Amazon広告は、商品の売れ行きを伸ばすにはとても有効です。
特に自社商品の販売をする際は、Amazon広告なくして成功することはできません。
しかし、Amazon広告と言えば気になるのは費用面です。
そこで、今回はAmazon広告の費用や費用対効果について解説します。
Amazon広告を利用したいが、費用面で不安のある方は最後までご覧ください。

目次
Amazon広告の課金方式と費用の目安

Amazon広告の課金方式は大きく分けると、クリック課金制(CPC)とvCPMの2つに分けられます。
クリック課金制(CPC) | 広告が1クリックされる度に課金される |
vCPM | 広告表示が1,000回に達す度に課金される |
いずれも、「最低でも〇〇円以上は必要」と、最低予算が設定されているわけではありません。
また、1日の広告予算の上限を設定できるので、「気付いたら広告費の出費がすごいことになっている!」と心配することもありません。
予算の上限に達すると広告を止められてしまうので、販売機会を失う恐れはあるものの、安心してAmazon広告を利用することは可能です。
vCPM方式は、広告表示を増やしたい場合には良いですが、クリックされなくても課金されるため、費用対効果が悪くなりがちです。
そのため、Amazonでは基本的にクリック課金制を選ぶと良いでしょう。
Amazon広告の課金方式と費用の目安は次の通りです。
広告の種類 | 課金方式 | 1クリックあたりの費用目安 | 費用対効果 |
スポンサープロダクト広告 | クリック課金 | 1クリック50円 | 〇 |
スポンサーブランド広告 | クリック課金、vCPM | 1クリック50円 | 〇 |
スポンサーディスプレイ広告 | クリック課金、vCPM | 1クリック100円~ | △ |
スポンサーTV広告 | vCPM | ー | △ |
多くの人がよく使うスポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告の1クリックあたりの費用は50円程度です。
商品内容や単価によってクリック単価は変わってきますが、基本的には50円前後と考えて良いでしょう。
スポンサーディスプレイ広告は、潜在顧客まで対象としており、ターゲット層が広いので費用対効果は悪い傾向にあります。
自社ブランドが育ってきたら利用するようにしましょう。
なお、それぞれの広告については、以下の記事を参考にしてください。
特に、大口出品であれば誰でも利用できるスポンサープロダクト広告は、必ず押さえておくようにしましょう。
Amazon広告の費用対効果が悪くなる5つの原因と対策

Amazon広告は、予算を自分で決められるとはいえ、費用対効果の良い運用をしたいものです。

30,000円も広告費かけて、2,000円くらいの商品が2個しか売れなかったことがあります
このように、費用対効果が悪いと、広告費で大きな赤字になってしまいます。
クリック課金制で費用対効果が悪いということは、それなりに広告の検索表示回数はあり、クリックはされているものの、購入率が悪いということです。
この点を踏まえて、Amazon広告の費用対効果が悪くなる原因と対策について解説します。
狙うキーワードが合っていない
Amazon広告でメインとなるスポンサープロダクト広告やスポンサーブランド広告は、基本的にキーワード検索してくる顕在顧客をターゲットにします。
ということは、狙う検索キーワードが間違っていると、購入されないということですが、間違ったキーワードには次のようなものがあります。
検索ボリュームのないキーワードである | ニーズがないので表示もクリックもされない |
競合が激しいキーワードである | ライバルに埋もれて表示もクリックもされない |
商品に適さないキーワードである | 表示はされるが、消費者が欲しい商品と違うので、購入されない |
このうち、検索ボリュームのないキーワードや、競合の多いキーワードは、そもそも消費者に露出しないので、費用対効果以前の問題です。
商品に適さないキーワードの場合は、表示はされるものの、消費者が欲しい商品と違うので、購入されることはありません。
つまり、表示されたり、クリックされたりしても購入されることはほとんどないので、費用対効果は悪くなります。
たまに、キーワード検索して、自分が欲しい商品と全然違う商品が出てくることがありますが、まさにその状態です。
上記のような事態を避けるためには、セラースプライトなどを使って狙うキーワードをしっかりと考えておくことが必要です。
- ベンチマークした商品がどんなキーワードで検索されているかを調べる(逆引きリサーチ)
- 特定のキーワードに関連した関連キーワードを調べる(キーワードマイニング)
- 商品カテゴリーで検索されているキーワードを調べる(キーワードリサーチ)
おそらく、上記3つの方法でキーワードを調べれば様々なキーワードが抽出されます。
もし、費用対効果が悪ければ、別のキーワードでも試してみると良いでしょう。
また、場合によっては、消費者のターゲット層を変えてキーワードを考え直す必要もあるかもしれません。
商品レビューなどを参考にして、次のようにキーワードを考え直しましょう。
ターゲットの考え方 | ターゲット変更例 | キーワード変更例 |
どんな人が商品を使うのか? | 子ども⇒大人 | 「水鉄砲」⇒「大人 水鉄砲」「水鉄砲 サバゲー」 |
いつ、どこで、どうやって使うか? | 家庭用グリル⇒キャンプで使用 | 「家庭用グリル」⇒「キャンプ グリル」 |
何を期待して、どんな不安を解決して商品を選ぶか? | 大容量⇒痛くない | 「水鉄砲 大容量」⇒「水鉄砲 痛くない」 |
このように、ターゲットを見直したり、深掘りしたりすることで、適切なキーワードが変わってきます。
消費者のニーズを捉えたキーワードほど、費用対効果は良くなっていきます。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
商品ページで魅力的な訴求ができていない
Amazon広告が表示されている、クリックもされている、でも購入率が低い場合は、商品に適さないキーワードで露出しているか、商品ページの訴求が低いかのいずれかです。
あくまで目安ですが、購入率が10%を切っていれば、キーワードか商品ページの見直しが必要になります。
特に商品ページの訴求力でインパクトが強いのは、商品画像です。
特にクリックされているのに購入率が悪ければ、商品画像の訴求が弱い可能性が高いです。
商品画像については、制約の大きい1枚目の画像と、2~7枚目の画像で分けて分析しましょう。
【1枚目の画像】
1枚目の画像は、白抜き(背景なし)、テキスト挿入不可という条件で、商品の写真を大きく鮮明に写さないといけません。
制約が大きいため、修正の余地がないように思われがちですが、意外と修正の余地があります。
例えば、商品写真ではなく、パッケージの写真にすることです。
パッケージの写真であれば、商品の魅力を表現したテキストが入っていることがあるので、訴求力が上がり購入率が上がるかもしれません。
また、ターゲット次第では、商品写真よりパッケージに変えた方が良いことがあります。
EC STARs Lab.代表の中村さんは、とあるお菓子を販売していましたが、商品画像の1枚目をお菓子の中身にしていました。
ある日、中村さんは商品レビューを調べてみたところ、ギフト用に購入している人が多いことに気付きました。
そこで、中村さんはギフト用のお菓子であることを示すために、商品画像をパッケージに変更しました。
すると、クリック率は2倍となり、購入率も上がったということです。
このように、自家用とギフト用など、ターゲットや用途を考え直すと、適切な商品画像が変わることは珍しくありません。
商品画像の1枚目は、商品検索画面にも表示されるため、購入率だけでなくクリック率にも大きく影響します。
【商品画像2~7枚目】
1枚目の商品画像は制約が大きいため、商品の魅力を十分伝えるには2~7枚目が勝負となります。
商品レビューなどを参考にしながら、見落としている点がないか見直すようにしてください。
詳細は、以下の記事を参考にしてください。
なお、ブランド登録している方は、商品紹介コンテンツ(A+)を見直すのも良いですが、まずは商品画像を見直すことをおすすめします。
その後、商品画像を見直したうえで、商品紹介コンテンツも併せて見直していくと良いでしょう。
商品紹介コンテンツについては、以下の記事をご覧ください。
他の類似商品より価格が高い
他の類似商品より価格優位性が劣る場合は、その時点で購入率が落ちることになります。
この場合、利益率に注意しながら販売価格を見直す必要があるかもしれません。
しかし、場合によっては販売価格そのままで、上記のように商品ページを見直すことで購入率が改善する場合があります。
商品ページで、他商品にはない価値を伝えることができれば、十分「少し高くても買いたい」となって購入されるからです。
具体的には、競合商品や自社商品のレビューを分析したりして、他社との違いを洗い出してみると良いでしょう。
そして、他社にはない自社商品を使う用途やメリットを表現していきます。
価格優位性で他社に負ける場合は、必ず差別化ポイントを意識して考えるようにしましょう。
入札単価が高い
単純に、入札単価を高く設定していれば、当然クリック単価は上がっていくので費用対効果は悪くなります。
まず、複数の広告を使用している場合は、入札単価を抑えられている広告に絞るのも1つの手です。
具体的には、スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告だけに絞ります。
そのうえで、それぞれの広告設定の見直しを図りましょう。
スポンサープロダクト広告は、入札額を設定する他、変動させるかどうかを設定することができます。
動的な入札額(ダウンのみ) | 商品が売れていない場合に入札額を順次引き下げる |
動的な入札額(アップとダウン) | 商品が売れていない場合に入札額を引き下げ、売れる場合は最大2倍まで引き上げる |
固定入札額 | 設定した入札額から変動しない |
上記のうち、一番費用対効果が悪くなるリスクが高いのは「アップとダウン」です。
もし、費用対効果が悪い場合は、「ダウンのみ」もしくは「固定入札額」を選択するか、入札額を低くするようにしましょう。
入札単価を抑えることで必然的に広告費は下げることができますが、売上まで下がってしまう可能性もあります。
具体的に広告費を上げる、下げるといった判断は、後述するようにACOS(売上に対する広告費の割合)と利益率を比較して検証するようにしてください。
オートターゲティングに依存している
スポンサープロダクト広告には、自動で適切なキーワードを判断するオートターゲティングという機能があります(スポンサーブランド広告にはなし)。
オートターゲティングの方が、自動で狙うキーワードを最適化してくれますが、自分で設定するマニュアルターゲティングに比べるとアプローチ範囲が広いです。
そのため、いつまでもオートターゲティングに依存していると、費用対効果は頭打ちします。
オートターゲティングの運用結果を見ながら、ターゲットを狙い撃ちしてマニュアルターゲティングも加えていかないと、費用対効果は上がりません。
オートターゲティングだけでなく、いずれはマニュアルターゲティングも運用しながら費用対効果の改善を図りましょう。

自分ではオートターゲティングとマニュアルターゲティングの使い分けが難しいと感じたら、Perpetuaというツールを使うこともおすすめです。
Perpetuaは、オートターゲティングとマニュアルターゲティングの使い分けや、それぞれの設定まですべてAIに任せて運用することができます。
費用はかかるものの、効率的に運用して費用対効果を最適化したい人は、試してみると良いでしょう。
なお、Amazon広告のターゲティングの詳細は、以下の記事をご覧ください。
費用対効果が高いAmazon広告運用3つのポイント

最後に、費用対効果が高いAmazon広告運用のポイントについてお伝えします。
Amazon広告を運用する際は、次のことを意識するようにしてください。
スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告を中心に運用する
先ほどもお伝えしたように、費用対効果の良いAmazon広告はスポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告です。
他の広告は、多少広告費がかかっても自社ブランドの認知拡大に活用したい方向けなので、ブランドが育ってきた方向けです。
1つの商品の売上を上げたいという目的であれば、スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告を中心に運用しましょう(ブランド登録していない場合はスポンサープロダクト広告のみ)。
無理のない範囲で入札額と1日の広告予算を決める
Amazon広告で大赤字になるような失敗を防ぐには、無理のない範囲で入札額と1日の広告予算を決めることです。
例えば新発売する商品でスポンサープロダクト広告を利用する場合は、次の入札額と広告費を目安にしましょう。
- 入札額は、推奨入札額を少し上回る程度
- 1日の広告予算は1,000円程度(月30,000円)
上記の設定で様子を見て、少しずつ調整していくと良いでしょう。
心配な人は、入札額の変動を「ダウンのみ」で設定するのもありです。
ACOSと利益率を比較して検証する

Amazon広告の費用対効果はどう判断するの?
Amazonの費用対効果では、次のように、ACOSと利益率を比較して検証します。
- ACOS=広告費÷売上×100
- 利益率=利益÷売上×100
ACOSは、よく広告の費用対効果を示す指標として使われるROASの逆数です。
計算式で見てわかるように、ACOS>利益率であれば広告損益は赤字、ACOS<利益率であれば黒字です。
つまり、Amazon広告を運用するうえでは、ACOS<利益率を目指すことになります。

運用結果を見たけど、広告費を増やさないといけないのか、減らして良いのかよくわからない
広告費の増減については、感覚で決めないようにすることが大切です。
感覚で決めると、本当は広告費を上げないといけないのに減らして販売機会を失ったり、広告費を下げても良いのに、現状維持で利益が改善しないという事態になります。
全体の利益から広告費を差し引いた最終利益を、次の計算式で考えると広告費の増減判断がしやくすくなります。
最終利益
=全体の利益−広告費
=自然販売利益+広告経由の利益−広告費
=自然販売利益+広告損益 ・・・①
自然販売利益=売値×自然販売数×利益率・・・②
広告損益=売値×広告販売数×(利益率−ACOS)・・・③
∴②③を①の計算式に代入すると
最終利益=売値×{自然販売数×利益率+広告販売数×(利益率−ACOS)}
上記で、自然販売利益とは、広告費をかけずに自然検索経由で売れた商品の利益を指します。
赤字で示した計算式の右辺の部分の数値も確認するようにすると、自然検索の売れ行きと、広告経由の売れ行きを分けて考えることができます。
例えば、広告経では月20個売れているけど、自然検索では月3個しか売れていないなら、広告費は下げない方が良いことになります。
Amazon SEO評価(Amazon内での検索順位に関する評価)が上がって、自然販売利益が上がってくるまでは、広告費は上げるか現状維持の方が良いでしょう。
広告経由の売上もAmazon SEO評価に影響するので、将来の自然検索流入を育てるための投資になります。
逆に、自然検索では月20個売れていて、広告経由でほとんど売れていないなら、広告を停止しても問題ないことになります。
このように、自然検索と広告経由の売れ行きを分けて考えるようにしましょう。
最後に
以上、Amazon広告の費用と、費用対効果の改善ポイントなどをお伝えしました。
Amazon広告は、基本的にクリック課金なので、無理に広告費をかけたり、入札単価を上げたりしなければ大幅に赤字になることはありません。
無理のない範囲で入札単価と広告予算を考えて、運用しながらPDCAを繰り返すようにしましょう。
Amazon広告の概要や種類については、以下の記事で詳細をご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
このようなお悩みありませんか?
- せどり・転売を続けることに不安を持っている人
- 副業で臨む成果を得られていない人
- 副業を始めたいけど、何をすべきか迷っている人
- 新たな事業で収入の柱を増やしたいけど何が良いか分からない人などなど
EC STARs Lab.代表の中村が過去有料で開催した 【Amazon物販ビジネス国内メーカー直取引完全攻略セミナー】 の内容を無料公開しております。
下記をクリックして中身をご確認ください^^
国内メーカー仕入れに特化した無料セミナーはコチラから↓↓

弊社が出版した書籍一覧はコチラから↓↓

Amazon広告を始めたいけど、どれくらい費用かかるかな。