さくらレビューというわけにもいかないからね。どうすればいいかな
Amazonで自社商品を販売する場合、高評価レビューの数がかなり売上に直結します。
具体的には、高評価レビューの数が増えれば消費者は「そんなに良いレビューなら買いたい」と思って購入します。
結果的にAmazonの検索順位も上がって露出が増えるので、ますます売れるという良いスパイラルになります。
しかし、問題はレビューをどうやって集めるかでしょう。
Amazonのガイドラインでは、言うまでもなくさくらレビューは禁止されており、違反すればAmazonアカウント閉鎖です。
しかし、例外的に商品を無償提供してレビューを直接依頼できる方法が1つだけあり、それが本記事でお伝えするAmazon Vine先取りプログラムです。
Amazonブランドレジストリの登録が済んでいて、自社商品のレビューを販売開始直後から集めて軌道に乗せていきたい方は最後までご覧ください。
目次
Amazon Vine 先取りプログラムとは?
まずは、Amazon Vine 先取りプログラムの概要や、利用条件、費用、利用方法についてお伝えします。
【概要】Amazonが選んだトップレビュアーにレビューを依頼できる
Amazon Vine先取りプログラムは、Vineメンバーと呼ばれるAmazon厳選のトップレビュアーにレビューを依頼できるプログラムです。
Amazon Vineとは、Amazonで最も信頼できるレビュアーを招待し、新商品についての意見を投稿してもらうプログラムのことです。これにより、購入者は十分な情報に基づいて商品の購入を決定することができます。 Amazonは、Amazonで購入した商品について投稿されたレビューを分析し、選定した購入者をAmazon Vineのレビュアー（Vineメンバー）になるよう招待します。このプログラムに参加している出品者は、Vineメンバーの特定のグループに商品を無料で提供し、商品のカスタマーレビューを投稿するよう依頼することができます。Amazon Vineに参加することで、商品の認知度を高め、在庫の回転率が遅い商品や新規のASINの売り上げを伸ばすことができます。また、出品者が出品する新商品について、購入者が十分な情報に基づいて決断を下すために役立ちます。
※Amazonセラーセントラル「Amazon Vine」より抜粋
Vineメンバーは、Amazonが認める実績のあるレビュアーなので、信憑性の高い詳細なレビューを書いてもらえます。
冒頭でお伝えした通り、Amazonで商品の露出を高め、かつ購買意欲を刺激するには高評価レビューを集めることがかなり重要です。
Vineメンバーに信憑性の高いレビューを書いてもらうことで、Amazon販売が軌道に乗りやすくなります。
ただ、Vineメンバーは常に公正な目線で商品を評価することが求められているので、常に高評価レビューをするわけではありません。
必ずしもVineメンバーにレビューを書いてもらうことが効果的とは限らない点に注意が必要です。
Amazonのレビュー欄には、上図のように、Vineメンバーのレビューであることがわかるような表示がされています。
消費者は、評価の良し悪しに関係なく、一般のレビューよりベストレビュアーのレビューを信用します。
高評価であっても低評価であっても、一般レビューよりインパクトのあるレビューを集めることができるのがAmazon Vine 先取りプログラムです。
【利用条件】ブランドレジストリに登録していてレビュー数が30件未満であること
Amazon Vine 先取りプログラムを利用できる条件は、簡単に言うと「Amazonブランドレジストリに登録していてレビュー数が30件未満」であることです。
以下は、Amazon Vineの参加に必要な前提条件です。
- Brand Registryで登録済みのブランドに対するブランド代表者または再販業者の役割が割り当てられている
- 商品詳細ページのレビュー数が30件未満である
- コンディションが「新品」の購入可能なFBA出品商品がある
- アダルト商品、デジタル商品、重くてかさばる商品ではないこと
- Amazon Vine登録時に出品を開始している
- 販売可能な在庫がある商品を出品中である
- 商品の画像と説明がある
※Amazonセラーセントラル「Amazon Vine」より抜粋
すでにブランドレジストリに登録していて、これから自社商品を出品する人は、十分検討の余地のあるプログラムです。
Amazonブランドレジストリの登録については、以下の記事をご覧ください。
【費用】1親ASINごとに登録手数料が最大22,000円かかる
Amazon Vine 先取りプログラムについては、1親ASINごとに以下の登録手数料がかかります。
| 登録済みの商品数 | 登録手数料 |
| 1～2点 | 0円 |
| 3～10点 | 10,000円 |
| 11～30点 | 22,000円 |
※Amazonセラーセントラル「Amazon Vine」より抜粋
しかし、登録後90日経過してもレビューがなかった場合、登録手数料は請求されません。
【利用方法】セラーセントラルの画面からAmazon Vineメンバーにレビューを依頼する
利用条件を満たしていれば、AmazonのセラーセントラルからVineメンバーへのレビュー依頼ができます。
①まずはAmazonセラーセントラルにログインして、「広告」⇒「Amazon Vine」と進みます。
②Amazon Vineの管理画面が出てくるので、利用したい商品のASINを検索します。
③商品が決まったら、登録したいユニット数を入力したら登録は完了です(最大30)。
④登録が終わったら、Amazon Vineの管理画面よりステータスの確認をしましょう。
Amazon Vineメンバーにレビューを依頼する4つのメリット
Amazonが厳選したベストレビュアーであるVineメンバーにレビューを依頼するメリットを解説します。
EC STARs Lab.のメンバーでも結構Amazon Vineを利用している人は多いですが、次のようなメリットがあるためです。
短期間で信憑性の高いレビューを集めることができる
Amazon Vineを利用することで、短期間で、顧客の参考になる信憑性の高いレビューを集めることができます。
Amazon Vineを利用しなくても、そこそこ注文数が増えていけば自然とレビューは集まることは多いです。
ただ、必ずしもそのような好循環になるとは限りませんし、一般レビューの信憑性はAmazon Vineほどではありません。
また、Vineメンバーのレビューは、たった1つでも購買率に影響することがあります。
一般レビューはそこまでのインパクトは期待できないでしょう。
発売直後から質の高いレビューを集めたい人には利用価値は十分あります。
高評価レビューが集まると購買率が上がる
高評価レビューが多いと、購買率が上がるのはもちろんですが、Vineメンバーの場合は特にインパクトが強くなります。
一般的に、商品にネガティブな感情を持った人ほどレビューを書き込む傾向があるので、説得力の高い高評価レビューが最初からあるのは貴重です。
商品が売れやすくなることで結果的に検索順位が上がる
冒頭でお伝えしたように、商品が売れやすくなることで、結果的にAmazon内の検索順位が上がりやすくなります。
Amazon SEOの明確な基準は公開されていませんが、高評価レビューが多いとAmazonの検索エンジンの評価に影響を与えると言われています。
実際、レビューが増えてくると、ほとんどの場合Amazonの露出も増えてますます注文が増える好循環になります。
発売開始直後からVineメンバーのレビューを集めておくことで、スポンサープロダクト広告に頼らなくても早めに検索上位に露出することも少なくありません。
商品改善のヒントになる
Vineメンバーのレビューは、必ずしも商品内容を高く評価するレビューになるとは限りません。
場合によっては、説得力のある低評価レビューをもらい、逆効果になることがあるのはAmazon Vine先取りプログラムのデメリットと言えます。
しかし、「もっと〇〇にすれば良かったのに」という問題点を具体的に指摘してくれることがあるので、商品改善のヒントを得られることがあります。
Vineメンバーのレビューは、高評価でも低評価でも、一般レビュアーによくある感情的なレビューではなく、理路整然と詳しく記載してくれます。
今後、次世代モデルを開発して販売する予定がある場合は、より売れる商品づくりに活かすことができるでしょう。
捉え方次第では、厳しい評価であってもプラスに捉えることができます。
Amazon Vineメンバーにレビューを依頼する4つのデメリット
Vineメンバーにレビューを依頼することは、メリットだけでなくデメリットもあります。
必ずしもVineメンバーにレビューをもらったからといって、売上増大に繋がるとは限らない点に注意しましょう。
登録手数料がかかる
Amazon Vine先取りプログラムには、費用面で様々なデメリットがありますが、1つが上記のような登録手数料が発生する点です。
もし、期待したようなレビューが返ってこなければ、費用対効果に見合わないばかりか、逆効果になることもあります。
後述するように、Amazon Vineを利用する場合は、ある程度高評価を得られる自信のある商品に絞る必要があるでしょう。
無償で商品を提供するので原価分の費用がかかる
Vineメンバーに無償で商品を提供しなければいけないので、特に原価が高い商品に関しては、経費を圧迫してしまう可能性があります。
ご自身の予算を考慮して、レビューの依頼数を検討しなければいけません。
特に原価が高い高単価商品については注意してください。
ただ、場合によっては、無償提供分は、仕入れ代金を差し引いてもらえることもあるので、生産メーカーと相談・交渉してみても良いでしょう。
無理にお願いすることは避けた方が良いですが、比較的浸透している商習慣ではあります。
低評価レビューが集まり逆効果になるリスクがある
Vineメンバーが必ずしても高評価をしてくれるとは限らず、商品力次第では低評価レビューが集まり、販促上逆効果になってしまうリスクがあります。
登録手数料や無償提供分の費用をかけても、かえって逆効果になる可能性があるのが、Amazon Vine 先取りプログラムの大きなデメリットです。
レビューが行われないことがある
Amazon Vineでは、1親ASINあたり最大30人までレビューを依頼できますが、実は全員がレビューを行うとは限りません。
というのも、Vineメンバーであっても、レビューすることは強制されていません。
レビューを書かなければ、Amazon Vineから外される可能性が高いので、ほとんどのVineメンバーはレビューを書いてくれます。
ただ、なかにはレビューを書いてくれないVineメンバーもいるという点は理解しておいてください。
また、タイミングも指定することができず、すぐにレビューを書いてくれるとは限りません。
特にクリスマスや夏休みに需要のある季節商品は注意する必要があります。
なお、90日経過してもVineメンバーからレビューがなかった場合は、登録手数料は発生しません。
Amazon Vine先取りプログラム3つの有効活用のコツ
Amazon Vine先取りプログラムは、メリットもあればデメリットもある点は理解して利用しなければいけません。
メリット・デメリットを踏まえて、Amazon Vine先取りプログラムを有効活用するコツをお伝えします。
好意的なレビューを期待できる商品を選ぶ
Vineメンバーから、なるべく高評価レビューが期待できる商品を選びましょう。
例えば、Amazon以外でもYahoo!ショッピングや楽天市場でも出品しており、高評価を得ているような商品です。
Amazon限定の販売商品であれば、判断基準は難しいですが、できるだけ広く受け入れられている商品を選んだ方が良いでしょう。
もしくは、他の類似商品との差別化がうまく図れて、機能的に魅力のある商品力の高い商品です。
一方、革新的ではあるが、ややAmazonではあまり見られない個性的な商品の場合は、賛否が分かれやすく低評価リスクがあります。
この商品を自社ブランドの主力商品にしたい！
という商品に対して、Amazon Vine先取りプログラムを利用するようにしましょう。
商品の詳細なフィードバックが欲しい商品を選ぶ
ややリスクを伴いますが、商品の詳細なフィードバックをもらい、商品改善のヒントに繋げたい場合にAmazon Vineを利用する手もあります。
Vineメンバーは、商品の良かった点と悪かった点を詳細にレビューしてくれるので、商品改善のヒントに繋がることが多いです。
今後もシリーズ化していきたい商品の場合は、Amazon Vineを利用する価値があるでしょう。
商品ページでAmazon Vineメンバーに記載してほしい特徴を記載しておく
Vineメンバーから期待しているレビューが欲しい場合は、商品ページでレビューを期待しているベネフィット等を記載しておくと良いでしょう。
Vineメンバーは、商品選びやレビューを書く際、Amazonの商品ページの記載内容を参考にする傾向があるからです。
Amazonブランドレジストリに登録しておけば、商品紹介コンテンツ(A+)も利用できるので、商品の魅力が伝わるようにしましょう。
ただし、本来の商品力以上のことを記載してしまうと、
商品ページで〇〇と記載されていたけど、たいして良くなかった
〇〇書いてあったけど、決してそんなことはなく期待外れだった
という厳しい評価をされる可能性がある点は注意しましょう。
Amazon Vine先取りプログラムを利用する場合の3つの注意点
次に、Amazon Vine先取りプログラムを利用する際の注意点をお伝えします。
次の点は注意してAmazon Vineを利用していきましょう。
1つのASINにつき1回しか登録できない
Amazon Vine先取りプログラムでは、ASIN1つで1回しか登録できません。
もし、一度登録してキャンセルした商品の場合でも、レビューが集まらなかった場合でも再登録することはできません。
また、「最初は無料の1～2点で登録して、あとで11～30点に引き上げよう」といったことも不可です。
1度の登録で確実に期待しているレビューをもらえるように、Amazon Vineを利用する商品選びを慎重に行い、商品ページを作成しましょう。
Amazon Vine 先取りプログラムはやり直しが効かないので、事前準備が重要になってきます。
Amazon Vineメンバーの分までFBA在庫を確保しないといけない
Amazon Vine先取りプログラムに登録した商品は、Vineメンバーの分も含めて、通常商品と同様の在庫に含まれます。
Amazon Vineで利用される分を考慮したうえで、FBAの在庫を確保しておく必要があります。
せっかく高評価レビューを獲得しても在庫切れを起こすと販売機会を逸してしまいますし、Amazon SEO上もマイナスになり、露出も減ります。
在庫切れを起こさないように管理しましょう。
また、自己発送の場合でも、Vineメンバーに依頼する分だけは、FBA納品する必要があるので注意してください。
Amazon Vineメンバーと直接連絡をしないこと
Vineメンバーと直接連絡を取ることは認められていません。
Vineメンバーと直接連絡を取るようなことをすると、当該商品がVineから外されるだけでなく、最悪同一ブランド商品すべてがVineから外されることになります。
例えば、低評価レビューをしたVineメンバーへ接触を試みるといったことはできません。
あくまでAmazon Vine先取りプログラムは公正なレビューを獲得するものなので、不正行為は絶対にやめましょう。
Amazon Vine先取りプログラム以外のレビューの集め方
なお、Amazonレビューを集める方法は、Amazon Vineだけではありません。
次の方法でレビューを集める方法もあります。
レビューリクエストをする
セラーセントラルの管理画面から、商品を注文した消費者にレビューリクエストをすることができます。
レビューリクエストする手順は次の通りです。
- Amazonのセラーセントラルにログインをする
- 注文⇒注文管理⇒注文の詳細をクリックする
- 「レビューをリクエスト」というボタンをクリックする
これだけです。
注文のお届け日5～30日の間に、1回の注文のうち1回だけレビューリクエストができます。
レビューをリクエストすると、商品レビューおよび出品者評価のリクエストのメールが購入者に送信されるようになっています。
特に発売開始直後は、積極的にレビューを集めるために、活用した方が良いでしょう。
もちろん、低評価レビューを付けられるリスクはありますし、Vineメンバーに比べるとレビューの質は落ちます。
それでも、高評価を期待できる商品や、力を入れたい商品は積極的に活用した方が良いでしょう。
なお、プライスターでは、自動的にレビューリクエストを送ってくれる機能があります。
いちいち手動でレビューリクエストする手間がないので、プライスターを利用している人は活用しましょう。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
タイムセールやクーポン発行を試みる
Amazonのタイムセールや、クーポン発行を試みる方法もあります。
直接レビューを依頼する方法ではないですが、単純に注文を増やすことでレビュー数も増やすというやり方です。
割引のお得感で消費者の印象が良くなり、高評価がつきやすいというメリットもあります。
発売開始直後のキャンペーンとして活用すると、レビューが集まりやすくなります。
ただし、利益率には十分注意して、逆ざやにならないようにしましょう。
最後に
以上、Amazon Vine先取りプログラムについてお伝えしました。
Amazon Vineは、信憑性の高いレビューを得られますが、高評価のときもあれば低評価のときもあります。
一長一短あるプログラムなので、高評価が期待できる商品や、今後シリーズ化していきたい商品に絞って利用することがおすすめです。
ブランドレジストリに登録しているなら、ぜひ利用を検討してみましょう。
なお、Amazon OEM販売に取り組んでいて、詳細なノウハウを知りたいという方は、「Amazon国内OEM完全ガイド」をご覧ください。
最後までご覧くださりありがとうございました。
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