古物商許可証とは、営利目的で中古品(古物)を販売する人が持っていなければいけない許可証のことを言います。
盗品などの売買を防ぎ、犯罪行為を速やかに発見するために必要とされています。
古物商許可証を持たずに中古品を転売してしまうと、古物営業法違反で3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金刑となります(古物営業法第31条)。
しかし、逆に言えば古物に該当しない商品を営利目的で販売する場合は古物商許可証は不要になります。
また、古物を販売しても営利目的でなければ古物商許可証は不要になります。
問題は、古物営業法上の「古物」かどうか、「営利目的」かどうかということです。
そこで、「この場合は古物商許可証が必要か?」ということを事例別に解説します。
目次
- 1 【結論】中古品の転売をするなら古物商許可証は必須
- 2 この場合は古物商許可証が必要? 不要?
- 2.1 【事例①】中古家電をハードオフで購入したが買い替えるのでメルカリで不用品販売した
- 2.2 【事例②】新品家電をヤマダ電機で購入してメルカリで転売した
- 2.3 【事例③】未使用・未開封の中古家電をハードオフで購入してメルカリで転売した
- 2.4 【事例④】中古家電をメルカリで購入してAmazonで転売した
- 2.5 【事例⑤】新品家電を卸仕入れサイトから仕入れてAmazonで転売した
- 2.6 【事例⑥】新品家電をメーカーから直接仕入れてAmazonで販売した
- 2.7 【事例⑦】中古の洋服を外国に行って買い付けてBUYMAで転売した
- 2.8 【事例⑧】洋服をアリババから仕入れてAmazonで転売した
- 2.9 【事例⑨】中古家電をeBayから購入してAmazonで転売した
- 2.10 【事例⑩】中古家電をハードオフで購入してeBayに輸出した
- 2.11 【事例⑪】拾ってきた松ぼっくりをメルカリで販売した
- 3 古物商許可証の取得方法
- 4 最後に
【結論】中古品の転売をするなら古物商許可証は必須
冒頭でお伝えした通り、転売ビジネスで古物商許可証が必要かどうかはケースバイケースになります。
ただ、中古品の転売ビジネスをするのであれば、古物商許可証は必須です。
古物の定義は・・・・・・
古物営業法上の「古物(中古品)」の定義は、「1回以上消費者の手に渡っていること」です。
つまり、ヤマダ電機やビックカメラなど新品を扱っている店舗から仕入れた商品ばかり転売するなら、古物商許可証は不要になります。
しかし、メルカリ、ヤフオクなどのフリマサイトや、ブックオフ、セカンドストリートなどのリサイクルショップから商品を仕入れる場合は古物商許可証が必要です。
上の例で言えば、家電量販店で新品の掃除機を購入して、フリマサイトで転売する場合は、古物商許可証が不要となります。
しかし、一度消費者の手に渡った商品は、未使用・未開封だとしても、古物営業法上は「古物(中古品)」となります。
そのため、フリマサイトから商品を購入した女性の消費者が、オークションサイトで転売する場合は古物商許可証が必要となります。
なお、GEOのような新品と中古品両方取り扱っている店舗は、新品を仕入れるなら古物商許可証は不要ですし、中古品を仕入れるなら必要になります。
不用品であれば古物商許可証は不要である
消費者が営利目的ではなく、不用品販売を目的とした場合は古物商許可証は不要になります。
と思うかもしれませんが、たしかに確定申告が不要なレベル(副業なら年間所得20万円未満)であれば、営利目的でないと言えます。
ただ、確定申告が必要なレベルまで稼いでしまうと、不用品販売とは言い切れなくなるので注意してください。
- 一度でも消費者の手に渡っている商品であること(使用・未使用、開封・未開封は関係なし)
- 明らかに営利目的であること(確定申告が必要なほど稼いでいる)
この2点を満たす場合は、古物商許可証が必要であると覚えておいてください。
この場合は古物商許可証が必要? 不要?
先ほどお伝えした通り、古物商許可証が必要かどうかは、販売するものが古物かどうか、営利目的かどうかで決まります。
この点を踏まえて、古物商許可証の要否を事例別で解説します。
【事例①】中古家電をハードオフで購入したが買い替えるのでメルカリで不用品販売した
営利目的ではなく、不用品販売の場合は、新品・中古関係なく古物商許可証は不要となります。
しかし、先ほどお伝えした通り、不用品販売のつもりでも、継続的に利益を稼いでいる場合は、営利目的とみなされる場合があります。
【事例②】新品家電をヤマダ電機で購入してメルカリで転売した
先ほどお伝えした通り、消費者の手に一度も渡っていない新品を転売する場合は、古物商許可証は不要となります。
新品せどりに専念して、中古品を扱わない場合は、古物商許可証は必要ありません。
【事例③】未使用・未開封の中古家電をハードオフで購入してメルカリで転売した
未使用・未開封であっても、消費者の手に一度でも渡った場合は、古物(中古品)となるので、転売する場合は古物商許可証が必要です。
【事例④】中古家電をメルカリで購入してAmazonで転売した
事例③と同様、古物商許可証は必要です。
さらに、メルカリの仕入れは、非対面取引になるので、古物営業法上は、出品者の本人確認が必要です。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
【事例⑤】新品家電を卸仕入れサイトから仕入れてAmazonで転売した
卸仕入れサイト経由ということは、一度も消費者の手に渡っていないので、古物商許可証は不要になります。
卸仕入れサイトについては、以下の記事を参考にしてください。
【事例⑥】新品家電をメーカーから直接仕入れてAmazonで販売した
メーカーから直接仕入れた場合は、一度も消費者の手に渡っていないので、古物商許可証は不要になります。
せどりや転売と違って、メーカー仕入れと言われる手法です。
あまり知られていない手法ですが、メーカーと直接取引することは可能ですし、安定した利益が得やすいです。
気になる方は、以下の動画をご覧ください。
【事例⑦】中古の洋服を外国に行って買い付けてBUYMAで転売した
海外に直接行って、中古の洋服を買い付けてBUYMAなどに販売する場合は、古物商許可証は不要となります。
販売者自身が外国で買い付けをして国内に輸入したものを売るのみであれば、古物商の許可は必要ありません。
しかし、他の業者が輸入したものを日本国内で買い取って(仕入れて)売る場合は、国内の被害品が混在する可能性があるので、許可が必要になります。
※大阪府警察ホームページより抜粋
【事例⑧】洋服をアリババから仕入れてAmazonで転売した
中国輸入ビジネスで最も利用されるアリババ(1688.com)は、工場にある商品を仕入れるサイトです。
そのため、卸仕入れサイトからの仕入れ同様に、消費者の手に一度も渡っていないので、古物商許可証は不要となります。
【事例⑨】中古家電をeBayから購入してAmazonで転売した
海外の中古家電をeBayやAmazon.com(アメリカのAmazon)から仕入れて販売する場合は、古物商許可証は不要となります。
古物営業法は、日本国内の取引に関する法律であるためです。
ただし、上記の大阪府警のホームページの記載にある通り、輸入代行業者などを通した場合は古物商許可証が必要となります。
中国輸入ビジネスでは、代行業者を利用することになりますが、中古の中国製品を代行業者経由で販売する場合は古物商許可証が必要になります。
どちらに該当するか微妙なケースの場合は、最寄りの警察署に確認するようにしてください。
【事例⑩】中古家電をハードオフで購入してeBayに輸出した
日本国内の中古家電を仕入れて、eBayに出品して販売する際は、古物商許可証が必要となります。
「どこで売るか?」は関係なく、「どこからどんな商品を仕入れたか?」で古物商許可証の有無は変わってきます。
【事例⑪】拾ってきた松ぼっくりをメルカリで販売した
小売店などで仕入れた商品ではなく、拾ってきたものを販売する場合は、古物商許可証は不要です。
古物商許可証は、「盗品の売買防止など、社会の秩序を守る」ために必要とされているので、道に落ちている松ぼっくりや石コロ、セミの抜け殻などは対象外になります。
また、無償で譲り受けた商品を転売する場合も、古物商許可証が不要となります。
古物の買い受け、交換又はこれらの委託により、売主等に何らかの利益が生じる場合は、許可が必要ですが、全くの無償で引き取ってきたもの、あるいは、逆に、処分手数料等を徴収して引き取ったものを売る場合は、古物商の許可は必要ありません(廃棄物の処理及び清掃に関する法律で定められた許可を要する場合があります)。
※大阪府警察ホームページより抜粋
つまり、次の記事で紹介されている商品をメルカリなどで販売する際は、すべて古物商許可証が不要となります。
古物商許可証の取得方法
古物商許可証の取得は、以下の通り進めます。
- 申請の必要書類を取りそろえる
- 最寄りの警察署に提出する
- 申請手数料(19,000円)を支払う
詳細は、以下の記事をご覧ください。
最後に
以上、転売で古物商許可証は必要なケースを紹介しました。
基本的には、転売ビジネスを行う場合は、古物商許可証を取得することがおすすめです。
特に中古せどりに力を入れるなら必須です。
古物商許可証の要否や取得方法について、不明点があった場合は最寄りの警察署に相談するようにしてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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