ブランド品を中心に扱うブランドせどりは、1商品で高い利益を狙うことができるので、憧れを持っている人も多いかと思います。
私も、昔は「エルメスのバーキンでも仕入れて高値で販売できたら良いなあ」「ロレックスの時計は値上がりするかなあ」なんてことを考えたことがあります。
言うまでもなく、仕入れ値がとんでもなく高いので実践する勇気はありませんでした・・・・・・。
実際、ハイブランドは仕入れ値が高いので、ハイリスクであることは間違いなく、稼ぐことは簡単ではありません。
高単価商品なのでなかなか売れず、不良在庫になる可能性も高く、実際、周りでもブランドせどりで稼いだという人は聞いたことがありません。
そこで、ブランドせどりの特徴と、儲けることが難しい理由について解説します。
目次
ブランドせどりとは?
ブランドせどりとは、単純に言えば主にハイブランド品を仕入れて、メルカリやBUYMAなどで転売するビジネスです。
基本的に高単価商品なので、売れたら当然利益額が大きくなります。
1個あたりの利益が数万円、場合によっては数十万円になることもありますが、他のせどりではあり得ないことです。
薄利多売ではなく、厚利少売の、基本的に大量仕入れをしないせどりです。
家具や生活家電のような大型で重量のある商品もないので、商品を自宅に保管してもかさばらず、広い保管スペースを必要としません。
ただ、気を付けないといけない点が、当然仕入れ値が高いので、商品1個の不良在庫リスクが大きくなります。
数多くあるせどりのジャンルのなかで、最もハイリスク・ハイリターンの手法と言えます。
昔から偽ブランド品が販売されていることも多いので、仕入れ先は十分注意しないといけません。
偽ブランドを見抜けるかどうかを含めて、ブランド品の知識がある人かせどり上級者であれば楽しんで取り組めるでしょう。
ブランドせどり3つの基本的な特徴
まずは、簡単にブランドせどりで主に扱うブランド、仕入れ先、販路といった基礎知識を解説します。
ブランドせどりは、ファッションアイテムを主に取り扱うアパレルせどりに近いところがありますが、主にハイブランドや人気ブランドを扱います。
ブランドせどりで主に扱うブランド
ブランドせどりで主に取り扱うブランドは次の通りです。
- ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)
- エルメス(HERMES)
- シャネル(CHANEL)
- ディオール(Dior)
- プラダ(PRADA)
- グッチ(GUCCI)
- ブルガリ(BVLGARI)
- カルティエ(Cartier)
- バーバリー(BURBERRY)
- コーチ(COACH)
- ポールスミス(Paul Smith)
- フェンディ(FENDI)
- セリーヌ(CELINE)
- ロエベ(LOEWE)
- フェラガモ(Ferragamo)
- ロレックス(ROLEX)
- オメガ(OMEGA)
- アディダス(adidas)
- ニューバランス(new balance)
- ナイキ(NIKE) etc・・・・・・
上記一覧を見てわかるように、扱うブランド商品も、洋服、バッグ、靴、腕時計、アクセサリー、財布、スニーカー、コスメと様々です。
ブランドせどりの仕入れ先
ブランドせどりの仕入れ先としては、次の5パターンがあります。
- 日本国内の正規代理店で仕入れる
- 国内外のファッションサイト、ECモール、フリマサイトで仕入れる
- 海外に買付けに行く(中上級者向き)
- 古物市場に買付けに行く(中上級者向き)
- BtoB向きのオークションで仕入れる(中上級者向き。オークネット、エコリングなど)
言うまでもなく、海外に買付けに行くことが一番ハードルが高く、古物市場やBtoBオークションも初心者向きとは言えません。
また、ハイブランドの正規代理店やオンラインブティックは転売目的の購入が禁止されていることが多いです。
そもそも正規代理店は、並行輸入品を仕入れるルートと違って、安全性は高いものの安価に購入することができません。
限定商品を買い占めて悪質な高額転売するつもりでなければ、せどりで取り組むには適していないと言えるでしょう。
以上のことを考えると、次のような海外ファッションサイト、日本国内のフリマサイト、ECモールなどが仕入れ先として妥当です。
海外ファッションサイト | 国内のフリマサイト、ECモール |
|
|
特に上記の海外ファッションサイトは、最近人気のBUYMA物販でもよく利用される仕入れ先です。
興味のある方は、以下の記事をご覧ください。
メルカリやラクマ、ヤフオクは、高額転売ヤーが多く、高値で販売していることが多いので注意が必要です。
また、フリマサイトなので偽物だったり、不具合があったりすることもある点も要注意です。
その他、ハードオフやセカンドストリートなどのリサイクルショップでもハイブランド品が陳列されていることがあるので、チェックしてみるといいでしょう。
ブランドせどりの販路
ブランドせどりの販路は、大まかにメルカリ、ヤフオク、BUYMAの3つのうちどれかでしょう。
Amazonはブランド品の出品規制が厳しいので、ほとんど販売は不可能に近いです。
BUYMAについては、基本的に海外のファッションサイト以外から仕入れができないので注意してください。
Amazonや楽天などの国内ECモール、メルカリなどのフリマサイトからの仕入れはNGとなります。
また、SHEINやAliExpress、アリババなど中国サイトからの仕入れも、品質や真贋に不安があるとして仕入れが禁じられています。
⇒⇒⇒BUYMA公式サイト「出品を禁止されている買い付け先について」
メルカリ、ヤフオク、BUYMAについては、詳細は以下の記事をご覧ください。
ブランドせどりが儲からない7つの理由
ブランドせどりの基本的な特徴についてお伝えしましたが、実際、中上級者向きの手法で儲けることは簡単ではありません。
せどり中上級者でも、ハイリスクハイリターンなうえに、利益が継続しないのでやめてしまう人が多いです。
転売禁止のブランド品が多い
ハイブランド品は、時々限定品の高額転売が問題になることが多く、特に正規代理店からの仕入れはかなり厳しいと考えていいでしょう。
例えば、シャネルやエルメス、ブルガリなどの有名ハイブランドの規約を確認すると、かつて高額転売が問題になっていたこともあり、転売目的の購入を禁止しています。
【シャネル】
「ご来店時におけるお客様へのお願い」
シャネルでは、厳選された素材と卓越したクリエイションから生み出される製品を正規販売網を通して安定的に供給し、お客様一人ひとりに合わせた高品質なサービスご提供を確保するため、ご来店時に下記のセールスポリシーにてご対応させていただいております。ご理解を賜りますようお願い申しあげます。
- 入店人数を制限させていただく場合がございます。
- 店内の滞在時間を制限させていただく場合がございます。
- 個人使用の目的*以外でのご購入や営利を目的とした転売行為は禁止しております。
- 店内での写真や動画の撮影はお断りしております。
- 一人あたりの製品購入個数、修理承り個数**を制限させていただきます。
- 正確な購入履歴をご登録いただくため、ご購入時にお客様情報のご登録とID(顔写真つきのご本人確認ができるもの)のご提示によるご本人確認をさせていただきます。***
上記セールスポリシーに違反された場合は、ご購入をお断りさせていただくこともございますので、予めご了承ください。
※シャネル公式サイトより抜粋
【エルメス】
当社は、過去の注文に関し紛争が生じたお客様、以前に売買条件に違反したことがありまたは現在詐欺的な活動もしくは転売活動に関与しているおそれがあると当社が合理的な根拠により考えるお客様、その他の合理的な理由によりお取引すべきでないと考えるお客様のご注文をお受けしないことができます。
※エルメス公式サイトより抜粋
【ブルガリ】
また、ブルガリ ジャパンは、当社の電話、公式サイトでのご注文におけるサービス利用規約に反した場合、その他、以下の事由のうち何れか一つまたは複数に該当した場合には、当社の判断によりお客様からの申込みをキャンセルさせていただき、今後のご注文もお断りさせていただく場合がございます。
– 当社へ虚偽のご申告をした場合
– 料金不払い、注文製品受け取り拒否があった場合
– 営利、転売目的の購入と当社が判断した場合
– 過去の注文に関し紛争が生じたお客様である場合
– 以前に利用規約に違反したことがある場合
– その他、当社が不適切な購入と判断をした場合(5個以上のご注文を受けかねる場合がございます。)
※ブルガリ公式サイトより抜粋
とはいえ、限定商品を買い占めて悪質な高額転売するケースもあります。
※J-CASTトレンドより抜粋
ただ、大手ブランドの正規代理店が、何も対策しないとは考えられず、再販すれば大量の不良在庫を抱えることになるので絶対にやめましょう。
プレ値になりやすいと言われるスニーカーブランドのナイキ、ニューバランス、アディダスも転売禁止です。
ナイキやアディダスなどのスニーカーは、ハイブランドに比べると敷居が低く、おすすめする人も多いですが、転売対策を徹底しているのでやめた方がいいでしょう。
また、コンバースは、伊藤忠商事が商標権を持っているため、並行輸入品を販売することができません。
店舗の規約だけでなく法律の規制にも注意が必要で、例えば、コスメ商品の並行輸入品については、薬機法の規制に注意が必要です。
日本のAmazonや楽天に販売されている並行輸入品を仕入れることは可能ですが、自分で海外から化粧品を仕入れて販売することは薬機法違反に該当してしまいます。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
高単価なので赤字リスクが大きい
言うまでもなく、ハイブランド品は高単価です。
仕入れ値が高いので、1個でも不良在庫があると赤字リスクが大きくなります。
初心者の方がせどりに取り組む場合は、まずは低単価で利益率の高い商品から仕入れるようにすることをおすすめします。
高単価商品ほど回転が遅いので資金繰りが悪い
高単価商品のもう1つのデメリットは、低単価商品に比べると回転が遅いことです。
そのため、資金繰りが厳しくなることがあるので注意しましょう。
ただし、BUYMAは無在庫転売が可能なので、資金繰りに悩まされずに済みます。
ファッションブランドの知見がある方は、BUYMAで販売してみるのもいいでしょう。
偽ブランドが多い
ブランドせどりで、最もよく知られるデメリットが、偽ブランド品が多いことです。
怪しい海外ファッションサイトや、メルカリやヤフオクなどのフリマサイトからの仕入れでは特に注意しないといけません。
偽物を仕入れてしまった場合は、販売すると商標権違反か著作権違反で犯罪になってしまいます。
返品できなければ、そのまま泣き寝入りしないといけなくなり、高額な仕入れ値がそのまま損失になってしまいます。
偽物を100%防ぐことは難しいですが、極力次のことは守って仕入れをしましょう。
- 返品に応じてくれるショップから仕入れる
- メルカリやヤフオクでは評価の高いストアから仕入れる
- 極力個人からの仕入れを避ける
- 有名な海外ファッションサイトを利用する
- 信頼性の高い古物市場やBtoBオークションを利用する
- 仕入れ値が不自然に安すぎる場合は疑ってかかる
お客様からのクレームが多い
ブランド品は、ちょっとした傷や汚れですら大きなクレーム、返品・返金のトラブルに発展します。
検品時の状態確認はもちろんのこと、梱包には十分気を付けて発送するようにしましょう。
クレームリスクが高いジャンク品は、よほど修理の知識・スキルがない限りは極力避けた方が無難です。
ブランド品の知識がないと目利きが難しい
当たり前ですが、ブランドせどりでは、ブランド品の知識が欠かせません。
仕入れ値が高く、1商品あたりの赤字リスクが大きいので、目利きは必要です。
メルカリもヤフオクもBUYMAも、「この商品は月いくら売れる」といったものを調べるツールはありません。
しかも、ファッションは流行に左右されやすく、一時期売れたとしても、あるとき突然売れなくなることもあります。
そのため、流行に敏感になっておくことも必須です。
よほどブランド品が好きで詳しいということがなければ、かなり厳しいところはあるでしょう。
常にリサーチを続けないと利益が続かない
よほどの掘り出し物が見つかり、ブランドせどりでたまたま大きな利益を得られたとしても、継続するのはかなり難しいです。
利益は高いが仕入れ値も高いハイリスク・ハイリターンな商品を常に探さないといけないからです。
リサーチ作業を延々と続けないといけませんし、良い商品を見つけたとしても仕入れ値が高いのでドキドキです。
毎回、そんなことを繰り返すことは、肉体的・精神的にも持たないので現実的とは言えないでしょう。
ブランドせどりは、1回当たりの利益は大きいですが、仕入れができなければ終わりという典型的なフロー型のビジネスです。
長期的に利益が安定して、経営基盤のあるストック型のビジネスを求めている人には向いていません。
ブランドせどりよりリスクが低く安定的に儲かるメーカー仕入れの方がおすすめ
ブランドせどりは、高単価で赤字リスクが高く、仕入れに勇気のいる商品が多いです。
しかも、儲けたとしてもその場限りの利益に終わるので、延々と終わらないリサーチと、ハイリスクでな仕入れを続けないといけません。
安定的に利益は得られませんし、偽ブランドが多くて安心して行えるビジネスモデルではありません。
もっとリスクがなく安定的に利益を積み上げたいなら、上図のようにメーカーと直接取引して商品をAmazon販売した方がいいでしょう。
これをメーカー仕入れと言いますが、ブランドせどりとは次のような違いがあります。
メーカー仕入れ | ブランドせどり | |
転売禁止 | ー(関係ない) | ×(多い) |
仕入れ値 | 〇(最上流なので安い) | ×(ハイブランドは高い) |
赤字リスク | △(抑えられる) | ×(高い) |
在庫回転率 | △(商品による) | ×(悪い) |
リピート仕入れ | 〇(可能) | ×(不可) |
利益の継続性 | 〇(高い) | ×(低い) |
偽物のリスク | 〇(ない) | ×(高い) |
クレーム | 〇(ほぼない) | ×(多い) |
アカウントリスク | 〇(ほぼない) | ×(高い) |
初心者向き | 〇(始めやすい) | ×(難しい) |
中上級者向き | 〇(中上級者は利益拡大しやすい) | △(ハイブランドの知識があれば向いている) |
詳細は、以下の動画をご覧ください。
最後に
以上、ブランドせどりについてお伝えしました。
ブランドせどりは、仕入れ値が高くて赤字リスクが大きく、しかも回転が遅いので資金繰りを圧迫します。
ブランド品の知識がないと、単なる博打のような投機的なビジネスになってしまいます。
継続的に利益を得るには、リスクの高い仕入れを常に続けないといけないので現実的ではありません。
会社を辞めて独立したいという方は、もっと長期的な利益を見込めるビジネスを始めた方がいいでしょう。
なお、ブランドせどりに少し似ている、アパレルせどりや時計せどりは、以下の記事を参考にしてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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