
混合在庫だとしても、Amazonがしっかり管理しているから大丈夫でしょ!
「FBA混合在庫」と聞くと、なんとなく色々な商品がごちゃ混ぜになっているイメージではないでしょうか?
例え本当にごちゃ混ぜになっていても、Amazonが管理・クレーム対応してくれるから安心、と思っている方も多いかもしれません。
そんな「FBA混合在庫」の仕組みと実情について、現役セラーの私が詳しくお伝えいたします。
「FBA混合在庫」をご検討されている方は、まず、ご一読ください。

FBA混合在庫とは?3つの特徴を詳細解説

FBA混合在庫とは、同じ商品を出品している複数の販売者が、商品を共有してAmazonがひとまとめに管理している在庫のことです。
Amazonでお馴染みの商品ラベルは不要で、商品に元々付いている商品共通のバーコード(JAN・EAN・UPCなど)で管理されます。

つまり、Amazonセラー別ではなく商品別で管理されている在庫なので、商品ごとにまとめて保管されているのがFBA混合在庫です。
FBA混合在庫には一見魅力的な特徴と利用条件があります。
- 商品印字のバーコードを使用するのでラベルを貼らなくていい
- 販売者共有の商品なので全国のAmazon倉庫から最短でお届けできる
- 利用するためには満たすべき要件がある
特徴①商品印字のバーコードを使用するのでラベルを貼らなくていい

FBA混合在庫での納品は、商品に元々付いているバーコード(JAN(EAN)・UPC・IS)を利用して納品するため、Amazon独自の商品ラベルの貼り付けが必要ありません。

商品ラベル貼らないでいいなら、手間も省けてコスト削減にもなる!
と思う方も多いはず。
仕入れた商品をわざわざ開封して、印刷した商品ラベルの貼付けを行うのは、想像以上に手間のかかる作業です。
この納品作業を簡略化できることは、FBA混合在庫に魅力を感じる最も大きな特徴です。
特徴②販売者共有の商品なので全国のAmazon倉庫から最短でお届けできる
さらにFBA混合在庫の商品は、複数の販売者の商品を一括管理するので全国のAmazon倉庫に均等に分散できるため、購入者への発送を最速にすることができます。

FBA納品はどれもprimeマークが付くから、最速じゃないの?
と思われがちですが、FBA混合在庫ではない商品は、セラーごとで管理されるため、少量の在庫を全国に分散するので範囲が限られます。
商品ごとに一括管理されていることで、各倉庫に分散でき、購入者から最短距離のAmazon倉庫から商品を発送できるため、最短でお届けできるというわけです。
特徴③利用するためには満たすべき要件がある
FBA混合在庫(バーチャル追跡)を利用するには、以下の要件を全て満たす必要があります。
- 新品のコンディションであること
- Amazonカタログ内の単一のASINに一致する、スキャン可能なUPC、EAN、ISBN、またはJANバーコードが1枚あること
- FBAの制限対象商品または危険物ではないこと
- 賞味/消費期限のある商品ではないこと
- 食品&飲料、日用品または局所用商品(スキンクリーム、化粧品、石鹼など)ではないこと
- メディア商品(本、CD、VHSテープ、DVDなど)ではないこと
- 子どもや乳幼児に関連する商品(おもちゃやベビー服など)ではないこと
- ファッション商品(腕時計、ジュエリー、服&ファッション小物、シューズ、ハンドバッグ、サングラスなど)ではないこと
- PCソフトやTVゲームではないこと
- カー&バイク用品ではないこと
- ペット用品ではないこと
- メモリ商品ではないこと
- カメラカテゴリーにおけるブラウズノードIDのこのリストに分類されている商品ではないこと
- 医療機器ではないこと
- 並行輸入品ではないこと
要件の詳細についてはAmazonセラーセントラルFBAバーチャル追跡の使用でご確認ください。
ここまでお伝えした内容では、混合在庫を試してみたいと思う方もおられるかもしれません。
確かに便利な点もありますが、実際にはリスクが高くおすすめできません。
FBA混合在庫をおすすめしない3つの理由

ここからは、FBA混合在庫をおすすめしない理由についてお伝えします。
- 他人の出品商品(偽物・粗悪品)でのクレーム対応が必要になる
- アカウントの健全性がコントロールできない
- 出品者の評価にも影響がでる
他人の出品商品(偽物・粗悪品)でのクレーム対応が必要になる
Amazonの商品ラベルには、商品と販売者を識別する情報が含まれています。
つまり、商品ラベルを使用しないFBA混合在庫では販売者情報はなく、購入者からのクレームがあった場合、販売者がランダムに選ばれることなるということ。
例えば、あなたはきちんと正規品を仕入れて丁寧に梱包・納品していたとしても、別の販売者が不良品や粗悪品を納品していれば、あなたが責任を問われる可能性もあるということです。

私は物販4年目ですが、今まで一度もFBA混合在庫を利用していません。
私の場合、そもそも自分で仕入れて確認していない商品の対応はできないし、他人に自分が納品した商品を販売されることも容認できないので、利用経験0です。
しかも、不良品・粗悪品といったクレームには、返品や交換を迫られることもあるでしょう。
そういった最悪の事態をはらんだFBA混合在庫を利用することは、おすすめできません。
アカウントの健全性がコントロールできない
さらに、対応が困難なクレームが頻発すれば、ご自身のアカウントにも影響します。
FBA混合在庫で発生する他人の商品のクレームは、原因の解明も解決もできません。
曖昧な対応が続けば、Amazonから真贋調査をされる可能性も高く、例え正規仕入れを証明しても解決できない、ということも少なくありません。
その結果、アカウントの健全性が低下し、出品停止や最悪アカウント停止につながることにもなりかねません。
いくら手間が省けてコストも抑えられるメリットがあっても、アカウントへの悪影響と引き換えでは割に合いません。
出品者の評価にも影響がでる
その上、FBA混合在庫でのクレームは、出品者の評価にも大きく影響します。
ご自身が納品する商品をしっかり管理しても、他人の商品も混ざることで、品質に一貫性がないとみなされ、出品者自身の評価も下がるでしょう。

毎回、商品の状態が違う!適当なセラーなの?他の商品も不安だな…
というふうに、購入者からの誤解を受けやすく、しいては他の出品商品にまで影響を受けかねません。
このように、正規品を自信をもって販売している方なら尚更、FBA混合在庫を利用することはとてもリスクが高くおすすめできません。
FBA混合在庫の解除(変更)方法

ここからは、FBA混合在庫になってしまった場合の解除方法と、間違えて混合在庫にならないようにする回避方法についてお伝えします。
FBA混合在庫の設定を解除する方法
既にFBA混合在庫になっている場合、設定の解除と納品済みの商品の変更が必要になります。
まずは、FBA混合在庫になっている設定を解除する方法についてお伝えします。
セラーセントラルトップ画面の右上にある⚙マークをクリックし、ドロップダウンしたメニューの下から2番目の「FBAの設定」をクリックします。

「フルフィルメントby Amazonの設定」の画面を開いたら、スクロールして「FBA商品のバーコードの設定」の項目の右端「編集」をクリックします。

「FBA商品のバーコード設定」の画面を開いたら「Amazonの商品ラベル」を選択して「更新」をクリックします。

これで、FBA混合在庫の解除の設定変更は完了です。
次回からの商品登録は「Amazonの商品ラベルで納品」になりますが、既にFBA混合在庫で登録して納品済の商品については、さらに操作が必要です。
納品済のFBA混合在庫をAmazonの商品ラベルに変更する方法
次に、既に納品しているFBA混合在庫をAmazonの商品ラベルでの販売に変更する方法についてお伝えします。
Amazon商品ラベル使用に変更する方法は以下の3つの手順で行います。
- FBA混合在庫で納品している在庫商品を返送する
- 返送した商品を新しいSKUで新規登録し直し、混合在庫時の商品情報は削除する
- 新しく登録し直した商品のラベルを印刷・貼付けしてFBAに納品する
①FBA混合在庫で納品している在庫商品の返送を行います。
セラーセントラルトップ画面の左上にある三本線のメニューバーをクリックし、ドロップダウンした項目の2番目「在庫」→「全在庫の管理」をクリックします。
「在庫管理」の画面が開いたら、返送したい商品を検索し、その商品右端にある3つの点のメニューバーをクリックします。
表示された項目の中の「返送/所有権の放棄依頼の作成」をクリックします。
「返送/所有権の放棄依頼の作成」の画面が開いたら、「発送先住所」を選択し「発送先住所」の内容も確認します。
「返送の出荷可能数量」にユニット数と同数の数量を入力し、確認をクリックします。
これで、この商品の返送が完了しました。
②返送完了して在庫0を確認したら、同商品を別のSKUで新しく登録し直します。
一度FBA混合在庫で登録し納品したSKUには、混合在庫の情報が残っているため、Amazon商品ラベルでの納品はできません。
そこで、同じ商品をSKUだけを変更し、ASINなどその他のデータはコピーして新規登録します。
商品登録画面で新SKUで登録したい商品のASINを入力し検索します。
検索して出てきた混合在庫と同じ商品名をクリックします。
商品の詳細画面が表示されたら「コンディション」に「新規」を選択して「出品情報のコピー」を選択します。
これで、ほぼ情報がコピーされた詳細入力画面が表示されます。
まず「出品情報」のページが表示されますので、左端の選択肢を「おすすめ」にします。
そうするとSKUの項目が表示されますので、新しいSKUを入力し、後は不足情報を全て入力して「送信」をクリックすれば、登録完了です。
登録完了した、再度誤ってFBA混合在庫で納品することのないよう、FBA混合在庫で登録したSKUは必ず削除しておきましょう。
③返送した商品に、新規登録したSKUの商品ラベルを貼付けて納品すれば、変更完了です。
在庫管理表に新規登録商品が反映されれば、商品を選択し「商品ラベルを印刷」を選択して、ラベルの用紙を選択、印刷したいラベルの枚数を入力し、印刷します。
印刷した商品ラベルを商品に貼付けて、FBAに納品すれば変更完了です。
FBA混合在庫の回避方法

FBA混合在庫を回避する方法についてお伝えいたします。
FBA混合在庫に設定してしまう原因としては、大きく分けて2つあります。
- 初期設定時の納品設定ミス
- 納品プラン作成時の設定ミス
初期設定時の納品設定ミスの回避方法
FBA混合在庫を設定してしまう要因の一つに、商品を登録した直後の登録完了画面から出品する際の、納品設定ミスがあります。
商品登録直後や初期設定時に、下記のような勘違いしやすい内容が表示されます。
- Amazonで商品を識別する
- ラベル貼付け免除
- 商品のラベル付けをAmazonに任せますか?
上記のどれを選択しても自動的にFBA混合在庫になります。
特に初心者の方には魅力的に感じる内容であることと、FBA混合在庫について理解が不十分であることで、選択してしまう可能性が高いです。
迷ったり分かりにくい時は、一度納品を中断して確認する、ということを意識してください。
納品プラン作成時の設定ミスの回避方法
こちらの納品プラン作成時の設定ミスというのは、稀に混合在庫で登録が多い商品の場合に、デフォルトで混合在庫の選択肢が表示される場合です。
遭遇する可能性は低いですが、初心者の方の場合間違って混合在庫の設定を選ぶ可能性もあります。
特に焦って行う納品作業では、冷静な判断に欠けて確認不足になりやすいので、時間にゆとりを持って行うことも大切です。
「Amazonに任せる」は「Amazonの商品ラベルを使用する」のとは反対の意味と覚えておきましょう。
どんな状況でもFBA混合在庫を回避するには、一瞬の迷いで大きなリスクを背負う事を理解して、慎重に行うことが大切ということです。
最後に
ここまで、FBA混合在庫について特徴やリスク、解除や回避方法についてお伝えしてきました。
ほとんどの方が、設定した覚えがないのに、いつの間にか混合在庫の設定になっていた、という事象が多いのがFBA混合在庫です。
リスクが大きすぎるFBA混合在庫を利用するくらいなら、ラベル貼付け作業を外注して時間を確保する方が将来的にも安全です。
Amazonが提供する様々なサービスには、こういったリスクが多いものばかりではありません。
より効果的に活用するために、サービスの内容をきちんと理解して、例え失敗しても糧にして知識につなげてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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混合在庫と普通の在庫って、何が違うの?