロで手に入る商品は、メルカリが有名ですがラクマでもかなり出品されています。


ちなみに、Amazonはこのような商品はほとんど出品されておらず、フリマサイトならではの商品と言えるでしょう。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
売れ行き予測のしやすさ
ラクマやメルカリでは、「この商品がどれくらい売れるか?」という予測ができるツールがなく、売れ行きが読めません。
同一・類似商品の出品者数や売れ行きから定性的に判断するしかありません。
Amazonの場合は、Keepaやキーゾンというツールを使えば、過去の月間販売個数や販売価格の推移がわかります。
ある程度の予測がしやすいので、「10個くらい仕入れるか」と仕入れ判断がしやすく、不良在庫リスクを軽減できます。
【結論】ラクマよりもメルカリよりもAmazonがおすすめ

結論からお伝えすると、次のことを理由にラクマよりもメルカリよりもAmazonを主販路としてせどりに取り組むことをおすすめします。
- 集客力が圧倒的に強い
- 商品保管、出品作業、発送作業、カスタマー対応をAmazonに任せられる
- 商品の売れ行きを予測して仕入れ判断しやすい
作業効率は圧倒的にAmazonの方が良いですし、商品も売れやすく、仕入れ判断でも間違いづらいのは大きなメリットです。
特にせどりで独立・起業したいという方は、Amazonを主販路にして取り組むといいでしょう。
ただ、商品ジャンルによっては、ラクマやメルカリの方が良いことがあります。
また、Amazonでは出品できない商品や、不良在庫になった商品の受け皿として、ラクマやメルカリのアカウントも作っておくことがおすすめです。
なお、メルカリとAmazonの比較については以下の記事をご覧ください。
最後に
ラクマせどりの概要と、メルカリやAmazonとの比較について解説しました。
ラクマは集客力はメルカリやAmazonに劣りますし、出品や発送作業もメルカリと同じくらい手間です。
ただ、メルカリやAmazonに比べて楽天ユーザーと相性が良いですし、販売手数料も安価です。
基本的にはAmazonを主販路とすることをおすすめしますが、初期費用も月額費用もかからないので、ラクマのアカウント登録はおすすめします。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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